20230116

 映画『すずめの戸締まり』の舞台の1つになっている御茶ノ水を訪れた人が撮った写真を見かけた。聖橋の上から撮られたもので、神田川の右手にはJR御茶ノ水駅が、左手には背の低い建物が川沿いに敷き詰められている。橋の手前には川を横断するように丸の内線の線路が走っていて、総武線、中央線の下を潜り抜けるように地下トンネルに繋がっている。見覚えのある風景だった。大学4年生の4月、就活の一環で御茶ノ水近辺のビルでwebテストを受験した際に同じ場所から同じように写真を撮った(スマホを機種変した直後だったのでよく覚えている)。川や線路、橋といった線が立体的に交差していて、その周りをビルが取り囲んでいる。川の左手にちょこんと並んでいる建物からはわずかではあるけど生活感も漂っている。社会とか暮らしを象ったような景色に当時惹かれたんだと思う。そのスポットを見つけることは難しくはない―――ネット上にもイメージが流通している―――けど、誰かが見出した風景と同じモノを自分も見ていると思うと少し親しみを覚える。村上春樹に影響されているのかもしれない。もうすぐ、一年かけて読んできた『1Q84』を読み終える。

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