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西原三葉さん「片付けられない自分を責めないで」

🎤ーー西原三葉さん、宜しくお願いします。最初に西原さんの病名と困り事をお聞かせ願えますか?



(西原三葉さん)

宜しくお願いします。病名はADHDです。子供の頃からミス、不注意、忘れ物、先延ばしグセ等があって、ずっと困っていましたが、私が子供の頃は診断も無い時代だったので「困ったな、またやっちゃったな」位に考えていただけでした。でも社会人になってから、自分の事務処理能力が極端に低いことに気付きました。数字の入力や受付対応などでミスを連発し、自責の念から1年でうつになり退職しました。

その後結婚し、3人の子供を出産したのですが、家庭生活を送る中で、片付けが苦手でとても苦労をしてきました。
当時は片付けられない事が障害によるものだとは思っていなかったので、自分を責め続けていました。主婦や女性は片付けができて当たり前という日本の女性に対する固定概念と片付けられない自分とのギャップに苦しんでいました。

そんな時、「片付けられない女たち」という本を読み、初めてADHDという障害がある事を知りました。もしかして自分もADHDなのではないかと思い、病院で検査を受けると診断がおりました。
「片付けられない原因はADHDであった」と気づき、ある意味ホッとしました。けれど診断が降りても、どうすれば困りごとを減らせるのか病院では教えてくれませんでした。
たまたま地元で開催しているADHD交流会に参加してみたところ、自分と同じような困りごとを抱えている人がたくさんいて、心が救われました。そしてみなさん色々な工夫を取り入れ困りごとを減らす努力をしていることを知り、希望が持てました。
その後、ADHDに特化した認知行動療法を受けることで、少しずつ片づけられるように変わっていきました。

🎤ーー頑張っても片付けられない、僕も相当部屋が乱雑だった時期がありました。そんな時、自分の怠惰なのか障害の特性であるかという事を自覚しているか自覚していないかで自信や自尊心が変わってくると思います。また、当事者との繋がりで色々気付きを得られたというのは本当に共感します。僕も多くの当事者会に参加する事で沢山の方と出会い、気付きを得ることが出来たと思っています。
🎤ーー今何か頑張っている事がありましたら、教えて下さい。

(西原三葉さん)

当事者会に参加したり、認知行動療法を受けることで、片づけ問題を改善できた時、私と同じようにADHDで片づけられず苦しんでいる方のサポートがしたいと思いました。


片付けアドバイザーは定形発達の方が大部分なので、ADHDがなぜ片づけられないのか理解していません。

「とにかく捨てなければ片付かない」とか「きちんと収納しましょう」などとアドバイスしますが、ADHDはそれが出来ないから困ってるのです。

ADHDの特性や苦しみを理解し、それに寄り添いサポートしてくれる片づけサービスは、まだほとんどないんです。


ならば「ADHDの苦しみが痛いほど分かっている私が、片付けアドバイザーになってやる!」という衝動性がはたらきました。

そして、ライブオーガナイザーと整理収納アドバイザー、産業カウンセラーの資格を一気に取得しました。

片付けと心の問題が大きく関わっていることも、当事者として理解していたので、「産業カウンセラー」の資格を取得し、心に寄り添う傾聴の技術を身に付けた上で、片づけコンサル「AUBE」を立ち上げました。


とは言え、整理収納の仕事で生計を立てるのは、容易いことではありません。当面はアルバイトでもしながら、修行を積むつもりでいましたが、ADHDであることをカミングアウトし整理収納アドバイザーの仕事を始めたところ、驚くほど多くの方から依頼が入るようになりました。


片づけられず誰かに助けてもらいたいけど、恥ずかしくて散らかった家を人に見せられないという方がたくさんいます。でも元々片づけが苦手な当事者の私になら頼めるかもと、勇気を持って依頼をしてくれる方がたくさんいらっしゃったのです。


片づけられない自分を責め、自尊心が低下している女性が多いですが、責めたり、物を捨てることを強要せず、苦しみに寄り添いながら、特性に合った片づけをサポートをすると「初めて自分の気持ちや苦しみを理解したもらえた」と涙を流してくださる方も多く、沢山の方に喜んでいただいています。

体力的には大変な仕事ですが、やりがいを感じています。

🎤ーーADHDの方の為の整理収納サポート、当事者の方には本当に助かるものだと思います。一般的な整理収納アドバイスだけでなく、ADHD当事者一人一人の心や特性に寄り添った整理収納アドバイスが、沢山の方に支持されている理由なのだと思います。

🎤ーー最後になりますが当事者の皆さんに何かメッセージはありますか?

(西原三葉さん)

ADHDの特性があって片付けが苦手な方がたくさんいます。特に日本の社会では、「片づけが出来ることが当たり前、片づけられないと女性失格」という風潮があり片づけられない女性を悩ませています。

また、片づけられない背景には、アダルトチルドレン、カサンドラ症候群、HSPなど様々ない問題が絡んでいることも多く、辛い状況の方がたくさんいらっしゃいます。

ADHDの特性があると片づけはとても大変ですが、特性に合った工夫を取り入れ、無理なくできることから取り組むことで、変わることも可能です。

1日5分片づける時間を取れるようになると、部屋は少しずつ片づいていきます。

片づけが苦手な方にとっては大変なことですが、トレーニングのつもりで、少しずつ取り組むことをお勧めします。

ただ、本当に物が多く、どこから手をつけたら良いかわからない状況だと、一人で解決することは難しいかもしれません。

そんな時は、片づけのプロに頼むことをお勧めします。

一人で解決できない時は、人に頼ることも大切です。

ご依頼をいただければ、サポートに伺います。

モデルルームのような綺麗な部屋でなくても、自分が使いやすい部屋であれば、十分です。

片付けられない自分を責めたり苦しんだりせず、前向きに生きて頂きたいなと思っています。

🎤ーー西原三葉さん、ありがとうございました!

↑↑↑「片づけられない……」をあきらめない!

西原三葉 著

主婦と生活社 出版

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