見出し画像

2024年5月~6月の活動報告

ミンダナオ子ども図書館スタッフの宮木梓です。

2024年、フィリピンの5月末は、小学校やハイスクールの卒業式シーズンでした。「あれ、昨年は確か、7月半ばに小学校とハイスクールの卒業式があったのでは…?」と不思議に思った方もおられると思います。フィリピンは、2020年にコロナ禍により、休校が半年ほど続き、例年であれば6月に始まっていた新年度が、10月から自宅学習という形で再開されました。その後、毎年、少しずつ学年末と新年度の始まりを元に戻しているため、昨年より、学年末と新年度の始まりが、1カ月ほど早くなっています。
コロナが流行するより前に、大学は新年度の始まりを、アメリカに近づけて以前の6月から8月に移したため、小学校やハイスクールも、休校を機会にして、新年度の開始を8月にする案もあったようです。ただ、フィリピンは今年の2月~5月がエルニーニョ現象による猛暑と干ばつで、マニラの学校は3月から4月にかけて休校になっていました。MCLで暮らす子どもたちの通う小学校やハイスクールも、4月に休校になった週がありました。4月の後半には、猛暑のため、小学校は午前中のみの短縮授業になりました。MCLで暮らしている奨学生たちの通う学校は、教室にクーラーがなかったり、小学校は2019年の震災で校舎が壊れて、吹き抜けの体育館の下で授業を受けている学年もあるためです。
フィリピンは、4月が一番暑く、「サマー(夏)」と呼ばれます。コロナ禍の前までは、一年で最も暑い4~5月が「サマーバケーション」でした。新年度の開始を、8月にする案もありましたが、現場の先生たちから、「4月を休みにしなければ、暑すぎて子どもたちが勉強できない」という要望があったそうで、あと2年ほどかけて、以前のように、6月の半ば頃の新年度開始に戻すようです。日本ですと、新年度の始まりは、幼稚園から大学まで4月と決まっていて変わったことがないので、「フィリピンはえらいフレキシブルやなぁ…」と思います。そんなわけで、毎年、いつが卒業式で、いつ新年度が始まるのかを現地のスタッフに聞いても、「まだ分からないわ~」と言われて、ちょっと困っています。

 MCLで暮らしている子どもたちの通うマノンゴル小学校は5月30日、マノンゴルハイスクール(中高一貫校)は5月31日が、卒業式でした。
フィリピンのハイスクールは、ジュニアハイスクール(グレード7~10:日本の中学1年生~高校1年生にあたる)で4年学んだ後、シニアハイスクール2年(グレード11~12:日本の高校2~3年生)を修了して卒業になります。そのため、グレード10の修了時に、ジュニアハイスクールの卒業式のような、シニアハイスクールへの「ムービング・アップ」という式があります。この、「ムービング・アップ」も、ハイスクールと同じ5月31日に、マノンゴル村の体育館で開催されました。私自身は一時帰国をしていて、式には参列できなかったのですが、スタッフさんから、とてもうれしそうな奨学生たちの写真を送ってもらいました。
今年度、MCLの奨学生で小学校を卒業したのは9名(うち、MCLで暮らしている子は2名:写真には、スタッフさんのお子さんや、MCLの近所に住む奨学生も含みます)でした。グレード10を修了したのは15名(うちMCLで暮らしている子は7名)、ハイスクールを卒業に至った奨学生は14人(うちMCLで暮らしている子は8名)でした。

小学校を卒業した、MCLで暮らす奨学生やスタッフの子どもたち

 また、大学の卒業式シーズンは、例年と同じ6月半ば~下旬でした。MCLから一番近い、南ミンダナオ大学キダパワン校では6月24日、多くのMCL奨学生が学んでいるマキララのMIST大学では、6月27日が卒業式でした。今年、晴れて大学卒業に至った奨学生は10名(うちMCLで暮らしている子は1名)。本当におめでとうございます!

マキララのMIST大学の卒業式

また、卒業に至るまでの長い間、支援を続けてくださった支援者の皆様にも、心からのお礼を申し上げます。卒業生の進路ですが、社会福祉科や教育学部を出た奨学生たちは、この秋ごろに国家試験を受けるために、試験の勉強を続ける子が多いです。もし、国家試験を受けない場合は、企業などに就職します。昨年の卒業生の中には、キダパワン市のトヨタの営業所に就職が決まった子がおり、昨年8月にMCLがハイラックスを購入した際に、対応してくれ、私たちもとてもうれしかったです。 


キダパワンのトヨタに就職した卒業生

2024年度も、前年度から引き続いて奨学生支援をして下さったり、新しく支援を始めて下さる支援者の皆様、また、自由寄付で活動を支えて下さる皆様に、重ねて感謝を申し上げます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?