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2/21 中国の新型コロナ対策の原則とは?&上海関連情報

 日本では話題にもならないので、今さらながら、去年の春から中国で行われている新型コロナ対策の大原則を紹介しておきます。

 中国では、去年の3〜4月頃に武漢を初めてとして、中国全土で感染拡大阻止のメドがつき、防疫のポイントは「外防輸入、内防反弾」に切り替わっています。

 すなわち、「外防輸入、内防反弾」とは、「海外からの輸入例を防ぎ、国内の感染者再増加を防ぐ」方針です。 海外輸入例の場合、海外から中国入国まで、飛行機の出口から隔離ホテル、そして自宅玄関まで、どう対策を取るか、とくに「閉環」と呼ばれる、一般市民と完全に接触させないで移送する仕組みが構築され、現在も日々行われています。水際対策を厳格に行うことが、市中感染を防ぐ上でとても重要なことに行政が気づいているのだと思います。

 「外防輸入、内防反弾」の為に行われる対策は以下の4点になっています。

①感染源コントロール、②感染ルート遮断、③市中拡散防止、④濃厚接触者の管理

 また、人々の生活が日常に戻るにつれて、人の動きが増えて、散発的に感染者が出てくる可能性が十分にあります。そこで、引き続き、以下の対策が行われています。ざっと思いついた範囲で挙げてみます。

1.四早、早期発見・早期報告・早期隔離・早期治療

 中国では、武漢が大変だった頃から言われていることで、とにかく異変を感じたらすぐに発熱外来をもつ医療機関にいって診察を受けること。自宅で勝手な判断で療養しないように言われています。

2.確定例・疑似例・発熱例・濃厚接触者等、この4類の人たちへの対応

 それぞれどのように対応するのかは、ガイドラインに細かく記載されています。たとえば、濃厚接触者の場合、1人1部屋の集中隔離になります。

3.重点地区・重点場所・重点人員等、3つの「重点」への対策

 重点地区・重点場所とは、感染者が出たところや、感染リスクが高いところのことを指します。重点人員とは、潜在的に感染リスクが高い人で、定期的なPCR検査も重要で、無症状の段階でできるだけ早く発見できるかどうかが鍵になっていると思います。

4.3つの時間制限の厳守

 3つの時間制限とは、①感染例が発見されたら2時間以内にWebで発表、②検査結果は12時間以内に出す、③疫学調査は24時間以内に完成させる、のことを指します。

5.発熱外来と新型コロナ指定医院の整備

  例えば、上海市では122箇所の発熱外来と、社区衛生服務センターに200箇所の発熱診察室を設置しています。発熱外来では、入り口が一般外来とは別で、患者の動線も別になるようになっています。このうち92箇所に院内感染防止のため発熱専用CTが設置され、PCR検査は全発熱外来で可能。発熱者観察用ベッドは1,100床設置されました。また発熱外来では、薬局も自動化されたところが増えています。

 確定例になると、上海市では金山区にある上海市公共衛生臨床中心へ搬送されます。ここが市中・海外輸入感染者の治療する専門の病院になっています。

6.迅速かつ正確・透明な情報公開につとめ 一般市民にわかりやすいように感染状況を伝える。

 中国では、毎朝8時〜9時にかけて、前の日の感染者状況に関する数字が発表されます。もし確定例が出たら、その日のうちに各地の政府の記者会見が行われています。ネットでも中継されるので、最新情報が把握しやすくなりました。

7.さまざまなプラットホームを活用して、科学に基づいた予防法の紹介。

 手洗い、換気、マスク、集まらないなどの生活習慣の市民への周知。

◆2/21発表 2/20の中国大陸新規感染者状況。

◉市中感染確定0
◉海外輸入確定7(上海3 四川2 遼寧1 広東1)
◉市中無症状感染者0
◉海外輸入無症状感染者6
◉死亡0

◉治療中確定423(重症2例)
◉治療中無症状感染者316(輸入274)
◉隔離中濃厚接触者7,929
◉累計死亡4,636

 河北省石家庄では、藁城区で1/19に最後の確定例が見つかって以来、14日連続PCRスクリーニング検査陰性を達成、さらに2/21藁城区で行われた全区民PCR検査でも全員陰性達成し、 2/22 0時より、河北省石家庄全域が低リスクエリア、再度ゼロコロナに。これにより、石家庄市の市民生活も正常化し、石家庄新楽市でも封鎖管理を終了、区を越えての移動も再開されることになります。藁城区では全域が低リスクエリアになったことを受けて細分化した防疫管理を行うようです。とはいえ、重点人員に対する定期PCR検査は引き続き行われ、健康QRコードや検温の体制は変わりません。


◆2/21発表、2/20上海市。

◉新規市中感染0
◉新規海外輸入3
【累計】
◉市中感染371 退院350 入院治療中14 死亡7
◉海外輸入1,410 退院1,339 入院治療中71
◉疑似0(市中感染)
◉疑似3(海外輸入)
◉医学観察中無症状感染0
◉今回の市中感染者発見初日2021/1/21

◉上海市で最近の市中感染者発見日2021/2/4

海外輸入例3例のうち1例はインド籍でドイツから、2例は中国籍で米国から。いずれも2/18上海到着便。

 1/22上海市では、これから出国する上海市民・常住住民(18〜59歳)に対して実施中のワクチン接種で、随申办Appから事前予約できるシステム稼働。予約したら、パスポート・航空券・身分証・有効なビザを持参して、指定の場所・時間で接種することになります。ただ、外国人に関してはまだ対象外みたいですね。

 以上です。

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