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【アメリカ流通業レポート③】コロナ禍で大量出店する小型ディスカウント店アルディ・ダラージェネラル

アメリカの業界誌プログレシブ・グローサー誌が、“パンデミック過で躍進するディープ・ディスカウント・リテーラー”と言う特集で、ディスカウント・スーパーの「アルディ」とバラエティストアの「ダラー・ジェネラル」が、それぞれ1位と2位にランクされていた。ウォルマートが新店投資を行わず、オムニチャネル化で売上成長しているのとは対照的に、両チェーンともに大量出店を加速化し、業界内でも注目されている。

アルディUS

友人に勧めたいスーパーのランキングで1位の評価

▲売場面積300~400坪の小型店を大量出店しているアルディ

アルディはドイツ発祥のディスカウント・スーパー。母体となる親会社のアルディ・サウスは、グローバル本部をドイツに置き、ドイツ、アイルランド、ハンガリー、スイス、オーストラリア、UK、イタリア、スロバニア、アメリカそして中国など10ヵ国で、2021年末までに6,400店を超える店舗を展開するディスカウントSMチェーン。

アメリカ進出は1976年で、本部はイリノイ州バタビア。兄弟会社のアルディ・ノースは、アメリカの消費者の間で人気のトレーダージョーズの親会社だ。

非上場企業のため明確な数値は明らかではないが、プログレシブ・グローサー誌が今年4月に発表した2021年小売業上位100社ランキングでは、推定年商182億ドル(前期比6.7%増)で24位にランクされている。

2021年には新規出店および既存店のリニューアルの設備投資として50億ドルの予算を計上、ニューヨークのブルックリンをはじめとするアーバン地区への出店を含め、期内に新たに100店の新店を加えて、2021年12月末の店舗数を2,235店とした。今年は合計150店の新規出店を計画。予定通り進めばアルディは年末までに店舗数で国内3位のSMチェーンとなる。

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