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Bitcoin上にSmart Contracts(スマートコントラクト)とapplication(アプリケーション)を構築するStacks

こんにちは、Mです。


こちらのnoteは、StacksのホワイトペーパーであるStacks 2.0 Apps and Smart Contracts for Bitcoinを元にBitcoin上にSmart Contracts(スマートコントラクト)とDapps(分散型アプリケーション)を構築するlayer1(レイヤー1) blockChainであるStacksについて日本語で概要を解説しています。


大きな項目別に下記のように分けていますので目次として読んでみてください。


Introduction(序章)

Why Bitcoin(なぜBitcoinなのか)

Stacks 2.0 Design(スタック2.0デザイン)

PoX Consensus(プルーフ・オブ・トランスファーコンセンサス)

Clarity Smart Contracts(クラリティスマートコントラクト)

Stacks Cryptocurrency(仮想通貨スタック)

Token Economics(トークンエコノミー)

Stacks Ecosystem(スタックエコシステム)

Stacks 2.0 Mainnet Launch(スタック2.0メインネットローンチ)

Summary and Future Work(まとめと今後の作業)



Stacksのホワイトペーパーを元に約1万3千文字で本記事を構成していますが、公式ウェブサイトからホワイトペーパーを読むことが出来ます。


こちらは主に日本語で執筆していますので日本人向けに作られている事をご理解ください。


免責事項

本noteは情報提供のみを目的としており、法律、税務、投資、財務 、 また
はその他のアドバイス ではありません。


本noteを有価証券及びそれに準ずる仮想通貨・トークン に関する助言
または推奨として解釈すべきではありません。


本noteの提供者は、各投資家の適合性(投資目標、財務状況または特定の必要性)を考慮しておりません。


したがって、本noteをもとに投資を行われる際には、各投資家が投資を行う前に各自の独立した金融、法律、税務等に関する専門家の助言を求めることをお勧めします。


投資家は、これらの金融商品 及びそれに準ずる仮想通貨 ・トークン の中には価格変動に晒されるものがあることを十分認識する必要があります。


それでは早速ですが、Stacksについての解説を進めていきましょう。



Introduction(序章)

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最初にStacks2.0のホワイトペーパーにこのような記述があります。



Our thesis is that decentralized apps and use cases will eventually get built on Bitcoin, the strongest and most widely used blockchain network, instead of disconnected networks. In the early days of the internet, there were several competing protocols. TCP/IP emerged as the winning standard, and everything else was built on it. Bitcoin is that standard for crypto.


分散型アプリケーションやユースケースは最終的に、時価総額が最大でネットワークが分散化されているBitcoin blockChain上に構築されるというものです。



Stacksは、一度も不正や改竄がされた事がないBitcoin blockChainと接続する事に成功したことで、Bitcoin blockChainのセキリティや資本を継承しBitcoinの可能性を最大限に引き出す事が可能になりました。



ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みのスマートコントラクトがStacksに備わっていることで、StacksはスマートコントラクトをBitcoinにもたらす事が出来Bitcoin blockChainで保護された契約及びトランザクションの処理を行う事ができます。



サトシ・ナカモトのBitcoinホワイトペーパーを踏まえStacksは、Bitcoin blockChainとStacks blockChainの接続を可能とする独自のコンセンサスアルゴリズムである転送証明(PoX)でBitcoinの機能を拡張させる事に成功しています。



転送証明(PoX)で稼働するStacks blockChainは、Bitcoinの機能を拡張させますが、ネイティブなBitcoinにスケーラブルなトランザクションとスマートコントラクトをもたらしています。



転送証明(PoX)とは簡単に要約すると


①Stacks minorがBitcoinをコミット(使用)してStacksをマイニングする


②StacksのトークンであるSTX保有者は、コンセンサスでSTXをスタッキング(ロック)してBitcoinのリワードを受け取る


このように転送証明(PoX)によってネイティブなBTCが獲得出来ることからStacks(STX)は非常に面白い仮想通貨になります。



メインネットローンチで稼働を始めたStacksのスマートコントラクト言語はClarity(クラリティ)になります。



Clarity(クラリティ)は、プリンストン大学とマサチューセッツ工科大学の科学者が、過去2年間にわたって開発したもので、スマートコントラクトのバグの発生が非常に少なく、開発者がBitcoinの状態を直接反映したロジックを書くことができるため、スマートコントラクトをビットコインに直接導入することで、ビットコインの価値を高めることができると考えています。



