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PALTAC 社長 吉田拓也氏インタビュー「流通業全体の“生産性”を向上します!」

2023年6月23日、吉田拓也氏がPALTACの代表取締役社長に就任した。人口減少、高齢化、小売業の集約化など、卸売業を取り巻く環境は大きく変化している。1972年11月生まれの51歳と若い新時代の経営者である吉田新社長に、これからのPALTAC、卸売業の未来戦略を聞いた。
(聞き手/月刊MD主幹 日野 眞克)


中間流通業として流通全体のムリ・ムダ・ムラをなくす

─新社長としての抱負をお聞かせください。

吉田 PALTACは2023年で創業125周年を迎えました。その長い歴史の中で守り続けてきた企業文化や精神は変わらず踏襲していきたいと思います。PALTACの企業文化の第1は、「誠実と信用」です。常に正直に真摯に商売に取り組むという心意気を大事にしてきました。第2は、当社だけではなく、製配販が一体となって業界全体で成長していこうという「三方良し」の精神です。

そして第3は、「進取の気性」です。PALTACは常に時代に先駆けて新しいことにチャレンジしてきました。我々の先輩方から受け継いできた企業文化や精神は素晴らしいと思っていますので、きちんと継承していきます。

一方で中間流通業はこれから非常に難しい局面を迎えると思います。大手小売業様の合従連衡、集約化が進み、少子高齢化の時代に突入します。今までのように右肩上がりに成長し続けることは難しくなります。

そういう時代変化の中で、中間流通業という存在が、流通業界全体の発展にどうお役立ちできるのかということを見つめ直していく必要があります。従来のように商品を集荷分散するだけの機能では、流通全体の発展に貢献できないと考えています。

売上が伸びない時代の中で、いよいよ流通業全体のムリ・ムダ・ムラを排除することに本格的に取り組む時期に来ていると認識しています。

単なるスローガンではなくて、オペレーションコストが下がった、返品が減ったという具体的な成果を出し続けることが、流通業全体の継続的な発展につながる道だと思います。

商品を右から左に流すだけの機能ではなくて、中間流通業としての新しい役割・機能を構築していき、具体的な行動と成果に結び付けていきたいと考えています。

店舗支援本部とSCM本部で店頭実現とコスト削減を提案

─2023年の春の展示会の提案コーナーで、「店頭実現」「チャンスロス対策」といった店頭を起点としたソリューションの提案が最初に来ていましたが、これも変化の一例なのですか?

吉田 小売業様が一番お困りになっていることは何かと考えた結果、当社の中期計画の中で「店舗支援本部」を中心にした、店頭実現力の強化をまず目指し、店頭実現の状況を可視化できる「PITシステム」に投資しました。デジタルを活用した店舗状況の可視化の技術はどんどん進歩しています。

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