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【マスターデュエル】NR限定ドラゴンメイド雑感・解説

・はじめに


マスターデュエルにおいて、特殊レギュレーションによるフェスがほぼ毎月開催されています。その中でも、独自の盛り上がりと進化を辿っているのがNR限定だと思います。
普段プレイしているときには気がつかないし意識もあまりしないと思いますが、デッキの中にいわゆる必須汎用カード、として名の上がるカードを少しでもいれようとするとこのレギュレーションから外れます。手札誘発は0に等しく(実際に0?)、強力な捲り札やドロソ、サーチ、妨害も有名なカードは一切いれられません。そのため、構築の段階での縛りが生半可ではなく、その中で「勝てる」デッキを選ぼうとすると本来ならかなりの労力や練習、工夫が必要になります。

今回紹介するドラゴンメイドは、その必要な部分を最小限に抑えつつ、普段のプレイでの経験を活かせるか?を考えたものになります。なので、このレギュレーションの目的とは真逆に近い発想です。

・構築


まずはレシピから。


今回参加した大会では、従来のレギュレーションに加えて追加のリミットがかけられていたために減らした「ドラゴンメイドのお片付け」、融合体がURなため事実上使えない「ドラゴンメイドのお召し替え」、そしてコンセプトから必要性を感じず抜けた「ドラゴンメイドのお見送り」以外のテーマカードを詰め込めるだけ入れています。それだけでデッキの7割以上の29枚が埋まり、残りをコンセプト及び汎用枠として採用したカード、というシンプルな構成になっています。

このコンセプトというのが、「NR限定でOCGにおけるティアラメンツを擬似的に再現する」になります。
もちろん再現なんて不可能ですし遠く及びませんが、ティアラメンツの強さの秘訣として「不確定な墓地肥やしをしたときでも不要なカードがほぼ落ちない」が個人的には挙げられると思っています。
ティアラメンツのテキストや解説はたくさんあるので省略しますが、ティアラメンツ名称のカードは墓地に落ちたら全てのカードがなにかしらの効果を発揮し、残りのデッキを構成するパーツも一部を除いて墓地での効果を発動します。
こうした前提から、「ティアラメンツ・メイルゥ」と全く同じ効果を持ったカード、「ドラゴンメイド・ラドリー」が弱いわけがないと考え、フェスでは半ば惰性で使っていたドラゴンメイドを引っ張り出してきたのがスタートになります。

この構築において、ドラゴンメイドカテゴリではなく、墓地で効果を発揮しないカードは「禁じられた聖杯」2枚と「ドラグマ・パニッシュメント」2枚の計4枚です。それ以外のカードは墓地に送るもしくは置いておくだけで何かしらの効果が使えます。カテゴリ内カードは下級からの変身でアドバンテージを稼げるので、墓地に置いておいても問題はないと考えています。
例外として「ドラゴンメイド・リラクゼーション」のみ、カテゴリ内かつ墓地で効果を発揮しないカードですが、「ドラゴンメイドのお出迎え」でサルベージ出来ることもあります。


・詳細


カードのテキストは知っている方が大半だと思うので簡易的に説明します。
ティアラメンツを擬似的に再現している都合上、()内のカードの役として扱っています。

・下級モンスター


・「ドラゴンメイド・ラドリー」(「ティアラメンツ・メイルゥ」役)
デッキの根幹であり、召喚・特殊召喚成功時に3枚デッキの上から墓地に送る効果によって最大3枚の墓地アドバンテージを稼ぎにいきます。
この効果を最大限活かすためには、再三述べた通り「墓地に落ちても旨味のないカード」を落とさないことが重要で、言い換えれば3枚落としたら「全て使えるカード」であればいいわけです。それをNRで満たすのは容易ではありませんでしたが、ここは様々な方々が先駆者として使っていたカードを参考にしました。

落ちるカードとして最も強いパターンは
下級メイド、上級メイド、罠
といった感じで、少なくともモンスターが落ちれば上出来です。
モンスターが落ちることで他のカードのバリューが一気に上がるので、このスタートを切れるか否かが最も重要になります。ただし、安定性としてはかなり疑問符が着くので、出来れば複数回使うことを念頭に置いておく必要があります。

