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【対談記事】2人のカズキが福井で描く夢とは〜街中スナックふくい&モテアマス代表トーク〜

福井県福井市片町に誕生した新たな地域のコミュニティスペース『街中スナックふくい』のプレオープン期間に、お店の運営代表藤本一希(以下かずき)と東京都世田谷区三軒茶屋にあるシェアハウス(三茶のインドとも呼ばれる)モテアマス三軒茶屋の代表を務める高野一樹(以下カズキタ)による対談が行われました。

この対談で2人は“コミュニティーの在り方”や、"今後の夢"を語り合いました。

高野一樹と藤本一希

どうせ飲むなら街中スナック行こう

カズキタ:じゃいきますか!

かずき:おねがいします。

カズキタ:実際どうですか?スナック始めるにあたり、何が一番大変ですか?

かずき:リアルなところでいうと、どれだけ「これでイケるっしょ!」って思っててもやっぱり足りないものがでてくるっていうのが終わらないですね。あとは「想い」みたいないところや、本当にやりたいことをどうやったらカッコつきすぎずにフレンドリーに伝わるのかなっていうのが難しいと思ってます。

カズキタ:フレンドリーって結構難しいんですよね。

かずき:当然このスナックも、普通に生活しているひとりひとりにはフレンドリーにありたいなという。なんかこう意識高そうとかキラキラして見えすぎないように。

カズキタ:一般的なスナックって逆に意識が高いっていうより敷居が高い。で、新しいビジネスとか起業家なんかがやってるのは意識が高いと思われがちだと思うので、ここは意識も高くなく敷居も高くないっていうのが伝わると良いっすよね。

かずき:「どうせ飲むなら」って思ってもらえるのが一番ベストで最高なんですよね。ゲストハウスとかもそうじゃないですか、福井来てどっかに泊まるときに、どうせ泊まるならっていうので選んでもらいたい。

カズキタ:いいっすね。

かずき:片町も飲み屋はいくらでもあるんですけど、「どうせ飲むなら街中スナック行くか。」って、それってどうやったら作れるんだろうって考えてますね。

カズキタ:結構モテアマス(三軒茶屋のシェアハウス)も、僕があっちこっちでつながった人で東京に遊びに来る人が、「どうせだからモテアアマス行こう」とかそういう感じで来ますね。

かずき:来る側の視点に立つと「せっかくなら行くか!」ってなるんでしょうね。来る側の「せっかくこの土地に来たし、一応行っておきたいよね。」みたいな感情ってどうやったら形成されるのかなっていうのは考えますね。

カズキタ:なんか、"よくわかんない"っていうのがうちの場合多いんですよ。「モテアマスって聞いたことあるけど、よくわかんないから行かないとわかんない」みたいな、そういうのが蔓延してるんですよ。
「モテアマスってなんとなく面白そう」っていう情報だけで、実際なんなのかわかんないから、とりあえず行かないとわかんなくて来るみたいな。「モテアマスいったほうがいいよ、理由はないけど。」みたいな。そういう感じで伝わるんで敷居が高いとかもないし、今どういう人がいるとかもない。情報だけがあるんで、「なにかがあるだろう」って感じで来るんですよ。鯖江もそんな感じだよね。

かずき:確かに鯖江っていう街自体が。

カズキタ:ちょうどさっきまで鯖江にいたんだけど、一体なにしに来たんだっけなーってふと考えて。で、鯖江の街角で休んでたら、急に昔モテアマスに住んでた住民が歩いてて。「え?もうこじゃん。」みたいな。そうかこれは、年に一度の同窓会なんだなって思った。街を歩いてたら知り合いに一年ぶりに再開できるんですよ。それが楽しいし生存確認できるし、ここにくれば久しぶりに会えるみたいなそういう感じでみんな来てるんじゃないかなって。街で同窓会みたいな雰囲気があって、それが楽しいんだろうなって。

かずき:なるほど。このスナックもそういうのがやりたいですね。特定の日をなになにの日って決めて、共通点のある人だけが来れる同窓会を年に1回やってくとか、いいですよね。

カズキタ:いいですね。

かずき:家(house)って本来はどれも同じで、寝室があって洗面所があってお風呂があってっていう機能的な部分はどれも同じだけど、それぞれの家(home)があるように、飲食店もそれとまったくそうだと思ってて。出すお酒もそんな変わんないじゃないですか。相場も決まってて、それでじゃあどこにいくかってときに、同窓会的な感覚で選ばれる地域とか店とかってすごく良いなって思いますね。