Why Bitcoin(なぜBitcoinなのか)

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ビットコインは不正、改竄が出来ないため価値の保存を可能とした決済プロトコルであることから信頼出来るblockChainだからです。



従来のインターネットでは、TCP/IPプロトコルが標準としており、それに基づいてイノベーションを起こすのに変更する必要はありませんでした。



プロトコルは一度確立されると競合することがかなり難しいのですが、ビットコインは価値決済のプロトコルであるソブリンマネー(最高のお金)として確立しています。



そのようなビットコインですが、ビットコインは価値保存・価値決済をすることしか出来ないという誤解があるのも事実です。



実際のところBitcoinを変更することなく2つの課題をクリアしビットコイン決済プロトコルを中心に革新することで汎用のスマートコントラクトと分散型アプリを有効にすることが可能です。


それは


①スケーラビリティ
基盤となるBitcoin blockChainはトランザクションの容量が限られているため。


② セキュアコントラクト
Bitcoin blockChainはプログラミングのスクリプト言語が限定されているため一般的なスマートコントラクトを認めていない。

しかしこの設計上によりベースレイヤーでのセキュリティが確保されてる。


Stacks blockChainは、そのようなスケーラビリティとセキュアコントラクトの制限に対処しBitcoin上にアプリとスマートコントラクトを可能にします。



独自のコンセンサスアルゴリズム転送証明(PoX)は、Bitcoin blockChainとStacks blockChainの間で実行されますが、スマートコントラクトがStacks blockChainで実行されている間にBitcoin blockChainは決済レイヤー及び信頼できるネットワークとして機能することになります。



今までBitcoinで直接スケーラブルなスマートコントラクトを有効にすることは、長い間進行することが妨げになっていましたが、Stacks blockChainは機能を開放しBitcoinを変更することなく有効に出来ます。



Stacks 2.0 Design(スタックス2.0デザイン)

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Stacks blockChainはレイヤー1のblockChainです。


PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは異なりSTX保有者にはスラッシュ(プロトコルによる経済的ペナルティ)のリスクはありません。


2018年の秋にBitcoin上でReleaseされたStacks1.0は、限定的な機能が備わっている設計でしたが、Stacks2.0はメジャーアップグレードであり、2021年1月にメインネットで公開されたdesignです。



Stacks blockChainのトランザクションは、Bitcoinとは独立して拡張できますが最終的にはBitcoinに依存していますがStacks transactionは、Bitcoin上で1つのhashになるためです。


Stacks transactionはコンセンサスの一部としてBitcoin上でBitcoin block毎に自動で決済されることになります。



またStacksは数秒で初期確認を行うマイクロブロックの概念を導入しています。


microblocks(マイクロブロック)は、今後のスケーラビリティ
の研究で中心になるもので、理論的にBitcoin block毎にBitcoin上のデータを決済する高速なコンセンサスアルゴリズムを実行できます。


BitcoinはStacksによって決済プロトコルとして使用され、Stacks blockChainはStacks blockの履歴のhashをアーカイブします。


transactionのFinality(決済確定)はBitcoinに関連付けられているため、BitcoinにはStacksの設計が恩恵を受けるFinality(決済確定)の強力な概念を提供すると考えています。


転送証明(POX)マイニングを実装しておりBitcoinのセキュリティの恩恵を受けています。



マイニングリーダーの選出は、Bitcoin blockChainで行われ、STXマイナーは接続されたStacks blockChainに新しいblockを書き込みます。


Bitcoinにスマートコントラクトと分散型アプリケーションを有効にする際に転送証明(POX)を使用しますが、Bitcoinはネイティブなままで変更は必要ありません。


転送証明(POX)コンセンサスメカニズムの一部としての参加者には、

①STXマイナー

②STXホルダー

役割は2パターンに分かれます。


①STXマイナー

STXマイナーは、Bitcoin blockChainとStacks blockChain両方の状態を表示できますが、STXマイナーはBitcoin blockChainでtransactionを送信することでリーダーの選出に参加出来ます。(リーダーはランダム関数で選ばれるがBTCをコミットした額が大きいほど重視されます)


STXマイナーは、新しいStacks blockの総価値をBTX/STXのオンチェーン取引ペアとしてモデル化することができ、マイニングで得られるSTXが外部の取引所より安い場合マイニングに参加します。


