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現役広告プランナーが解説するフリーランスがやるべきWeb広告とは?【長谷部和希】

こちらの記事は、2021年4月20日に開催されたイベント「フリーランスが知っておくべきWeb広告は?現役の広告プランナーに聞きます」
を文字起こししたものです。
イベントページ:https://marketing-career.connpass.com/event/210422/

「フリーランスだけど、自分の商品やサービスを広告で売ってみたい」
「広告のスキルがあれば、もっと良い提案がクライアントにできるのに」
「広告運用も仕事にしたいけど、何から手をつけていいのか分からない」
と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?

今回はそのような悩みついて、マーケティングキャリアの前田塁が現役の広告マンとして企業のマーケティング支援をしている「長谷部和希」さんにお話を聞きました。

長谷部和希さんのプロフィール

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新卒で地域電通に就職し、メディアプランナーとしてマス広告のプロモーションプラン立案、クリエイティブ制作を担当。株式会社オプト入社後はブランド戦略部に所属し、消費財、化粧品系メーカーを中心に、デジタル上でのブランドプロモーションを支援。
2021年1月より、LINEを活用したDXを推進する部署に異動。2018年下期全社準MVP受賞。
マーケティングキャリアでも、講師を務める。

前田塁のプロフィール

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株式会社オプトでWebマーケティングを学び、Twitter広告を業界No.1まで牽引。その後、株式会社TABIPPOを起業し、月間250万人が利用する旅行メディア「TABIPPO.NET」の編集長や各種SNSの立ち上げ、マーケティング施策に従事する。
現在は複数社のWebマーケコンサルや個人サイト「スラッシュワーカーズ」の運営をしつつ、また海外旅行ができる日を待っています。マーケティングキャリアでは講師と講座責任者を担当しています

Web広告の全体像の捉え方

ルイス)本日のゴールは「本業に活かせる広告手法を見つける」です。Web広告の運用をするなら、全体像を把握しておいた方が良いので、簡単に説明しますね。

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ルイス)こちらはマーケティングファネルと呼ばれる図式です。上が認知、下が購入や申し込みを表していて、購入に近づくほど人数が絞られていくことを表しています。簡単に言うと右に出てる広告メニューの中で購買層に近い広告、つまりリスティングから順番にやる方が早く効果がでます。

長谷部)そうですね。まずは事業に貢献するための広告の使い方ってことで購買層≒顕在層にアプローチできるリスティングのような広告≒手法を採用することが多いですね。

ルイス)逆に考えると、認知層の広告をしている会社ほど広告に使える予算が多いとも言えます。となると、フリーランスの方が就職や営業先を探す際は、インフルエンサーマーケティングやYouTube広告などを実施している会社がいいかもしれませんね。

それでは、調べても皆さんがたどり着きにくい「近年の広告事情」を話していきます。

近年の広告事情

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ルイス)まず一つ目、いきなり今日一番難しいところ。特にEU方面で個人情報保護が進行してます。

長谷部)市場のトレンドとして個人情報保護の話が頻繁にされています。LINEの個人情報保護についてもニュースになっていましたが、ここらへんの話は今、ホットトピックです。今までCookieを元にいつのまにかデータを抜き取られ、そのデータをデジタルマーケティングに活用していたのですが、2020年ぐらいからその危険性に対して風当たりがかなり強くなり、2022年から本格的な制限がされると予測されます。

ルイス)Cookieが使えなくなってきたので、皆さんをひたすら追いかけるリターゲティングや、DSPなどの複雑な仕組みを使った広告メニューなんかが死亡しつつあるというわけですね。

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ルイス)また、検索から人を獲得するというSEOとリスティングの考え方は王道ですが、最近はGoogleでの検索に限らず、TwitterやInstagram内で検索をする人が増えてきました。

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ルイス)これらの状況を踏まえて、長谷部さんはLINEがおすすめとのことですが、LINEの良さはどこだと思いますか?

