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これからの介護に必要なこと

今までの介護は通用しない?!

超高齢社会を支えるために誕生した介護保険制度は2020年4月、創設から20年目という節目を迎えました。20年の間、介護市場は急成長し、ニーズに応じて法改正も重ねられたことから、今ではさまざまな介護サービスが広く利用されるようになりました。

一方、介護の現場は介護市場の成長と共に競合が増え、生き残りをかけて試行錯誤の日々です。
そんな中、2025年には団塊の世代が75歳を迎え、後期高齢者人口が急増します。

ご存知のとおり「2025年問題」に直面します。その問題のひとつが介護現場での慢性的な人手不足ですが、さらに深刻化することが予測されています。
少子化でもある日本は物理的に補えない状況となっており、技能実習・特定技能などの制度を通して外国人の雇用に取り組んでいる介護施設も増えています。

そしてしっかり意識したいのが、団塊世代の文化です。
生きた時代が「戦中戦後」と「高度経済成長期」とではライフスタイルが違います。
団塊世代の方々は、国内だけでなく海外への旅行も楽しみ、美食家も多く、世界トップクラスの日本のおもてなしを当たり前のように受けています。
お金を払って受ける介護サービスに対しても同様に、それ相応の期待をされることになります。
そのため、正しい接遇(正しい敬語や所作など)はもちろん、介護技術だけでなくコミュニケーション能力も求められます。明らかに今までの介護が通用しないと感じています。

クレームも多様化?

スタッフの皆さんは介護のプロとして、少しでもご利用者さまとご家族の要望にお応えできるよう日々奮闘されていると思います。そんな皆さんを傷つける行為として、近年問題になっているのが明らかに理不尽な「ヘビークレーム」「ヘビークレーマー」です。

平成30年度に実施された介護職員を対象とした実態調査では、ご利用者さまやご家族等からハラスメントを受けたことがあると回答した職員の割合が50%を超えています。
たとえ、ご利用者さまやご家族であってもハラスメントは許されるものではありません。

「暴行罪」「傷害罪」「脅迫罪」「強制わいせつ罪」などの刑事法の構成要件に該当しうる行為も少なからず発生しており、平成30年には厚生労働省(老人保健健康増進等事業)より介護事業者向けの「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」や管理者向け・職員に対する「研修のための手引き」等が公表されています。

ハラスメントを受けたスタッフが個人の問題として抱え込むことがないよう、スタッフを守るための研修も必要とされています。

スタッフを支える組織づくり

離職のない職場環境づくり、皆さんはどのような取り組みをされているでしょうか。

大切な命と向き合う現場でありながら、さまざまな面で「ゆとりがない」という声が多く聞かれます。
ご利用者さまやご家族の感謝の言葉で元気をもらえるものですが、慢性的な人手不足のなか、サービスの質を求められ、さらには理不尽なトラブル対応も...となると、さすがに疲弊してしまいます。

スタッフの疲弊はご利用者さまに伝わってしまいます。
スタッフ自身が幸せでなければ、ご利用者さまを幸せにすることは難しくなります。精神的に追い込まれて、思わぬ事故を招いたり、ご利用者さまに危害を加えるようなことがあってはなりません。だからこそ、チームワークのための教育は欠かせません。
なにより一人ひとりが安心・安全に働くことができる環境づくりが必要となっています。

スタッフに「ゆとり」と「やる気」を与えたい、常にご利用者さまに選ばれる施設や事業所でありたいと、日々試行錯誤されている皆さんにこの note を活用していただき、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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