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[店舗レポート キリン堂 大淀新野店]質と高鮮度の生鮮食品で集客 未病、食品、雑貨PBで粗利ミックス

キリン堂 大淀新野店は1996年にオープンした旧店を増床して2022年12月にリニューアルオープン。売場面積は190坪から400坪に拡大、うち40坪を青果、精肉売場に充て、生鮮食品を強化。調剤薬局も併設した本格的な「フード&ドラッグ&調剤」タイプのキリン堂1号店となる。今後のキリン堂成長の一翼を担う同社のニューフォーマットを取材した。

商圏人口を6,000世帯に設定 店舗戦略の試金石となる店

キリン堂大淀新野店が位置する奈良県大淀町は、県南部の山間部にあり、古くから吉野という地名で知られたエリアである。大淀町の人口は1万6,297人、7,392世帯(2023年5月末)。面積は約38㎢、この大淀町と隣接する吉野町(人口6,131人、3,070世帯/2023年5月末、面積約96㎢)が同店の商圏となる。

▲什器24本で豚、鶏、牛までこだわった商品が並ぶ精肉売場。青果と共に来店目的のひとつになっている

競合環境は、店舗から1.5kmの場所にディスカウントドラッグコスモス大淀町店が出店しており、ほぼ同じ距離の場所にキリン堂大淀桧垣本店がある(調剤なし)。食品スーパーではライフ大淀店(1.6km)、地元スーパーの吉野ストア大淀新野店(700m)が営業している。

▲すき焼き、焼き肉、しゃぶしゃぶなど精肉は値頃感のある価格で用途も豊富に揃えている。サシが入った肉は見た目にも美味しそう
▲青果は20本の什器で、産地や種類にこだわり豊富な品揃えをしている。冷蔵什器を使って鮮度も重視している

キリン堂大淀新野店では商圏人口を6,000世帯に設定しており、人口に直せば1万人強といったところだろう。大淀町と吉野町の合計人口は約2万2,000人と極端に少なくないが、半径2km以内に自社を含む3つのドラッグストア(DgS)が営業しており、競合優位に立つためには幅広いニーズに対応して来店頻度を上げる必要がある。

▲壁面に生鮮と日配の冷蔵什器を配置し、通路に平置きタイプの冷凍什器設置。のぼりやPOPも使って賑わいや季節感のある売場になっている

そのためキリン堂大淀新野店では、青果、精肉を導入して食品部門を強化し日々の食品ニーズに対応、調剤薬局併設で健康ニーズにも対応している。

▲健康に良い成分を含むトマトを複数の品揃えでコーナー化して展開。健康提案のある売場

キーマンインタビューで寺西氏が語っているように、キリン堂が今後「フード&ドラッグ&調剤」タイプを拡大するか、コンパクトな都市型店強化に動くかはしばらく試行錯誤をしてからとのことなので、大淀新野店はキリン堂の進路を決める上でも試金石としての重要な役割を担っている。

欠品防止のため1日2回店舗巡回 地域に合わせた品揃え

店舗運営で重視していることなど、2022年12月のリニューアルオープンのタイミングで店長に就任した中西裁也氏に聞いた。まずは売場づくりで注意していることについて。

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