2/14 新型コロナ中国の状況&上海(去年の2/14を振り返って)
医療従事者の多くは、世間より一足早く春節休みが終了し、2/14から出勤しています。新年第1日目の出勤後、まずは定例のPCR検査からスタート。上海市では2/5以降、市中感染者が出ていませんが、それでも我々医療関係者に対するPCR検査の回数は減りません。ゼロコロナを持続させるためにも、頻回のPCR検査は欠かせないのです。
2/1に中国での1日のPCR検査能力は1,600万件という発表があったけど、実は去年の3月の段階ではまだ126万件に過ぎなかったのです。11倍にまで増やすことで、市民の検査へのアクセスが簡単になり、陰性証明を提示する機会が益々増え、料金も随分安くなりました。プール方式ではなく、単体の検体方式で1回80元(約1,300円)が相場です。
2/14発表 2/13 の中国大陸新規感染者状況
◉市中感染確定例0
◉海外輸入確定例7(上海2 広東2 内モンゴル1 四川1 陝西1)
◉市中無症状感染者0
◉海外輸入無症状感染者17
◉治療中確定例689
◉治療中無症状感染者428
◉隔離中濃厚接触者11,635
2/13 江西省宜春での発表ですが、2/12 広東省から宜春に戻った人で発熱者、発熱外来でのPCR検査で陽性が疑われました。そこで、居住住宅地を一時封鎖し、疫学調査。再度PCR検査と抗体検査実施し陰性。家族7人や環境のPCR検査も陰性。現在病状を観察中とのことです。
2/14現在、中国各地のリスクエリア状況ですが、高リスクエリアは黒竜江省3箇所、吉林省1箇所の計4箇所。中リスクエリアは、河北省1箇所、黒竜江省5箇所、吉林省1箇所、上海市1箇所の計8箇所になり、全体数もかなり減ってきましたね。中国全土で低リスクエリアになればいよいよゼロコロナ達成になります。
◆上海市
2/14発表、2/13上海市。
◉新規市中感染0
◉新規海外輸入2
【累計】
◉市中感染371 退院344 入院治療中20 死亡7
◉海外輸入1,388 退院1,299 入院治療中89(重篤1)
◉疑似0(市中感染)
◉疑似1(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉今回の市中感染者発見初日2021/1/21
◉上海市で最近の市中感染者発見日2021/2/4
輸入例の1例はドイツから、もう1例はエチオピアから。
2/14はバレンタインデーでした。上海の飲食店もすっかりと元気になり、地元の人たちだけでなく、世界各国からのお客さんで賑わっていました。上海ディズニーランドや豫園なども観光客で賑わっていますし、マスクと検温と健康QRコードさえあれば、ほぼ通常通りの生活がおくれています。
新規感染者ゼロが続き、ゼロコロナ方針で対策を行っている中国ですが、去年の上海でのバレンタインデーはそれどころではありませんでした。当時のツイートを振り返ると、バレンタインデーの単語すら出て来ていません。お洒落に外食なんて考えもしませんでした。
当時の上海の状態は、湖北省から戻ってきた人を中心に感染者が日々出ていて、政府も非常に厳格に対策を打っていたことが思い出されました。正直、当時の上海の状況、中国全国の状況から、実は1年後にここまでゼロコロナ状態が本当に実現で出来ているとは思いもしませんでした。
2020/2/14は、上海市内の公共施設・娯楽施設も既に閉鎖されていましたし、とてもバレンタインデーだからといって、花束を持ったカップルで街をブラブラ歩くなんて出来るような状態ではありませんでした。当時、発熱外来を持たない私たちの病院も当局の指導により閉鎖され、いつ診察が再開できるかも分からず、私自身も日々、自宅に籠もるロックダウン状態の生活でした。
そんな過去を振り返りながら今思うに、如何に効果的に、かつ科学的に新型コロナ対策を矢継ぎ早に打ち出すことができるかが、間違いなく封じ込めのポイントになると確信しました。その為のPCR検査も重要で、作戦を立てて広く早く確実に実施していかなければいけません。ワクチンも必ず役立ちますが、だからといってワクチンへの過信は禁物です。つまり、ワクチン接種と抑え込みを同時に行わなければいけないのです。
そして、どんな状況でも、先ずはウイルスによる感染拡大が進むスピードよりもはやく先手を打たないと、感染拡大を阻止してゼロコロナは達成できないというのは明らか。早く封じ込めれば、懸念されている変異したウイルスの登場や核酸を防ぐこともできますし、早く日常生活に戻ることができます。
今から1年前、2020/2/14の中国各地では、バレンタインデーよりも、まずは低リスクエリアの定義でもある「2週間連続で新規感染者ゼロ」達成への取り組みが中国全国で必死に行われていました。
以上です。
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