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No.23 二度と行きたくない国スイス 

ポップスシンガーだけどヨーデラーでもある私は一度はスイスを尋ねなくては!生徒たちは行ったことがあるのに教える私が未経験では立つ瀬がない。
実現したのは夫婦ともに60歳の時でした。
阪急旅行社を選び約40人ほどの団体。
飛行機の中では真ん中の列に座ることになり、
後列では何回か行ったことのあるらしいおばさまたちが
ず~っとしゃべりっぱなしだったのでうるさくて・・・

でも同じツアーだし 怒鳴るわけにもいかない。
そんなおばさまたちといつの間にかすっかり仲良くなってしまいました。

観光バスの中では、まるでツアーの専属歌手のように(笑)毎回 数曲ヨーデルを歌っては「あら、このツアーはどこよりもお得ね」と言ってもらったけど私にしてみれば旅行中、発声練習が出来ないのでちょうどよかったのです。

毎日あちこちでかけて行き 中でも忘れられないのは最後の夕食とその翌朝の朝食タイムです。

インターラーケンのライブハウスにて夕食を取ることになり
「本場のスイス民謡やダンスが楽しめる!」と期待したのだけど
スイスの古くから伝わる楽器を披露したあとは ほぼ無表情なスイスのバンドマン達!
「ああ、つまらない!ぜ~んぜんエンタテイメントしてないじゃん!」

ハワイと違って、エンタテイメント性がひとつもない。
日本人観光客の客席はランクがあって、前の方にはJTBの観光客。
アメリカ、フランス系が右手の方に
私達 阪急旅行のツアーの面々は後ろの方だった。

普通、ショーマンは 挨拶をし、「どこから来たの」とか
国の名前を言って手を挙げさせたりして雰囲気をつくるものだ。
私もさんざん、ショーをやってきたのでそれは定番のパフォマンス。

バンドマンがそのままショーをやるのだけどアマチュアみたいな彼ら?
あまりにも、マイペースで無表情なバンドマンには呆れ返った。
お国柄と言ってしまえばそれまでだけどね。

そのなんとも言えない、暗い?ムードを変えたのはなんとこの私だった。
私はこの店に入る前にガイドさんに頼みこみ ステージで歌わせてほしいと願い出ていた。つまり表面的には観客の飛び入りというわけ。
店側だってそんな注文、誰もかれもOKしないだろうけど「プロシンガー」ということで幸い、店主もOKしてくれた。
でも私を紹介してくれたわけではなく(無粋であり、非常に失礼な成り行き)「勝手に歌え」と言うことなのか?結構不親切にもホドがある。

しゃべくりや突然のパフォマンには慣れている私だ。
そこで私が自らステージに上り
バンドマン達に「山の人気者という曲、いやいやアルペンミルクマンを知ってる?」と聞くとブスっとして知らないという反応。
メロディを歌っても相変わらず「知らない」と。

それにしてもこの曲は古くからある名曲であのフランツル・ラングでさえも歌っているんだよ。
やりとりを長くするわけには行かないけど僅かなやり取りで分かったことは「曲は知らないというのはウソで飛び入り客の伴奏まで出来るか!という
スイス人独特のプライドらしい。

しかたないなあ・・・伴奏はしてくれない ひたすら冷たい態度。
あまりこんなところでモタつけない。みっともないし。
で、観客に説明して「アカペラで歌います」ということに。

そんなわけで歌うに連れ、
最初バックバンドは知らん顔していたけれど(笑)観客に受けているので
やっと途中で伴奏が始まりました。
ほかでも感じたけど スイス人って意外に優しくない。
ガンコだし、表情があまりない・・・
むしろなんか怖い。
スイスは経済は観光で潤っているわりには旅行者にはそっけなかった。

二度と行かないゾ!おすすめもしない。

そんな思いでその日は終わったけど
翌朝
朝食をするため そこへ行くと
先に入ったJTBの面々が私を拍手で迎えてくれた。
朝7時!
またヨーデルソングを歌う気持ちにさせてくれて
朝からショータイム!
ああ、このころラインとかツイッターとか インスタ、FBがあったらなあ
そのまま配信したかもしれないなあ。

それでもメールだけは出来るという環境だったので
帰国後
お二人ほど、ライブに来てもらったりした。
ただその時点で高齢者が多かったので それっきりとなった。


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