STXマイナーがマイニングすると

・新たにmintされたSTX

・STXで支払われる取引手数料

・各ブロックのClarity(クラリティ)契約実行手数料

がSTXで支払われる仕組みです。



②STXホルダー

Bitcoin NetworkのセキリティとBitcoinの資本へアクセスが出来るStacksの設計は、独自のユニークな経済特性をもたらします。


STX保有者がSTXをスタッキング(ロック)することでコンセンサスアルゴリズムからBTCを報酬として獲得できる事が実現できます。



Bitcoinは供給量2100万枚と限られていることからインフレーションに対してのヘッジとして採用されていますし、BTCを獲得出来る事はとても魅力的とえるでしょう。


参加方法ですが、STX保有者は報酬サイクル(約2週間)の間STXをロックしフルノードを実行ないしサポートしますが、その際にSTX transactionとしてネットワーク上で有用な情報を送信します。


このようにスタッキング(ステーキング)に積極的に参加しているSTX保有者は、そのサイクルのBTC Rewardsを得る事ができますし、更にStacks blockChainによるスマートコントラクトの利用が増えることで、BTCの収益率も上がることになります。


Stacks2.0ブロックチェーンについてはRustで書かれており、プロトコルの詳細とオープンソースコードは、StacksGitHubリポジトリで入手できます。



PoX Consensus(プルーフ・オブ・トランスファーコンセンサス)

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転送の証明(PoX)は、Stacks blockChainとBitcoin blockChain間の最初のコンセンサスアルゴリズムです。


具体的にBitcoinをbaseChainとして使用しStacksを接続チェーンとしてPOXを実装します。


PoXでは、リーダー選出はBitcoin blockChainで行われます。


PoXでは既にmintされたBitcoinを計算の証明として再利用し、マイナーは自分のマイニングコストを直接Bitcoinで表します。



STXマイナーは次のラウンドのリーダーになるために入札を行いますが、プロトコルが検証可能なランダム関数(VRF)を使用して、各ラウンドの勝者となるリーダーを選択します。



リーダーは、Stacks blockChainの新しいblockを書き込み報酬をmintします。

(新しくミントされたスタックブロック、スマートコントラクトとトランザクションの料金)



STXマイナーの入札で使用されるBitcoinは、STXトークンの保有者でコンセンサスに積極的に参加している人に対応する特定のアドレスに送られるようになっています。


コンセンサスに積極的に参加しているというのは具体的に、STXの保有量に応じて生産性の高いStacksホルダーに送金されるという仕組みです。



PoX Parameters

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block報酬

最初の4年間は1000 STX /block

次の4年間は500STX /block

その後4年間は250STX/block

その後125 STX /block

となります。


block時間

Stacks blockChainは、Bitcoinと同じ速度でblockを生成します。

Bitcoinのblockはおよそ10分に1回生成されますが、Stacksのmeinnetでも同じペースで生成されます。

ただし、マイクロブロックを使用すると初期確認を高速化できます。


block報酬の満期

STXマイナーがblockを獲得してから100block経過後にそのブロックのコインベース報酬を獲得します。



スタッキングパラメータ(変数)

1blockにつき2つの報酬アドレスがあり報酬のサイクルは2000block(約2週間)であるため合計4000の報酬スロットがあります。



スタッキング・スレッショルド(しきい値)

必要なSTXの最小数は、参加状況に応じて動的に決定されます。

このしきい値は、参加率が25%~100%の場合は、STXの参加量の0.025%となり、25%以下の場合は、常にSTXの供給量の0.00625%となります。



Clarity Smart Contracts(クラリティスマートコントラクト)

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Clarity(クラリティ)はスマートコントラクトのための新しいプログラミング言語です。


Clarity言語は、予測可能性とセキュリティを最適化します。


Stacks 2.0は、明確なスマートコントラクトをBitcoinに固定し、Bitcoin blockChainで見られるアクションに基づいてスマートコントラクトを操作できるようにします。



適切に設計されたスマートコントラクトはバグを防ぐことができますが、適切に設計されていないコントラクトは問題を悪化させる可能性があります。


スマートコントラクトはデジタルマネーを維持することを目的としているた
め特に重要です。



クラリティでは、スマートコントラクトの動作、コスト、パフォーマンスを開発者と自動検証の両方で透明化しています。


また、安全性を高めるためにポストコンディクション(事後条件)を導入しています。


Decidable Language(決定可能な言語)

