20221030

 国道で右翼の街宣車が隣のレーンを並走していた。ちょうど通っていた高校がその国道沿いにあったので、当時、授業中に外から大音量の愛国系の歌が聞こえてきたことを思い出した。ただ、今回その車が流していたのはいきものがかりの『茜色の約束』で、どんな考えでJ-POPを流していたのかはわからないけど、いきものがかりも高校当時人気だったアーティストだったので二重にノスタルジックになった。国道をそのまま走って、兄夫婦の新居へ向かう。数日前に引っ越しの手伝いをしたばかりで、今日は掃除なんかを手伝った。新居は通っていた高校と同じ市内だけど駅からは少し離れて、自分の知らない穏やかな風景が広がっていた。清々しい秋晴れだった。ノスタルジーを感じる要素は含まれてなくて、まだ外構工事が済んでいない新築の家の周りにはこれから新生活を始める瑞々しい空気が流れていた。一段落して外でタバコを吸う兄。映画『横道世之介』の、彼女の妊娠がきっかけで大学を辞めて家庭を持った倉持が不意に世之介に感謝するシーンがなぜか頭を過ぎる。

 今年の5月に生まれた赤ちゃんに高島屋で買った冬用のベストをプレゼントしてあげた。

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