長谷部)SEOやリスティングのパワーが昔より落ちている中、SNSが注目されてます。その中でも、LINEは利用時間が長いことが魅力だと思います。

現在、国内の8割の方がLINEを使っていますし、圧倒的なリーチ力を保持しつつも、様々なコミュニケーションが取れるのでLINEアカウントはアツいですね。

ルイス)まとめると「個人情報保護の部分からリターゲティングが減っている」「検索ボリュームが減っているのでSEOやリスティングが大変」「LINEアカウントがおすすめ」こんな感じですね。

では話を戻して、広告の内容を順番に解説していきますね。

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リスティング:顕在層に突き刺す検索広告が強い

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ルイス)検索結果の画面に広告を出すのがリスティングです。検索ボリュームは減っていますが、まだまだ主流だと思っています。結果を出しやすいのは大きなメリットですが、「運用が難しい」「システムの癖が強い」というデメリットもあります。フリーランスが自力でリスティングを上手くやる方法ってありますか?

長谷部)フリーランスの方が自分のビジネスを広告するなら、皆さんが持っているサービスのキーワードと若干の関連ワードだけで良いのかなと思います。それらのキーワードなら競合しないはずなので、ガチの運用ができなくても大丈夫です。

リターゲティング:顧客を逃さず購入を促す

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ルイス)皆さんの行動データや検索データをもとに、追いかけられて広告が表示するのがリターゲティング広告です。特徴はこちらの4点です。

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ルイス)長谷部さん、フリーランスのリターゲティング利用ってどう思いますか?

長谷部)ありだと思いますね。将来的にリターゲティングは死滅する可能性が高いんですけど、初めてできたサービスの場合、ある程度リターゲティングをして認知や刈り取りをする必要があるので。

ルイス)なるほど。もし、リターゲティングをするなら、配信リストを貯めるために設定だけでも早くやった方が良いですよね。

長谷部)リターゲティングは成果が出るので、広告運用者はリターゲティングに頼ってますね。ただやりすぎるとリストが枯渇しちゃったり、当てすぎて広告が出せなくなっちゃうんですよね。

ルイス)あまりフリーランスでリター気をやっている人は少ないと思いますけど、やると最後まで取り切ることができるのでいい広告の組み合わせにはなりますね。

長谷部)そうですね。

Twitter広告:ユーザーの感情をターゲティング

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ルイス)次はTwitter広告です。わかりやすいのはTwitterのタイムラインに表示される広告ですね。今回紹介する広告メニューの中でも、最も感覚的にやりやすいと思っています。Twitter広告は実は拡散されてから以降はお金掛からないんです。

長谷部)お金をかけない方法として、フォロー&リツイートキャンペーンもありますが、同時にTwitter広告を出稿すればフォロワーさんが反応したあとは無料なので、少額でも意味がありそうですね。

ルイス)なるほど。3つ目の「キーワードターげ」は他のSNS広告にはない特徴で、ツイートしている内容をもとに広告を出すことができます。

例えば「会社辞めたい」というツイートをしている人に対して退職代行の広告を出す感じです。ただし、Twitter広告は年齢や性別の正確性が低いのが、デメリットですね。

長谷部)FacebookやGoogleの信頼度は90%と言われていて、LINEに関しては80%とされています。Twitterは感覚的には50〜60%くらいですね。

Facebook広告:プライバシーを把握して配信

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ルイス)Facebook広告はプライバシーを把握する広告です。出身大学や所属している会社などをターゲティングできるのはFacebookのいいところですね。長谷川さんはどんな使い方をしてますか?

長谷部)主にBtoB向けサービスの広告に使います。広告代理店としては通常のメディアプランニングならFacebook広告は入れませんが、40〜50代の方がターゲットなら検討します。

Instagram広告:クリエイティブで勝負する

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ルイス)Instagram広告のポイントは、InstagramとFacebookのシステムが一緒という点ですね。長谷部さんはどうですか?

長谷部)そうですね。他には「若年層の女性にリーチできる」というのと「アクティブ率が高い」ところですね。メニューとしてはとストーリーズ広告に注目しています。やっぱ見ますよね。

ただ、世界観を上手く伝えるのが大切なので、いかに自然な広告を作れるかが大切ですね。商材によりますが、FacebookやTwitterよりInstagramのCVRが高いと思います。

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LINE広告:リーチを広げて他の広告を補助

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ルイス)続いては、LINE広告です。特に他のSNSはやってなくてもLINEはやっている人が多く、圧倒的なユーザー数が魅力です。

長谷部)そうですね。一番の欠点は、広告を表示できるスペースがタイムラインがメインなので見ている人は少ないという点です。若年層の人をターゲットにすると難しいかなと思います。

