【1153日目(8.17/土)~ 徒歩で日本縦断_番外編_”礼文島民の食卓”】
つぶやき文庫♯1153
〜 礼文島民の食卓 〜
島に来てから繋がった知人が、16時に職場まで迎えに来てくれた。今日は一段と風が強く、被っていた帽子が突風で吹き飛ばされそうになった。同じ島内であっても、ここスコトン岬には有り余る勢いで風が吹きつけてくる。助手席に乗り込むと、職場の駐車場から車を15分くらい走らせた所にある”れぶんちゅら工房”というお店に到着。出迎えてくれたのは、御年89歳になる天然昆布の漁師さん。優しい顔つきでありながら、その柔らかい表情にはそぐわないほど手の平が分厚い。長年島で暮らしてきたであろう経験値と逞しさが、すべて凝縮されているようだ。簡単に挨拶を済ませると、自宅に招き入れてくれた。入り口を跨いですぐのところには、貝殻や流木、シーグラスを使用した民芸品が並べられている。奥の扉から顔を覗かせたのは娘さんで、民芸品の製作者ご本人。ビーチコーミングという聞き慣れない言葉を、そこで初めて耳にした。ビーチコーミングとは、海岸の漂着物を収集して加工したり標本にしたりすることの総称らしい。自宅でくつろぎ、あれやこれやと話をしている内に晩御飯をいただくことになった。出てきた物は、お米以外すべて島で獲れたもの。トドの腕に、八角は高級魚、ホッケ、真蛸。食べきれない量の食材で歓迎してくれた。思えば僕の身体は、今はすっかり礼文島の新鮮な食材たちで構成されている。そう考えると、島外の食材を新たに取り込むのが惜しい気持ちになる。そんなことを言っておきながら、日記を書くパソコンの横には、少し気の抜けたコーラが並んでいる。
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