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2/20 中国の新型コロナ状況&上海(上海から真っ先に武漢・長春に支援に行った鐘鳴医師)

2/20発表 2/19の中国大陸新規感染者状況。

◉市中感染確定0
◉海外輸入確定8(広東3 上海2 遼寧1 湖南1 四川1)
◉市中無症状感染者0
◉海外輸入無症状感染者13
◉死亡0

◉治療中確定454
◉治療中無症状感染者331
◉隔離中濃厚接触者8,233
◉累計死亡4,636

現在、中国大陸で治療中の無症状感染者331例のうち、282例は海外輸入例なので、市中感染では49例にまで減りました。

ソースです。
https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_11388945

 中国教育部によると、今年の中国の大学入試は、例年通りの6/7〜6/8に戻りました。これもゼロコロナ成果ですね。昨年度は新型コロナ防疫対策の影響で7月に延期されていました。ただし、検温・消毒・換気・社交距離などの対策は今年も同様に行われます。

 中国では、2021年2月3日現在、不活化ワクチン3,100万本が接種されたとのこと。ゼロコロナ対策を進めている中国ではワクチン接種の方針も違っていて、職業的にリスクの高い人、海外に渡航する人しか現段階では接種していません。国内でフツーの生活では、感染リスクが極めて低いですから、持ち込まれないようにすることが最優先の対策になっていますね。

 いずれにしろ、中国CDCの高福主任も、今後も新型コロナウイルスは、全世界もしくは一部地域で長期的に流行する可能性があり、2021年もまだまだ不確定要素が多いとコメントを出していました。

◆上海市の状況

2/20発表、2/19上海市。
◉新規市中感染0
◉新規海外輸入2
【累計】
◉市中感染371 退院346 入院治療中16 死亡7
◉海外輸入1,407 退院1,338 入院治療中69
◉疑似0(市中感染)
◉疑似2(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉今回の市中感染者発見初日2021/1/21

◉上海市で最近の市中感染者発見日2021/2/4

2例の輸入例はエチオピアから。共に2/16上海着で、集中隔離観察中に発症。

【上海から武漢・長春に行った鐘鳴副主任】

 上海復旦大学附属中山医院重症医学科の鐘鳴副主任のインタビューがネットに紹介させていました。中国語が分かる方は、ぜひ原文で読んでいただきたいです。

 鐘先生は、2020年1月23日に感染拡大がすすむ武漢へ、リュック一つで支援に向かい、75日間武漢金銀潭医院のICUで過ごし、さらに2021年1月20日も吉林省への支援に向かっています。武漢へ向かう時↓の写真は、多くのメディアでも取りあげられました。

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 当時、新型コロナウイルスに関する多くのことが未知で、重症医学科の専門家にとって最も恐怖だったのは、物質が不足したことでもなく、防護服が足りないことでもなく、目の前のベッドに横たわる患者に対して、治してあげることができないのではないかという現実、そしてその後の自責の念であったと語っておられます。

 当時、ニュースではECMOが足りているかどうか?などが話題になっていましたが、現場の鐘先生からすると、当時の武漢では、仮にECMOを使ったところで、患者の生命を維持することができても、医者が多少の時間稼ぎができても、当然ECMOで直接治療できるわけではなく、治療方法がなかなか見つからずまだまだ暗中模索の状態でした。

 武漢の患者では、昨日まで食事も出来て、話も出来て、意識もしっかりとしていたのに、人工呼吸器で十分な酸素を送っているのにも関わらず、患者が突如亡くなってしまうことに対して、現代の医学でどうすることも出来なかった辛い記憶がふと蘇ってくるといいます。武漢から上海に戻った直後のころ、日常的に情緒不安定になり、泣くことも多かったのも、そうしたかつてない経験がふとフラッシュバックしてくるのだそうです。

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 ただ、今回の吉林省への支援はまったく違った感覚だったそうです。すでに多くの新型コロナに関する論文が発表され、それらを日々読みながら、頭の中でしっかりと病理的なロジックを組み立てられるようになり、患者に対しても治療の効果を予測できるようになってくるようになったといいます。まさに科学によって、人をそうした未知への恐怖から解放させることができるようになったと語っておられました。

 以上です。


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