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ヘルスケアサービスは人口減少時代の有望市場である!

ドラッグストアは健康相談しにくい店?

「家計消費支出」(総務省統計局)によると、2021年1~3月期の食品支出額は2019年比で97.9%、同4~6月期は98.4%と、2019年比でゆるやかに日本人の食品支出額は減少している。人口減少と高齢化によって、日本人の胃袋は小さくなる。メーカーは「爆盛」などのトレンドを仕掛けているが、カロリー充足を目的とした食品の市場は長期的には減少していくだろう。

これからの日本で大きく成長していく市場は、「美しく健康であり続けたい」という根源的な欲求を満たすヘルス&ビューティケア(HBC)の分野である。そういう意味では、小商圏立地に店舗展開し、HBC商品を取り扱うドラッグストア(DgS)は、地域のヘルスケアハブとしての役割を果たすべき存在である。

しかし、ある調査によれば、「DgSで健康相談したい」と答えた人が3%しかいなかったという衝撃的なアンケート結果を目にすることがあった。残念ながら現時点のDgSは、地域の生活者が健康に不安を感じた時に、真っ先に相談に行きたいと思う店ではないのだろう。

DgSの前身の薬局・薬店は、店主が地域の患者さんの体調や家族構成をよく知っていて、気軽に健康相談できる店であり、同じ薬をずっと服用している人には「病院行った方がいいですよ。病院紹介しますよ」と自然に「受診勧奨」していた。しかし、大量出店、規模拡大を進める過程で、医薬品売場には人がいない状態になり、相談しにくい店に変わってしまったといえよう。

図表1は、月刊MDが毎年実施している「ドラッグストア顧客満足度調査」の4年間の経年変化をまとめたものである。折れ線グラフの山が低いものが顧客満足度の低い項目である。4年間にわたり、毎年500店補以上のDgSを定点調査した結果、顧客満足度がもっとも低い調査項目は、「医薬品の声掛け」と「化粧品の声掛け」であり、4年間まったく同じ結果だった。

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