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3/4中国の新型コロナ対策(香港でのワクチン接種後の死亡例ついて)&上海情報(ワクチン接種は広い体育館が便利)

3/4 発表 3/3 中国大陸新規感染者状況

◉市中感染確定0
◉海外輸入確定10(上海5 広東3 浙江1 四川1)
◉市中無症状感染者0
◉海外輸入無症状感染者14
◉死亡0

◉治療中確定例177(海外輸入165)
◉治療中無症状感染者247(海外輸入244)
◉治療中重症例1(海外輸入1)
◉隔離中濃厚接触者5,043
◉累計死亡4,636

 毎日中国のテレビや新聞をみるのが日課になっているので、いつも思っていたのですが、中国では、新型コロナウイルス対策に関して、重要な意思決定を発表するときに、国家主席とか首相とかほぼ表に出てきません。現場への激励に行かれるのがマスコミで時々紹介されていますが。

 替わりに、国の各省庁が横に連携したコロナ対策の専門組織(联防联控机制)や防疫を統轄する国や各地のCDCの専門家が、予め感染症対策で定められた基準や規定に基づいて動いています。例えば、我々の日常生活に深く関係のある低リスクエリア・中リスクエリア・高リスクエリアの設定も、ロックダウンについても、実はガイドラインに条件がハッキリときまっていて公開されているので、素人でも理解しやすい。

 もちろん、だから「中国式が良い」という意味では決してないです。私が言いたいのは、防疫には公衆衛生や科学に基づいた原則や対策があり、どんな政治体制でも、そのやり方をきっちりと決めて粛々と実行していかないと、緊急事態宣言を出して自粛しても安全に日常生活を回復させることが困難になるジレンマに陥ってしまう気がするのです。

香港で発生したワクチン接種後の死亡例について

 3/3 の報道。2/26に香港でシノバックのワクチンを接種して2/28に死亡した63歳男性。重度の喫煙者で、肥満・糖尿病・高血圧・高脂血症・心筋疾患持ち。病理解剖で重篤な冠状動脈疾患から、急性の心筋梗塞・肺水腫となり呼吸不全で亡くなったと判明。接種との直接因果関係はないと判断。一方で、香港衛生当局は病状コントロールできていない重篤な慢性疾患は接種するべきではなく、重篤な慢性疾患がある場合も接種を控えるべきで、必ず医師と相談するようにと注意を呼びかけています。香港では現段階で接種を中止にすることはないとしています。

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 というか、こういう慢性疾患のある方のワクチン接種は、注意書きも書かれているように、本来は禁止されているはずなのですが、なぜ接種できたのかむしろ疑問です。

 以下は、中国での新型コロナワクチン接種の注意書きから。

1. 对疫苗中任何成分过敏者,既往发生过疫苗严重过敏反应(如过敏性休克、急性过敏反应、荨麻疹、皮肤湿疹、呼吸困难、血管神经性水肿或腹痛)者;
2. 患急性疾病、严重慢性疾病、慢性疾病的急性发病期和发热者;

3. 妊娠期妇女和哺乳期妇女,接种3个月内有生育计划;
4. 有惊厥、癫痫、脑病或精神疾病史或家族史;患未控制的癫痫和其他进行性神经系统疾病者,有格林巴利综合症病史者;
5. 已被诊断为患有先天性或获得性免疫缺陷、HIV感染、淋巴瘤、白血病或其他自身免疫疾病;

6. 已知或怀疑患有严重呼吸系统疾病、严重心血管疾病、肝肾疾病、恶性肿瘤者;
7. 使用抗肿瘤药物等免疫调节剂者;
8. 新冠病毒感染史者;
9. 临床医师或接种工作人员认为不适合接种者。

3/4発表、3/3上海市

◉新規市中感染0
◉新規海外輸入5
【累計】
◉市中感染371 退院359 入院治療中5 死亡7
◉海外輸入1,431 退院1,402 入院治療中29
◉疑似0(市中感染)
◉疑似2(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉最近の市中感染者発見初日2021/1/21
◉隔離中濃厚接触者5,043
◉累計死亡4,636
◉上海市で最後の市中感染者発見日2021/2/4

5例はいずれもアラブ首長国連邦から。3/1上海着。隔離観察中に発症。

 上海市で直近で最後の市中感染者が見つかってちょうど1ヶ月経過しました。

 上海でのワクチン接種作業も進んできています。

 私もなぜか日本のマスコミ数社から、「中国のワクチンを実際に接種してどうでしたか?」というインタビューも受けました。私自身はあまりにもスムーズに接種され、接種後のトラブルもなかったので、そのことを正直にお話しました。なので、ネタになることもなかったのでしょうか?インタビューに時間を割いて、中国での接種の仕組みについて丁寧に説明したつもりなのに、その後なんの音沙汰もありません(笑)。

 いつも思うのですが、日本のマスコミの皆さんが、日本からわざわざ電話をかけてきて、私からナマの情報を聞くだけ聞いて、録画撮りまでして、その後なんの連絡もないことが最近増えてきました。これでは答える側も、貴重な時間を割いてまでインタビューに答える気が削がれてしまいますよ。

上海市閔行区の体育館でのワクチン接種

 さて、上海閔行区でのワクチン接種会場の様子が紹介されていました。なかなか整然と行われているようです。

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       (現地HPより拝借写真)

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       (現地HPより拝借写真)

 1日最高1万人規模で接種できる閔行区体育館です。上海市では区ごとに接種が管轄されていますが、閔行区ではさらにバトミントン体育館も活用して、1日最高2万人まで接種できる体制にしたようです。21年6月末までに、120万人に対してワクチン接種を実施する計画です。さらに、大企業や監獄などへは出張接種に行く接種隊も結成されました。そして、2021年度下半期から、これまでの感染リスクのある人たちへの接種意外にも重症化リスクがある人たちへの接種開始されます。

 以上です。


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