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2/17 中国の新型コロナ情報(吉林省通化市東昌区のクラスター調査完了)&上海

 中国CDCから吉林省通化市でのスーパースプレッダー&クラスター発生の調査報告が発表されましたので、簡単に紹介します。

 まずは、2/17発表 2/16の中国大陸新規感染者状況。

◉市中感染確定例0
◉海外輸入確定例7(広東6 四川1)
◉市中無症状感染者0
◉海外輸入無症状感染者6
◉死亡例0

◉治療中確定例557
◉治療中無症状感染者363
◉隔離中濃厚接触者8,577
◉累計死亡4,636

◆吉林省で発生したスーパースプレッダー&クラスターの件

 今年1月に吉林省で発生した吉林省通化市でスーパースプレッダーからクラスター発生した件で、2/10 中国CDCが調査報告《OutbreakReports:COVID-19SuperSpreadingEventAmongstElderlyIndividuals—JilinProvince,China,January2021》を発表しました。感染源は、2021年1月5日に移動中列車(K350列車)の中で、たまたま同じ列車に乗って同席していた黒竜江省からの感染者(確定例)2例からとみられています。下記は講師Lが利用した公共交通機関のデータです。

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 そこで感染したセールス講師Lの1人(44歳)から、吉林省通化市東昌区で受講者など141人に感染し、一気に広がったようです。この講師Lは、1/10〜1/11に3回に分けてセールスの講演会を開いていて、1回目は40人中36人、2回目は31人中28人、3回目は26人中10人感染しています。恐るべき感染力ですね。

 CDCの調査では、2021年1月31日までに通化市東昌区で310例の感染者が見つかり、290例が症状あり、20例が無症状、1人死亡しました。高齢者が多く、重篤例・重症例が多かったのも特徴です。1月末までに47例の重症・重篤例が発生し、1人(87歳)が死亡。重症・重篤例は全体の15%を占めています。1月20日に吉林省通化市東昌区が高リスクエリアに指定され、実質ロックダウン状態になりました。

 この講師Lがセールスに使った会場は、面積30平米しかなく、窓は閉められていて、1回2.5時間にわたって行われました。氷点下数十℃も珍しくない厳寒の吉林省、とても気軽に換気が行える状況ではありません。また、受講者も講師を含めて、殆どマスクしていませんでした。つまり、かなり密な環境で、3回の受講者計97人のうち、74人が感染したことになります。また、Lの濃厚接触者はさらに感染者を広め、60例の第2代、第3代の感染者を発生させました。下図はその相関図です。

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 その後の調査で、このLは、早い段階で既に筋肉痛などの症状が出ていて、1月10日に薬局で自分で薬を買って服用していたとのこと。講演会が開かれた1月10日〜11日の段階で、すでに体調に異変があり、最も感染力の強い段階であったことも分かりました。受講者の多くが高齢者であったことも、感染拡大させた理由の一つと考えられています。

 また、この吉林省のケースでは、ウイルスの変異は発生しておらず、ウイルスは欧州型で、2020年12月に大連で発生したケースと、2021年1月に黒竜江省绥化県で発生したケースとウイルスが高度に似ていることから、同一の感染源とみられています。

◆上海市

2/17発表、2/16上海市。
◉新規市中感染0
◉新規海外輸入0
【累計】
◉市中感染371 退院346 入院治療中18 死亡7
◉海外輸入1,394 退院1,317 入院治療中70
◉疑似0(市中感染)
◉疑似6(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉今回の市中感染者発見初日2021/1/21

◉上海市で最近の市中感染者発見日2021/2/4

現在、上海で日本からの輸入例が7例入院されています。
国別では、
①米国13,②エチオピア10、③フランス7・日本7の順で、意外と日本からの輸入例が多いのが気になります。

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 以上です。

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