プログラミング言語は、プログラムが何をするかをコード自体から確実に知ることができれば決定可能ですが、Clarity(クラリティ)も決定可能な言語になります。


Clarity(クラリティ)は、Turing(テュァリング)の複雑さを回避するため意図的に不完全になっています。

※Turing(テュァリング)とは:Pascalよりも汎用的で簡潔に記述でき学習しやすい言語


特定のスマートコントラクトのコールグラフ全体の完全な静的分析が可能になります。


更にtypeとtype checkerのサポートにより意図しないキャストやリエントラント(再入可能性)のバグ、初期化されていない値の読み取りなど、クラス全体のバグを排除できます。


最後にClarityコードを分析して実行時のコストとデータ使用量を調べることができます。


開発者は、特定のClarityプログラムが何をするか、そしてそれがいくらかかるかを予測することができます。



イーサリアム[のコントラクトの実装言語であるSolidityは、決定不可能な言語です。


特定の状況で実際に実行せずに、コントラクトがどのように動作するかを正確に知ることは不可能です。


両方のタイプのプログラミング言語には利点があります。


しかし数十億ドルのコードをロックするスマートコントラクト
に関しては、リスクを最小限に抑えることが重要です。



No Compiler(コンパイラなし)


決定可能な言語であることに加えてClarityも解釈されます。


コントラクトのソースコード自体は、blockChain nodeによって公開および実行されます。


中間のコンパイル済み表現(SolidityのEVMバイトコードなど)を削除すると、バグが発生する可能性がさらに最小限に抑えられます。


契約のソースコードを公開すると理解しやすくなります。


プログラムされたソースコードにはエラーがないかもしれませんが、ブロックチェーンに到達する最終的なプログラムにはエラーがある可能性があるため、コンパイラのバグはブロックチェーンに二重の損害を与えます。


このようなエラーが発生した場合は、解決するために論争の的となるハードフォーク(実行不可能な可能性があります)が必要になります。



Visibility into Bitcoin State(ビットコイン状態への可視性)


Clarity contractはBitcoinの状態を可視化します。


つまりcontract logicは純粋なBitcoin transactionに基づいてトリガーできま
す。


Clarity contractにはBitcoinのSPV証明が組み込まれており、開発者はBitcoinの状態とのやり取りをはるかに簡単にすることができます。


※SPV証明(シンプルな支払い検証のことでトランザクションをスマートコントラクト内で検証が可能)


Clarity contractはBitcoinとフォークするので開発者はビットコイン
フォークとスマートコントラクトがフォークに適応する必要があるコーナーケースについて心配する必要はありません。



Stacks (STX)Cryptocurrency

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STXは主にClarity smart contractを実行するための燃料(ガス)として使用されるだけでなくデジタル資産の登録、取引手数料の支払い、blockChainによるClarity contractの公開など他のNetwork機能でも使用されます。



STX保有者はSTXをロックしてコンセンサスに参加しビットコインの報酬を獲得出来るのですがプロセスはスタッキングと呼びます。



参加方法についてですが、STX保有者はフルノードを実行及びSTXをロックしてネットワーク上で定期的に有用な情報を公開します。


Bitcoin報酬の年間収益率は様々な要因によって異なりますが、例えばliquid supply(流動性供給)の50%がスタッキングに参加した場合、他の想定されるパラメータと合わせて収益率は約9%になる可能性があります。



StacksのSTXは米国史上初SEC認可によるトークンオファリングで4500人が参加し一般投資家へ配布されました。



PoX(転送証明)コンセンサスメカニズムは、STXとBTCの間にネイティブなトレードペアを確立しており、Bitcoinで収益を得るためにロックできるという点でSTXをユニークな資産にします。


PoX(転送証明)コンセンサスメカニズムは、同じような利回りの収益を生みだす従来のPOS(プルーフオブステーク)とは異なります。



Long-term Value:(長期的な価値)


STXには他の仮想通貨と同様に仮想通貨の価値そのものに悪影響を与える可能性のあるいくつかのリスク要因があります。


これらのリスクの包括的なリストについては、2019 SEC offeringのリスク要因のセクションを参照する必要があります。



Stacksの長期的な価値は、Stacks Networkの成長とClarity smart contractの需要に依存します。



Network上でClarity contractを締結するには、ユーザーはSTXを燃料(ガス料金)として支払う必要があります。



例えばClarity contractとして構築された分散型exchangeでは、ユーザーとのやり取りごとにexchange contractのロジックを実行するための手数料としてSTXが必要です。