カズキタ:それ大事ですね。

かずき:鯖江に来るとかってコストかかるじゃないですか。時間的にも。

カズキタ:でも逆にそれが良いんすよね。気軽に行けない場所だから年に1回行きたいって思う。それが、横浜より鯖江のほうがわざわざ行かなきゃって思って1ヶ月前になんとなく意識し始めるんですよ、秋になると。なんかそろそろRENEW(鯖江市で開催されるイベント)の時期だなって。やっぱ鯖江行こってなるんですよね。ちゃんと行きます。

かずき:ちょっとめんどくさいの大事ですよね。

スナックに併設のシェアハウスも作りたい

かずき:あとは、ほんとはここシェアハウスも併設したいんですよ。隣じゃなくていいけど、スナックと連動し「ここで雑魚寝してっていいよ。」みたいな空きのテナントだけどっか借りたいとは思ってるんですよね。

カズキタ:いいっすね。

かずき:そうするともうちょっとなんか、来るのはめんどくさいですけど、まあ来てしまえば楽っていう状態がつくれるので。

カズキタ:ずっといれますもんね。ずっといれるって大事っすよね。森ハウス(鯖江市にある森一貴さんがはじめたシェアハウス)とか完全にそうで、行くの超めんどくさいんですよ。駅から7キロぐらい離れてるから、逆にずっといるんですよ。もう動きたくない逆に。

かずき:たしかにたしかに。帰るのもめんどくさいですもんね。笑

カズキタ:長期でいたくなる。明日帰ろうかな、まあでもどうせなら週末までいようとか。

かずきいつまでいてもいいって大事ですよね。

カズキタ:大事っすねそれは。モテアマスも、まあ何泊泊まって行っても良いみたいな感じなんで、結構ダラダラいる人もいるんすよね。いつ帰るのかなみたいな人もいて、そのまま住むのがうちは理想なんで。そのまま住ませたいんですけど。

かずき:ここもまあ深夜営業取ってないんで店自体は閉めなきゃいけないですけど、コミュニティとかコミュニケーションって別に店の時間が閉まるからっていって、そこで消えるものでもないんで。

カズキタ:たしかに。

かずき:そっからじゃあ、みんなでこたつでリビングで飲もうみたいな空間がもし近くにあったら理想だなって思いますね。

カズキタ:いきなりシェアハウスとか作るとまた大変なんで、間だけ借りて、一旦。

かずき:それいいですね。なんか、ある意味シェアハウスだと家でも同じようなことできちゃうわけじゃないですか。僕自身も東京と大阪にシェアハウスあるので、あえて"外飲み"みたいな空間って可能性として何があるのかなっていうのをぼちぼち考えてますね。

街中スナックふくいはスナックを再定義する

かずき:スナックって行きます?スナックってやっぱり若い世代ってそもそも馴染みがないですよね。

カズキタ:スナックってなんかお金いくらかかるのかわかんない感じがあるんで、基本的に。

かずき:だからまあ扉開けれないんですよね。しかも知らない土地で。

カズキタ:そもそもその文化とかルールがわからなさすぎるんですよ。システムもわかんないし、何時に行ったら良いのか、どんぐらいいたら良いのかもわかんないし、なにを頼めば良いのかもわかんないし。

かずき:たしかに、楽しみ方もわかんないですもんね。

カズキタ:何人で行ったら良いのかもわかんないし。

かずき:地域によっても違うんですよね。結局システムは居酒屋と一緒で、時間も制限ないですしサービス料もないですし、ただフードとドリンク出してるのでただの飲食店なんですよね。一方で、スナックにすごく思うのはコミュニケーションの量なんですよね。その場で加速するつながりとか繋がりの数とかっていうのは、やっぱりすごいなって思いますね。
それが、よくわかんないサービス料とかシステムとかママに飲ませるとか、常連しか行けない雰囲気みたいなのが邪魔していて、コミュニケーションが爆速で増えるみたいな良さが埋もれちゃってるので、それを再定義したいんですよね。

