#8 結成の瞬間
featで参加してもらった
Bajin Side Kick Men は
レコーディングのミックス作業もスムーズに進行した。
確認の為に曲を送る頃の俺には、
既に'MCWの毒'が回り始めていたので
俺は、「ゆるキャン△」というアニメに登場する"志麻リン風"のメッセージと共にファイルを送った。
ちゃんと"なでしこ"という同アニメキャラから返信がきた。
気持ち悪いので詳しい内容は割愛させて頂くが
音源いい感じ👍おれもソロ曲を作るからfeatで参加してくれないか?
という内容を"なでしこ"の口調で述べられた文章だ。
一度ミーティングをしよう…
という流れになりMCWがうちにやって来た。
うちに到着すると早速
「単刀直入に言うと、…一緒にアルバム作らない?」
俺は待ってましたとばかりに
『イェーイ!!』とハイタッチをした。
実にシンプルだ。
これが結成の瞬間。
だ。
Gangerとしての活動は止まっていた。
Fullmemberとしての活動も止まっていた。
動かすのはオレらしかいない。
そんな話をダイレクトにした事はないし、
MCWがそう思っていたのかはわからない。
けれど日頃の会話や、
MCWとしてPure Pleasure!で存在する姿は
そんな風に感じていたし
俺はそういう風に思っていた。
し、今も思っている。
何より俺たちが、曲を作りたくて
ライブがしたかったんだと思う。
そして俺も本題に入らせてもらった。
「あの……そうめん…食べますか?」
あらかじめ用意していた
茗荷、シソ、葱、生姜などの薬味を
速やかに冷蔵庫から取り出し
三人前のそうめんをサッと茹でて食べ始めた。
HIPHOPを通じて出逢った先輩にそうめんを茹でれる幸せは比べ物にならなかった。
「林太郎、一緒にやってくれるかな」
×
『ワタさん、そうめん食べるかな』
と、お互い違うドキドキですれ違っていたのだ。
素敵じゃないか。いいよなこういうのって。
青春じゃないか。あったよなこういうのって。
『揚げ物あってもよかったですね!薬味とかあるんで!言ってくださいね!!ほら胡麻もあるっすよ!』
「(もぐもぐ)……お前いちいちうるせぇんだよ!!!!!」
あの夏の記憶はこれからも忘れない。
とにかく、俺たちは一緒に作品を出すことになったのだ。
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