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ヒカリアレ ~楽園を目指す戦士達へ送る応援歌~

今回はハイキュー3期のOP ヒカリアレについて解説と解釈をお話していこうかなと思います。
はい!「アニメハイキューは4期まで履修済みだしネタバレ気にせず読めるぞ」と思ったそこの貴方!
残念!このnoteにはアニメ化に至っていない試合に関する言及があります。読み終わってからまた会おうな。具体的には361話、41巻の内容を含むよ。よろしくゥ!

さてさて人払いも済ませたところで全巻読破済みの戦士達と共にずんずん先に進みましょう。

まずは歌詞の細かい部分から。
これは昨今の曲の流行りと逆行する、というかそもそもヒカリアレ自体8年前(8年前!?)の曲なので昨今の流行りとは違っていて当たり前のお話なのですが、歌い出しがサビから始まりません。
最近の曲、BURNOUTでもサビから始まる曲が増えています。ハイキュー好きの皆さんなら「PHOENIX」を想像すれば一発で理解できることでしょう。
ただし!サビから始まらないからと言って掴みが弱いのか?と問われたら決して否。むしろその逆と断言してしまってもいいでしょう。
躯中からだじゅうの細胞に火を熾すように 目一杯に空気を吸い込んだ』
歌詞を読みながら聴けば躯中という見慣れぬ言葉が目を引きます。
そして歌詞を読まずに聞いたとしても「からだじゅうの細胞に火を……?」と一体何が始まるんだと好奇心に駆られることでしょう。
それだけでなく歌い出しを"から"とすることで烏野を思わせる効果もあります。なんと考えられた歌い出し。BURNOUT SYNDROMES アニソンへの姿勢が驚くほど真摯です。

さらに『光あれ 行け 影と歩幅合わせ』という歌詞に注目します。
我々ハイキュー読者はこの"影"というワードだけでこれを影山であると認識し「日向と影山が歩幅を合わせて進んでいくんだな」と理解できますが、一般的に考えて影と歩幅が合うのは当たり前なんです!!

⸜ ナンダッテ~~~~~!!! ⸝‍
ꐕ ꐕ ꐕ

歌詞を注意深く読んでいる一般リスナーにはもしかしたら「影と歩幅を合わせる…?」と首を傾げている人もいるかもしれませんが、ここはアニメを見ることで答え合わせができるギミック的な歌詞だということですね。

さて、そんなね、小手先の歌詞解説が見たかった訳じゃないですよね。
お待ちかね、ここから先は解釈を拡げていきます。
『己の道を敬虔に駆けろ』
敬虔とは - 深く敬って態度をつつしむさま。特に、神仏につつしんで仕えるさま。
「敬虔な信者」なんて使い方をしますね。この歌詞に加えて
歪曲まがらず屈折くっせず 理想を追い続ける その覚悟「光」と呼ぼう』
この二つの歌詞は1秒を1cmを競い、誰よりも早く速く頂に到達することにこだわり続けた、まさしく"日向翔陽"そのものを表す歌詞と言えます。

さらに
『聳え立つ壁に 不安喰らう魔物に 希望という風穴 穿つのは 僅かな可能性 信じ抜く勇気だ』
鴎台という聳え立つ壁に「どう抜ければいいか分からない」不安に風穴を穿ったのは、日向翔陽が常に高さで勝つことを信じ続けたからである、と。
なんということでしょう。3期OPにして随分鴎台戦とリンクしています。恐るべし熊谷和海。

最後に
『君の今日の輝きが 迷える友の明日を照らすよ』
これは「身長が低いことを思い悩んでいる」つまり"迷える" 「同志」である"友"の明日を照らすという歌詞なのですが、作中で最も日向翔陽の輝きに照らされたのは鷲匠鍛治その人でしょう。

世界一かっこいいおじいちゃん

そしてそれはこのアオリからも受け取れるのではないでしょうか。

またこの楽曲には「ヒカリアレ -Moonlight Version-」が存在します。
『天空かける流れ星は今夜』の部分が
『月をかける流星は今夜』と改変されており、Moonlightのタイトルと相まって強く月島を想起させるアレンジが施されています。
うんうん、ハイキュー3期、つまり白鳥沢戦の裏の主人公は月島蛍。
これはBURNOUT SYNDROMESが見せてくれた粋な計らい……


で す が ! !


ここで一つの疑問が生じます。
「月って流れ星にならんくない……?」
そうなんです!月は月として空に存在し流れ星はまた別の存在であると!
なんということでしょう、これは白鳥沢戦の裏の主人公が別にいることを示しているに違いありません。早速ハイキューを読み返し"流れ星"足り得る人材を探してみたところ


居 ま し た ! !


居るんですねぇ、一人だけ、しかも直接的に流れ星になった男が、たった一人だけ。

⸜ 天 童 覚 ⸝‍

そう、流星とは、天童覚のことだったのです。
うんうん、白鳥沢戦の裏の主人公、さらにはヒカリアレという曲は天童覚の曲と言っても過言ではなかった訳です。


八さん!?

冗談はさておき、このヒカリアレという曲では今まで出てきたフレーズがバチバチに組み合わさった伏線回収のごとき
『未来への祈りを合図に火蓋を切る 無限大の夢 十字架のように背負い 楽園を目指す戦士達に光あれ』
という歌詞で締めくくられます。
それぞれに夢を抱き、楽園を目指して戦う戦士達へ向けたエール。まさしく応援歌です。
作中で「楽園」という言葉が使われたのはこの一度だけ。

あれ?やっぱり天童覚の曲?




余談
BURNOUT SYNDROMESの楽曲には受験生応援ソングとして作られた「SPEECH」に『ハーケン』という歌詞が出て来たり「BREAK DANCER」に至っては作者直々に「音駒戦をイメージして作った」と言及されていたりします。気になったら聞いてみてね。

SPEECH

BREAK DANCER


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