普通のスナックに見えて普通のスナックじゃない

カズキタ:そうですね。あとはさっきも話してましたけど、昼間開いてる分の家賃も払ってるから、そこで稼がないといけないじゃないですか。

かずき:そうですね。だから昼間なんでもいいから間借りで貸し出していろんなことやりたいですよね。「なんかあそこ色んなイベントやってて面白いよね。」っていう噂を広める。

カズキタ:やっぱなんか噂になるっていうのがめっちゃ大事なんだよね。なんでも。結局口コミのほうが強い気がしてて、きれいな広告なんかは増えてきちゃったからむしろ完璧じゃない方がいい。

かずき:ここのママもオープン準備してくれてるんですけど、間に合ってないものもあるんですよ。「これどうすんの?」みたいな。でもママたちは「お客さんと考えます!」みたいな。それもそれですごいなって思って、完璧じゃないこともすごく大事だなって感じますね。

カズキタ:完璧じゃないって結構大事なんですよね。なんか、ニューショーイン(世田谷区にあるモテアマスと同じオーナーのスナック)はここと同じ感じで居抜きで借りて、日替わり店長や週替り店長募集して5人集まって、5人でクラウドファウンディングでお金も集めて、その後ロゴ作りたいよねってなって5人の中でできる人が作ったりしてた。ほんとにみんなで作ってく感じで。システムとかもそこである程度話し合いながら決めたりとかしてました。

かずき:なるほどなるほど。

誰かがログを残すとコミュニティが混ざり合う

カズキタ:それこそ店長が違うので、日によってお客さんぜんぜん違うんですけど、「じゃぁ今度は水曜日のやつ行ってみようかな。」とか、まさにコミュニティが混ざってく感じでした。

かずき:ここのスナックも全くお互いがコミュニケーション取れない人同士の月イチママが15人います。ママたちは自分のイベントの時だけ集客やって1日だけイベント開催して終えるみたいな感覚なので、お客さんはそのママのイベントに1日参加してるだけなのでコミュニティ同士が混ざることは起きないんですよね。ただ、平日5日間は入るママがいて、このお店に来ればこの子はいるってわかってれば違うゲストだとしてもママは一緒なんで来やすいですよね。あとはママ同士が情報共有を徹底するってことでお客さんのログが引き継がれてるかどうかとか。

カズキタ:それでもめっちゃ大事っすよ。モテアマスも、ぼくはずっといるんですよね。住人はどんどん変わっていくんですけど、僕がとりあえずいるから、とりあえず遊びに行けるみたいな。

かずき:うんうん、ほか分からなくても。

カズキタ:僕はそれこそ来た人のログは残ってるので、この人はこういう人でって紹介もできるじゃないですか。だからそういうので輪に入りやすかったり、来る人もすごい来やすい。

かずき:そうなんですよね。

カズキタ:シェアハウス全員入れ替わってたら別に行かないじゃないですか。

かずき:まあぜんぜん違う家ですもんね。箱が変わってないだけで。だから他の曜日のことをママが知ってるってめちゃくちゃ大事ですよね。そんなコミュニティーがどんどん広がっていく場所をこれからこのスナックで作り上げていきたいです。

カズキタ:ですね!色々楽しみながらやっていきましょう。

対談グラレコ

おわりに

今回は街中スナックふくいでオーナーの藤本一希と、シェアハウス運営をしている高野一樹が両者の考えるコミュニティーの在り方や理想を語り合いました。

それぞれ、“人と人の繋がり“をとても大事にしていて、オンラインが主流になった今の社会に、あえて人がリアルに繋がれる場所や機会を色々なカタチで作ろうとしています。

店舗、住居、イベント、地域、旅先など実際に行くから会える人や、そこから新たな人生が拓けたりします。

ぜひ皆さんも一度街中スナックふくいやモテアマス三軒茶屋に来て、未だ見ぬ誰かと出会ってみませんか?

【店舗情報】
新しい地域貢献型の"新しい飲食店"のカタチと街づくりのための居場所作り名称:『街中スナックふくい』
住所:福井県福井市順化1丁目24-17 玉村ビル2階
運営:Regie合同会社
facebookhttps://www.facebook.com/街中スナックふくい-103980975565514
instagram:@machinaka_snack_fukui

三軒茶屋のインド。全ての多様性を受け入れ、混ざり合い、混沌の中に秩序がある場所
名称:『モテアマス三軒茶屋』
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1丁目27番27号モテアマス三軒茶屋
運営:株式会社R65+合同会社モテアソブ三軒茶

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