Bitcoinのユニークな収益がある特性を考えるとSTX liquid supply(流動性供給)のサブセット(部分集合)がロックされ、有効なliquid supply(流動性供給)から除外されると予想されます。


このような長期保有者は、Bitcoinの報酬を獲得し、コンセンサスに積極的に参加したいと考えています。


STX保有者に送られるBitcoin報酬の価値は


(a)coinbaseの報酬

(b)Networkの使用状況

によって異なります。


より多くのClarity contractがNetwork上で実行されるとスタッキングに対するBitcoinの報酬も増加します。


最初の数年間は、新しいblock毎に作成されたトークン(coinbase報酬)として1000STXがリリースされます。


coinbase報酬に加えて契約と取引の料金は、マイナーがブロックをどのように評価するかも決定します。


Networkの使用量が増えると契約料と取引手数料が高くなるためマイナーにとってのブロックの価値が上がります。


したがってブロックに対するBitcoinの入札額が高くなるため、積極的にコンセンサスに参加するSTX保有者には、より多くのBTC報酬が支払われることになります。


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・ Coinbase STXは、事前定義された固定スケジュールに従います

・Clarity feesとtransaction feesはNetworkの使用量に応じて増減します



Token Economics(トークンエコノミー)

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ジェネシスブロックトークンの内訳


Stacks(STX)は1.32 billion (13.2億)枚がジェネシスブロックに入っています。


STXは2017年と2019年に様々なofferingを通じて配布されましたが、販売価格は、2017年のofferingでは0.12ドルの価格で販売され、2019年のRegS offeringは0.25ドルで販売されました。


2019年に行われたSEC qualified offeringは0.30ドルで提供されています。


Stacks(STX)は2050年までに約1,818M STXの供給量になります。(以前の2,040Mから減少しています)


2021年1月末にはジェネシス・ブロックにある1.32 billion (13.2億)のSTXのうち約1,006Mが流動化し、残りは様々なロックを経て毎月ロックが解除されます。


創設者と従業員に割り当てられたSTXは3年間のアンロック期間がありますが、2021年1月から2021年11月の間にロック解除されます。


図は2050年までのStack(STX)総循環供給の増加を示しています。

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Stacks Ecosystem(スタックエコシステム)

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Stacks ecosystemは、Bitcoin上でユーザー所有のインターネットを構築するために取り組んでいる独立した法人、開発者、およびコミュニティメンバーの集まりです。



Project History(プロジェクトの歴史)

Stacks projectは、より良いインターネットを構築するための取り組みとして、2013年にプリンストンコンピュータサイエンス部門で開始されました。


MuneebAliとRyanSheaは2014年にY Combinatorを卒業し最初のR&D(研究開発)のために他のプリンストンコンピューター科学者を採用しました。


初期の投資家にはUnion Square Ventures、Naval Ravikant、SV Angelがいます。


Muneebの2017年の博士論文は、blockChain上に構築されたユーザー所有のインターネットの技術的基盤を築きました。


Stacks projectは、2017年にStacks(STX)のtoken offeringで4700万ドルを調達し、2019年に初めてSEC認定のUS RegA offeringとRegS offeringを通じてさらに2300万ドルを調達しました。


これらのofferingに参加したのは4500名でSTX保有者となりました。


VCではUSV、Lux、DCG、Winklevoss Capital、Blockchain Capital、Foundation Capital、Hashkey、Fenbushiが同時期に参加しています。




Decentralized Ecosystem(分散型エコシステム)

公益法人であるBlockstackPBCは、2017年にシリーズAを立ち上げた後、初期のR&D、プロトコル設計、および公共インフラストラクチャに取り組みました。


公共インフラストラクチャの構築フェーズは2020年後半に完了し、BlockstackPBCは開発者ツールに限定的に焦点を合わせるためにHiroSystemsにブランド変更しました。


2020年に分散化への道を辿り、いくつかの独立したエンティティがStacks ecosystemに出現しました。


これらには非営利のStacks Foundation、コミュニティに焦点を当てたfreehold、マイナー及びアジア市場に焦点を当てたDaemon Technologies、そしてNew Internet LabsやSecret Key Labsなど独立したユーザークライアントを扱う企業があります。


