[店舗への指示を減らし、売上・利益が改善]小売業+データビジネスの二刀流で勝つ!薬王堂 西郷孝一常務インタビュー
6ヵ月、12ヵ月固定の販促売場で現場の作業は大幅削減
─2023年2月期の第3四半期(以下今期)の決算を見ると売上高が前期比104.1%、営業利益が同113.1%と好調でした(図表1)。振り返っていかがでしょう。
西郷 既存店売上高も好調で2022年12月の前年同月比で110%でした。薬王堂は水曜日と日曜日をポイントデーにしているので、前年と曜日を合わせて比較すると12月は113%とさらに数字は上がります。昨年末から起こっている転売目的と思われる外国人客の医薬品特需の影響を受けた企業もあると思います。薬王堂にその要素はないので、余計に数字は際立ってきます。
業績好調の要因ですが、これを言うと信じてもらえないことも多いのですが、「何もしていない」のです。私が営業責任者になってKPIを決め(図表2)、営業方針を決め、何をやれば売上が上がり、何をやれば下がるのかを明確に見定めて売上が上がることしかやらないことにしました。
その結果、極力指示を減らしたことが業績に表れたと思っています。私だけでなく、商品部もなるべく指示を減らし、出すなら指示のクオリティを上げる、週次で定期的に同じ指示を出すようにして、緊急的なものは極力減らしました。このような態勢を取ると、あらためて私たちがどれだけ多くの指示を出していたかを思い知ります。
─具体的にどのように指示を減らしたのですか。
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