・「ドラゴンメイド・パルラ」(「ティアラメンツ・レイノハート」役)
言わずと知れたドラゴンメイドの最強初動の一角です。何故かレアリティがRに設定されています。
ピンポイントで落としたいカードを落とします。このデッキの場合は「ドラゴンメイド・フランメ」になります。フランメを手札に持ち続けることでビート性能、盤面の維持、リソースの循環を行うので、ここからスタートする場合は最優先です。もし手札にフランメを既に持っている場合は、適宜欲しいカード、もしくは持っていないカードを落としていきます。量より質、本家のレイノハートと似ている点はそこだと個人的に思っています。

・「ドラゴンメイド・ナサリー」(「ティアラメンツ・シェイレーン」役)
このデッキにおける横展開の要です。本家のシェイレーンならそのまま墓地肥やしをして、効果で捨てたカードの効果を使用したりとやりたい放題しますがそこまでは出来ないので、上記2枚のカードを蘇生させることで再現している状態です。
単体では初動にならないのがマイナスな点ですが、2ターン目以降はこのカードがあるかないかでゲームの流れが大きく変わります。ラドリーの蘇生から墓地肥やしのアドバンテージ、パルラ蘇生から擬似的なサーチ、どちらかを選びながら進めていきます。

この3枚しか下級ドラゴンメイドが存在しないため、初動としては不安定ですが、一度回り始めると連続で除去効果を使われたり、激流葬のようなカードがなければ盤面を捲くることを難しくさせる可能性を作り出していきます。ここがティアラメンツはもちろんのこと、通常レギュレーションでのドラゴンメイドとの大きな差になります。
まずティルルとチェイムがいないため下級モンスターの絶対数が少なく、融合体も存在しないために制圧力が圧倒的に足りません。いつも通りのドラゴンメイドとしての動きを取ることがそもそも出来ないため、かなり回りくどいやり方でやらなければあっという間にリソース差がつくかライフを取り切れず相手にペースを持っていかれます。そこはNR環境だからこそなんとかなる余地があるだけなので、その部分をいかにプレイングでカバーしていくかがこのデッキでの最も重要な点となります。


・上級モンスター

・「ドラゴンメイド・エルデ」(「ティアラメンツ・ハゥフニス」役)フリーチェーンで横展開が出来る、ナサリーと並ぶ展開の要ですが、上級メイドなので初動にはなりません。 しかし、このカードがなければ手札にあるドラゴンメイドを並べられないことや、下級の変身効果を使う際にはこのカードが優先になる、お片付けやリラクゼーションで戻したカードの再展開など、役割としては多岐に渡ります。通常レギュレーションでは優先度としては高くないカードになりがちですが、このレギュレーションにおいてはフランメと並んでとにかくハンドに持っておくべきカードです。

・「ドラゴンメイド・フルス」(ムドラ等イシズ役)
主にビートダウン要員として「場に残す」上級モンスターです。一応起動効果で手札から切ることで、相手の墓地リソースの阻害と自分のリソースの回復も担います。
原則として下級が3種しかいないために1ターン内で並ぶ上級もまた3種、そのため展開する場合は先程のエルデと組み合わせて使います。バトルフェイズ終了時の下級に戻る効果を使わずに盤面に残し、手札の下級をエルデで出して効果を使いつつ追加で上級を出しに行きます。ナサリー、ラドリーの両方から変身出来る点も大きいです。

・「ドラゴンメイド・ルフト」(「壱世壊に奏でる哀唱」役)
このデッキではパルラからしか変身出来ず、またフランメを優先するために、積極的に狙いにいくカードではないです。ただし、自ターン限定の起動効果とはいえ相手のモンスター効果を無効にしつつ、墓地に自身という上級を溜め、パルラを回収するという完結した動きを担えるのは唯一無二です。NR環境では貴重な効果無効なので、厄介な妨害効果持ちや、その他ミラーマッチのような状況でも積極的に使っていくことが出来ます。

・「ドラゴンメイド・フランメ」
このカードのみ、ティアラメンツに具体的には存在しないカードです。打点2000アップはNR環境だけでなく、通常レギュレーションにおいても破格の数値で、速度の遅いデッキに対して猛烈なプレッシャーをかけることが出来ます。また、レギュレーションの都合上、高速化したデッキが存在しないこともないですが、基本的にはターンの往復の中でやり取りをしていくデッキが多く、ライフを取り切れるタイミングで押し通すには最適かつ最強のカードです。
原則としてこのカードをまず手札に抱えておくことが最優先事項になるので、パルラスタートであれラドリースタートであれ無理やりにでもアクセスしたいカードとなります。