Stacks ecosystemには、独立した開発者や団体によって開発された400種類のapplicationがあります。


2020年の秋にBlockstack PBCは、非セキュリティ状態のStacks(STX)への移行を詳細に説明し概要を発表しました。



Stacks 2.0 Mainnet Launch

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2021年1月14日に予定されているStacks2.0のリリースは、Stacks1.0からのアップグレードよりもまったく新しいプロジェクトのリリースに近いものです。


Stacks 2.0は私たちのマスターデザインでありBitcoinに関する2つの長
年の問題を解決します。


1つ目はBitcoin transactionのスケーラビリティ、2つ目はBitcoinを変更せずにネイティブなままスマートコントラクトを有効にすることです。



Start of Mining:(マイニングの開始)


Stacks 2.0 mainnetの立ち上げには少なくとも20人の独立したマイナーの採用がが必要でした。


マイナーは、自分自身を.minerと登録し他の手順に従う必要があります。


マイニングの開始に伴い、ブロックごとに1000 STXが新しくマイニングされたSTXとしてリリースされます。(STXマイナーが新しいSTXブロックをパッケージ化/書き込みするインセンティブ)


マイニングの開始は、ecosystemの中で小さな新しい分散型取引所と考えることができます。


1日あたり約15万枚のSTXがBTC / STXオンチェーンペアでのマイニングを通じて取引されます。


STXマイナーは、他のblockChainと同じくマイニングすることが利益になる場合のみ新しいブロックをマイニングします。


つまりBTC / STXペアをサポートしている取引所(BinanceなどのCEX)と比較して、マイナーはBTC / STXマイニングペアが取引所よりも安価にSTXを取得できることを意味しますし、出来高は通常の取引所と比べて小さいと予想されます。


Earning Bitcoin(ビットコインの獲得)


Stacks 2.0 mainnetの立ち上げにより、STXのliquid supply(流動性供給)のサブセット(部分集合)がロックされ、コンセンサスに積極的に参加する事が出来ます。


liquid supply(流動性供給)の50%がBTC報酬の獲得に参加した場合、他の想定パラメータと合わせて、BTC収益は約9%と予想されます。



コンセンサスに参加するために必要なSTXの最小数は動的であり、積極的に参加しているliquid supply(流動性供給)の割合によって異なります。


liquid supply(流動性供給)の50%が参加していて、950Mがliquid supply(流動性供給)である場合、スタッキングに参加するには最低12万枚のSTXが必要です。


ただしSTX保有者はpooling services(プーリングサービス)を使用でき、
サービスプロバイダーへの委任はNetworkによってサポートされることになります。



Clarity Contracts(クラリティ契約)


Clarity smart contractを公開及び実行する機能は、Stacks2.0mainnetのリリースで稼働しました。


全ての取引手数料とClarity contractのガス手数料はSTXでマイナーに支払われます。



Upgrade Guide(アップグレードガイド)


Stacks2.0 mainnetの起動は、Stacks1.0からのハードフォークとして機能し、全てののSTX残高とデジタル資産の所有権は、自動的にStacks2.0に転送されました。


Stacks1.0とStacks2.0の間でトークンを交換する必要はありません。



Summary and Future Work(まとめと今後の作業)

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Stacks 2.0は、applicationとsmart contractをBitcoinにもたらします。


論文は様々なblockChainから成功した実験が最終的にBitcoinで作成されるということです。


Bitcoin Network効果は、Bitcoin周辺のスマートコントラクトがより多くの仮想通貨にアクセス出来て、より高いセキュリティの恩恵を受けることを意味します。


ビットコインが従来のインターネットのTCP / IPのように、より優れたユーザー所有のインターネットの基盤になると信じています。



Stacks 2.0は、コンセンサスに積極的に参加することで、ユーザーがビットコインを獲得するための新しい方法を可能にします。


Syacksの仕事は、受動的なビットコインの資本を能動的に展開することで、ビットコインの価値を高めます。


Bitcoinのecosystemにより多くのアプリやスマートコントラクトを導入することができます。



Stacks 2.0のリリース後、ブロックスペースのオークション、マイクロブロックのスループットとスピードの向上などいくつかの改善が行われました。



ブロックスペースのオークション、マイクロブロックのスループットとスピードの向上、高度なClarity言語機能などの一部の改善は、Stacks 2.0の今後の課題です。


これらは、StacksFoundation及びより広範なコミュニティが取り組む将来の仕事の領域となります。



以上がBitcoin上にSmart Contracts(スマートコントラクト)とapplication(アプリケーション)を構築するStacksのホワイトペーパーの日本語板になります。


長丁場になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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