ルイス)フリーランスとしては「LINEアカウントの運用」がメインになってくるってことですね。

長谷部)そうですね。今、僕が仕事として今メインでやってる部分です。企業の公式アカウントを作って支援しています。昔は「LINE@」という名前でしたが、今はフリープラン(月額0円、月に1,000通送信可能)・ライトプラン(月額5,000円、月に15,000通送信可能)・スタンダードプラン(月額15,000円、月に45,000通送信可能)の3つというシンプルなプランになりました。企業のアカウントは基本的にスタンダードプランですね。

フリーランスの方は、フリープランやライトプランでアカウントを使ってみて、顧客育成をしていくのが良いと思います。LINEのプランによってはクッキーを使っているように、マーク付したリストで仕分けをして運用することができますよ。

ルイス)LINE の運用設計ができる人ってのもずっと必要だって言われていますし、そのメルマガから LINE に移行するタイミングで結構足りなくなる人材なのかなっていう感じでますね。LINE アカウント立ち上げしてみたいな。

YouTube広告:動画で強力に商品をPRする

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ルイス)YouTube広告は、資料に小さく書いてある「ルールがまだ緩い」がポイントです。ダイエットや増毛などのネガティブ商材に対しても制限がまだ緩い一方で、ユーザー数はかなり伸びている状態です。だから、そこの隙間をぬって他の広告メニューでは訴求できない商品をPRするのがYouTube広告の一番の売れ筋なのかなと。他にはどんな利用がありますか?

長谷部)多くの人に情報を届けたかったりバナー広告と比べて情報量が沢山伝えられることができるので、 動画を作ってサービスや商品の認知を高めたいという場合が多いですね。

ルイス)動画広告を制作するコストがかかるのはフリーランス皆さんにとってネガティブかなと思いますが、動画制作ができる人なら挑戦してもいいのかもしれません。

長谷部)獲得はそこまで取れないですが、視聴率などの指標が他のメディアと比べて効率はいいですね。なので他の動画広告をやるならYouTube広告を推しますね。

ルイス)今、YouTube広告の配信単価はって安いですよね?今は1円や3円とかですもんね。これってユーザーが増えたからですか?

長谷部)それもありますが、Googleのアルゴリズムが進化したことも大きいです。AI怖いですね。身を以て感じました。

ルイス)ありがとうございます。では残りの2つはおまけで。

専用メディア広告:既存の集客を広告で補強する

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ルイス)このようなメニューはたくさんありますよね。限定的なリーチにはなりますが、すでにホットペッパーで集客しているお店などの場合は、新店舗を出した際に使うのも良いかと思いますね。

インフルエンサーマーケティング:商品と消費者を橋渡しする

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ルイス)インフルエンサー広告の費用対リーチは結構難しいです。長谷部さんはインフルエンサー広告やってますか?

長谷部)僕はめちゃくちゃやっていますね。日本では最初の印象が良くなかったのであまりやっている人は少ないですが、海外だとかなり人気ですね。

Web広告は「自分で配信して学ぶ」のがベスト

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ルイス)最後に、Web広告について勉強する方法ですが、どの広告マンに聞いても「自分で配信してもらうしかない」と言われますね。他に長谷部さんから聞いたのは「配信メディアを使い倒す」という方法です。

そして3つ目の方法としては「お客さんの広告を運用する」ですね。勉強しながら実際に触らせてもらうのも良いと思います。少額でもいいからやりたいクライアントは多いので、予算を使わせてもらえば身銭を切る必要はないので。

長谷部)自分がメディアを理解していないと広告の運用を効果的に使えないので、配信メディアを使い倒すのは大切ですね。

ルイス)ありがとうございます。というわけで、今日のまとめです。

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ルイス)皆さんに取り組んでいただきたいのは、まずはSNS広告。特におすすめはTwitterですね。リスティングができるようになったら最高です。LINEについては、LINE運用です。Web広告は早いもの勝ちなので、今日の話を聞いてすぐに行動ができる人は勝てます。

そして、「Web広告難しい」「自分一人だと不安」という方は、ぜひマーケティングキャリアを受講してください。プロのマーケターたちがサポートします。

長谷部)Web広告は環境が日々変わっていますし、詳しい説明がないことがほとんどです。なので、いかに自分たちがメディアを理解して使いこなすかが重要なので、先ほどもお伝えしたようにメディアを使い倒してください。

ルイス)ありがとうございました。

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