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2/16 中国の新型コロナ状況&上海(スマホのない高齢者はどうする?)

 2/17の朝のニュースで、日本でワクチン接種が始まったという日本の速報が入りました。やっと一歩前進しました。

 中国での新型コロナワクチン接種に関して、これもよく勘違いされているけど、中国の場合、ワクチン接種が始まる前からゼロコロナがほぼ達成されていて、日常生活が戻っています。なので全国で殆どの低リスクエリアではお店も飲食店もフツーにやっています。ワクチンに過大な期待はしていなし、接種強制でもないです。あくまでも任意の接種ですので、拒否することもできます。

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 さらに、我々のように先行してワクチン接種したものも「特権」があるわけでもなく、今まで通り、マスク・手洗い・社交距離を守らないといけません。健康QRコードを見せたり、検温もします。もちろん、現段階では海外や、国内の中・高リスクエリアから戻ったりすると2週間の隔離もあります。ワクチン接種=通行手形なんてありえないのです。

 つまり、ゼロコロナ達成には、ワクチン接種は役立つけど、従来の防疫対策は何ら変わらないのです。ワクチン接種したからゼロコロナになるのではなく、ゼロコロナ対策をするからワクチン接種がより有効になるという考え方です。もちろん、中国の場合、万が一、感染者が出て中・高リスクエリアに指定されてしまうと、住宅地は封鎖されてしまい、行動制限を伴うから、そうならない為にもワクチン接種をして少しでも感染者が出ないようにしようという訳なのです。

2/16発表 2/15の中国大陸新規感染者状況。

◉市中感染確定例0
◉海外輸入確定例16(広東8 上海5 陝西2 四川1)
◉市中無症状感染者0
◉海外輸入無症状感染者11

◉治療中確定例605
◉治療中無症状感染者387
◉隔離中濃厚接触者9,643

 2/14より遼寧省瀋陽市でも、小学〜高校生対象の校外での補習塾などの教育機関も対面式授業再開許可へ。

 2/16 黒竜江省の新学期の日程発表。オンラインではない対面式での授業。小学校〜高校は3/3〜3/15の間、大学も同じ期間で。大学生はUターンラッシュを避けるように。授業再開2週間前は教師・学生ともに学校所在地以外に移動しない。また中・高リスクエリアから戻る場合は、2週間隔離+7日有効PCR陰性証明が必要。外国籍の留学生は学校通知待ちで学校に戻らないようにとのこと。黒竜江省は一時大変でしたが、学校が正常に再開できるようになって本当に良かったです。ほぼゼロコロナ達成のメドがたったようですね。

◆上海市

2/16発表、2/15上海市。
◉新規市中感染0
◉新規海外輸入5
【累計】
◉市中感染371 退院345 入院治療中19 死亡7
◉海外輸入1,394 退院1,317 入院治療中77
◉疑似0(市中感染)
◉疑似1(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉今回の市中感染者発見初日2021/1/21

◉上海市で最近の市中感染者発見日2021/2/4

2/15は日本から2例の輸入例。
①1/31上海着の中国籍留学生で集中隔離中に発症確定。
②2/14上海着の中国籍留学生で到着時に既に症状あり確定例。

②の到着時症状ありのケースは、日本からの便では珍しい。

とはいえ、日本からの輸入例で入院されている方は、上海市だけで既に7例で、決して少ない数字ではありません。やはり日本が感染リスクの高いエリアであることには間違いないと思います。

https://t.co/ZhG20p6AoD?amp=1

 さて、今日は健康QRコードについて。

 現在の中国暮らしでは、スマホの健康QRコードの提示を至る所で求められるようになりました。例えば、病院や役所に入る時には特に重視されます。健康QRコードの意味は、簡単にいうと、本人が隔離状態であるかどうかを示すツールです。隔離状態であるということは、身分証番号がデータとして登録されており、勝手に出歩くことができません。なので、本来は必ずしもスマホである必要はないわけで、ビッグデータを活用した高齢者向けの仕組みが考えられていました。

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 まず、上海市では「100万人の年長者への知能技術運用レベルアップ行動」が展開されていて、高齢者に積極的に社区(日本的にいうと公民館の活動に近いか?)で、健康QRコードを使えるようにするための無料の講座が開かれていました。大きな文字、大きな図を使って、高齢者にとってもスマホ操作し易いように様々な工夫がされています。

 それでも操作ができない人、スマホがない人はどうするか?

 一般的に、健康QRコードがスマホで単独操作できない年齢層は、18歳未満の未成年と高齢者(60歳以上)が対象となるため、上海市では上海市ビッグデータセンターと協力して、オフラインでも使える健康QRコード、則ち身分証持参で、地域の社区事務受理センターで、紙に印刷した健康QRコードが発行できるようになってきました。

 子供に関しては、一般的に親と紐付けされることが多いので、特に大きな問題にはならないと思いますが、高齢者の場合は、単独行動も多いので工夫が必要です。そこで、中国人なら全員が持っているICチップの入った身分証(もしくは健康保険証)の活用が考えられています。これをワクチン接種やPCR検査でも使われる「健康雲」システムと統合させ、身分証チェックと健康QRコードチェック、さらに顔認識によって、身分証との本人確認、検温までもこなしてしまうシステムが開発され、上海市内の総合病院などでも一部で運用がはじまっています。

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 初期の頃、病院入り口で、一人一人、人が問診をしながら職員が疫学調査をして、一人一人検温していた頃と比較すると、飛躍的に精度と手続きに要する時間が短縮されることになります。将来、入り口の端末に身分証をかざすことで、自動的に健康QRコードも表示され、PCR検査結果や、ワクチン接種状況までも分かるようになるシステムの準備も行われているとか。新型コロナ対策もしつつ、入り口での行列解消にも役立つことでしょう。

 さて、そうなるとパスポートしかない外国人はどうなるか?

 またまた難題がでてきそうですね。

 以上です。



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