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3月13日「御礼までは言えなかった人」

電車での出来事を連日続けて投稿します。

この日私が乗っていたのは、自分の実家に行くためのよく知っている路線。
分かっているから普通に乗り換えもしているけれど、
実はちょっと複雑で。
同じホームから別の行き先の電車が発車してしまうので、
間違ってしまう人も少なからずいます。

既に入線はしていて発車2分前くらいのタイミングで、
中学生男子の6人グループが乗り込んできました。

「これで、どこ行くんだっけ」
「〇〇駅だよ。3駅先で降りればいいんだよ」
「完璧じゃーん!」

・・・完璧ではないぞ、君たち。

まさに、それ、君たちが行きたい駅はこの電車では辿り着かないのだよ。汗

でもいきなり「違う!」って知らない大人に話に割り込まれるのは
さすがに嫌だろうから、自分たちで気づかないかな・・・と。
しばらく見守っていました。

でも、話が進んでいっても気付く気配もなく、
「〇〇駅で降りたらさぁ」と具体的な内容にもなってきていて
発車時刻が迫ってきてしまいました。

これは、私が指摘してあげないと間違ってしまう・・・


よし!


「あのー、この電車は行きたい駅にはいかないと思うよ」
(ごめんね、話を勝手に聴いてしまって。
聴こえてきてしまったのよ・・・)

「え?」

中学生たち・・・「たち」といってもリーダー格の2人だけが
路線図を見上げて、ホームの表示を見て、確認しました。

「やべっ!!!降りろ!!!」

ひとりのそのセリフが合図となり、
みんな慌てて降りました。

「え?何?」
「違うんだって。これ〇〇駅行かないって!」
「お前も早く降りろ!」
「うわー、マジ!」

・・・

・・・

車内に静寂が広がりました。

うん、いいことをした。
彼らが間違った電車に乗らなくて、本当に良かった。


いいことをした・・・


私、いいことをしたよねーーーーー!!!



すみません、ついつい叫んでしまいました。苦笑



というのも、中学生男子は誰一人として
「ありがとうございます」って言葉を発しなかったのです。

・・・

・・・

いいのいいの。別に御礼を言ってほしくて教えてあげたわけではないの。
それは本当に。

でも、ありがとうございますって言葉があるかないかで
「教えてあげてよかった」「救ってあげられた」って気持ちは
何倍にもなるのも事実で。

でも、ほら、「やべっ!」「降りろ!」だけだったから。
まあ、いわゆる中学生男子だったわけだ。苦笑

まあ、そこまで心は行き届かないよね。いいのいいの。

でも、こういう時に「ありがとうございます(助かりました)」って
誰かひとりでも自然にひとこと御礼が言えていたらよかったなぁ。
そういう子たちに育ってほしいなぁって、ちょっぴり思ったのでした。

でも、とにかく間違った場所に行かなくて本当に良かったね。うん。

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