まだ学生で、お金もなくて、飛行機なんて乗れない歳に。 顔も知らない人にずっと恋をしていた。 今でも忘れられない恋。 忘れたくない恋。 声がとにかく優しくて、心地よかった。 「未散ちゃん」って呼ばれるたびに嬉しくなった。 「可愛いね」って言葉が出るたび自分のことじゃなくても嬉しくなった。 「未散ちゃんを好きだって言ったらどうする?」 ある日の通話で彼はこう言った。 耳を疑った。 そんなことあるわけないと思った。 「え…っと…」 「あはは。困るかな」 困るわけない。
ペットの死後、その魂は虹の橋のたもとにある楽園に行き、そこで飼い主を待っているらしい。 突然だが、自宅の玄関には人感センサーがついていて入ると自然に電気がつくようになっている。 だが、それが度々人がいないのに勝手につくようになったのだ。 この歳にもなって幽霊の類はあまり信じていないのだが、少し頻度が多いように感じて不思議に思っていた。 はて。 これくらい多くなったのはいつだったろうかと記憶を頼りに、思い出してみることにした。 去年の2月に15年一緒に過ごした愛犬を亡くし
先月、父が亡くなった。 病名は長々と説明されたが、正直覚えていないので脳梗塞ということにしておく。 9月の末に、母からの電話で父が緊急搬送されそのまま入院することになったとあってから約2週間。 治療の甲斐もなく、あっけなく逝ってしまった。 「明日、頼むわ。」 父が倒れる前日。 父の仕事の手伝いをすることになっていた私に、彼はそう告げて颯爽と帰っていった。とても元気だったのだ。その前も会話をちゃんとして、大声で笑えるくらいの元気がちゃんとあったのに。 「明日、8時出発だ
はじめまして。 未散(みちる)といいます。 心の中だけじゃ消化できないことをどうにかして文章にできないかと探していたところに、このnoteの存在を発見しました。 ですが実は私、そこまで文章を書くことが得意ではないのです。 でも書きたい。その気持ちを抑えられませんでした。笑 なので投稿するもの拙い文章かと思いますが、偶然見つけた際には暇つぶしにでも読んでいっていただけたらと思います。 よろしくお願いします。