・魔法、罠

・「ドラゴンメイドのお出迎え」(壱世壊を劈く弦声役)
厳密には全く違いますが、永続魔法でありリソース確保+打点確保、墓地に落ちたときに追加効果が出る、という意味合いでは近いカードだと思っています。
能動的にアクセスしにいくことは出来ないため素引き前提となりますが、1枚でもあれば盤面の強度が上がるので、残りはラドリー等で落ちても対象耐性付与により役割が持てます。
対象耐性付与はNR環境ではかなり貴重で、それだけでゲームの流れが傾くと思っているので、おまけとして扱うには惜しいレベルです。

・「ドラゴンメイドのお片付け」(「ティアラメンツ・カレイドハート」役)
ドラゴンメイドにおける最強カードです。破壊以外の除去であり、使っても墓地に落ちても展開札になる上にお出迎えで回収も出来る、完全なパワカです。
1枚を展開に、もう1枚をお出迎えで使い回す用として墓地に置いておくことで半永久的に着地狩りが出来るため、ゲームによってはワンサイドになりえます。

・「ドラゴンメイド・リラクゼーション」
このカードもティアラメンツには存在しませんが、サーチによる後続確保だけでなく、後ろをエンドサイク的にバウンスし続けることで確定除去にし、サクリファイスエスケープにも使えるため維持するだけでアドバンテージを稼げます。
また手札に戻したドラゴンメイドを展開することで効果を再利用出来、下級だけでなくエルデを筆頭とした上級にも役割を与えられるのは過多といっても差し支えないと思います。

・汎用枠


聖杯は貴重な効果無効であり、時械神のような耐性持ちを突破するのに使います。通常レギュレーションにおける無限泡影と同義のカードです。
迷い風も永続効果無効+打点下げ、墓地に落ちても再利用可とこのデッキのみならず他のデッキにおいてもシンプルに強いカードです。ラドリーから落ちてもアドバンテージを失わないので、相対的にラドリー本体のバリューを上げることに繋がっています。
ドラグマ・パニッシュメントとバージェストマ・ディノミスクスはNR汎用除去罠です。強制脱出装置や激流葬もありますが、前者にはお片付け、後者は横並びさせる必要があるコンセプト上今回は採用を見送っています。
スプライトガンマバーストは今回の構築での実験枠です。ラドリーから落として効果を使用することで上級以外で打点を確保することに繋がり、例えば

『ラドリー対象に墓地のガンマバースト→フランメ捨ててラドリー対象に打点上げ→パルラでフランメに変身』

という流れが出来、3900+2700で6600までライフを取れます。これで横になにかしらの上級が並ぶことがあれば一気にワンキルまで見えます。
通常レギュレーションではなかなか見ない光景ですが、こういったコンボが出来るのはNR限定レギュレーションならではの魅力かもしれません。

・基本的な強みと弱み

NR限定だから、といった特有の動きはありません。普通のドラゴンメイドと同じ動きを繰り返しますが、融合体が存在しない+初動が細いという点を加味して動く必要があります。
パルラもしくはラドリー以外のカードは初動ではないため、40枚中6枚のカードを引かなければ事故になりまともなゲームになりません。ドローやサーチも汎用的なものは存在しない上に手札誘発もないので、事故≒敗北に繋がります。ここが最大の弱点です。
逆を言えば2種のうち1枚を引けばあっという間にリソースも盤面も広がりを見せます。ティアラメンツが融合して大型を出していく動きの代わりに上級メイドが盤面の制圧とライフレースを担当する形です。

・まとめ


雑な解説になりましたがいかがでしたでしょうか。テキストも役割も知ってる方からしたらくどかったりしたかもしれませんが、「ドラゴンメイドでティアラメンツごっこ」というくだらないコンセプトでやっても楽しく、真剣に出来る場としてはとてもよかったです。
様々な遊び方が出来るマスターデュエルですが、その中でもNR限定は構築やプレイングをしっかり発揮出来れば勝てる、ということをわかりやすく体現しているいいレギュレーションだと思います。
ご興味がある方は調べてみてください。新たな扉が開けるかもしれません。

・追記
今回出場した大会の主催のTwitterとYouTubeリンクになります

真佐まつり様
@MasaDuel

・戦績
ヴェンデット 先○
ヴェンデット 先× 事故
イビルツイン 先○
ヴェンデット 後× 事故
8軸天威 先○

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