平成仮面ライダー完走感想

私が見た順にネタバレ少なめ感想と、おすすめポイントをだらだら書いたやつです。

◆平成ジェネレーションFINAL(冬映画・2017年)
テレビ本編だけのつもりでしたが、これが私の原点なのでここに記す――。
HiGH&LOWが好きな人は観て!みたいな言説に影響されて見に行った気がします。炎をバックに一直線に並ぶ仮面ライダー、爆発で吹っ飛ぶ車、通常フォームも最終フォームもかっこいい先輩ライダーたち(このときゴーストのムゲン魂を見てガワに惚れる)……。
なんと言ってもオーズパート。何かの再演なことがひしひし伝わりつつも映画内できれいに完結する熱い男と男の執着……。
――ここから仮面ライダーマラソンが始まったのである!

◆仮面ライダーオーズ(2010〜2011年)
利己的で強欲な人外・アンクとすべての人間を救いたい清貧で傲慢な人間・火野映司が協力関係から信頼関係になるところが見どころ。愛でも友情でもないし相棒とも言いづらい関係で、これはきっと信頼関係だと思う。アンクが昔の男を引きずってるのでそこがちょっと面白いです。
火野映司はやばい沼ですよ。Fateの衛宮士郎が好きな人間は漏れなく落ちてる印象がある。「都合のいい神様」というワード、引っ掛かったら絶対観て。喜べ少年、君の望みは――望みってなんですっけ……火野映司の望み……ぐぇ……(死亡)。
2号組の仮面ライダーになりたい成長要素ビシバシの青年・後藤ちゃんと、仮面ライダーになれる肉体的にも精神的にも強くて人格が安定した兄貴・伊達さんも良いです。後藤ちゃん、微妙にタガが外れていてやばかわいい。アンクもやばいって言ってた。伊達さんはかっこよすぎるし、脚が長くてムキムキだし、お金にやや汚いけど人格が安定しすぎてて困る。甘いの食べられない系おでん男性。ラスボスと伊達さんの関係もいいよ。
自分を守る力のあるヒロイン(物理)やちょっと変で優しいお姉さん、女性秘書(強い)(クール)(定時帰宅)などそれぞれ別方面で強くて魅力的な女性キャラが多い。あんまりヒロインが守られるの好きじゃない……という人には超オススメしたい!女キャラみんなかっこいいです!
敵怪人も敵だし強欲だし悪なんだけど、誰一人として憎みきれない匙加減がすごい。敵幹部のキャラに思い入れが激しいの、現時点だとオーズが一番、というくらい。おねしょた疑似庇護愛関係から始まる幹部怪人2人の関係がぐっと来ます。ほとんどのキャラに関係性がある中、怪人仲間とすら関係性がほとんど生まれなかったとある幹部怪人、愛おしい……。ウヴァさんはもっとザ・悪の欲望代表としてがんばってほしい、好きです。
おすすめの回は正義のバッタ回、キタムランド回、幸福の王子回、そして最終回周辺。最終回はじゃばじゃば泣いちゃうこと請け合い!
パンダヤミー(ゲスト怪人)が幼児性の集合体というキャラ造形ですごい!オーズのモブ怪人で一番好き。パンダヤミーが生み出された経緯含めてめちゃくちゃ好き。この怪人が発する音……切ないくらい胸を締め付ける。
タイトルの3要素構成や、所持メダル確認画面、アイテム争奪戦なんかも面白い要素だと思っている。
欲望というややこしくて人間くさいテーマを怪人と主人公に与えてそれを回収する手腕がすごいです。最終回を見たら1話に戻って、そのテーマ性を噛み締めてほしい。
私は大人になって初めて観た仮面ライダーがオーズでよかった!と思っています。オーズ観ていなかったらここまでハマっていなかったかもしれないくらい、特異点的な作品。オーズありがとう……!

◆仮面ライダーフォーゼ(2011〜2012年)
友情に厚いイケメンリーゼント福士蒼汰さんと変な中華拳法みたいな奇声をあげるイケメン吉沢亮さんが共演していて、更にイケメン冨森ジャスティンさんやイケメン校長もいるという……スルスル飲めるイケメンパラダイス……!
学園ヒエラルキー(チアとアメフト部が強いアメリカ式!)が存在する天ノ川学園高校にオールドツッパリ如月弦太郎(仮面ライダーフォーゼ)が転校してきて、学園の雰囲気が変化していくという友情学園コメディです。
基本的にコメディ系なのであんまり引っかかりなくさらーっと観ていたのですが、最終回あたりでどぼどぼ泣きました。爽やか腹黒イケメン・朔田流星(仮面ライダーメテオ)とオカルト系変人・野座間ちゃんの親しくなっていくとこが甘酸っぱくて、何度ももんどりを打ちましたね。
推しエピソードは主人公・如月弦太郎が毒にやられて死にかける「毒・針・猛・襲」。兎にも角にも毒に倒れる主人公の色気(個人の趣味です)と解毒に奔走する仮面ライダー部の面々が好きです。
友情という普遍的テーマゆえ、とりあえずまあほら友情っていいな〜みたいな雑さもあるのですがスルッと楽しめる作品だと思いました。学園ヒエラルキーをもっと深掘りしてほしかったんですが、子供番組でそんなエグいことはできないしね。学園ヒエラルキー「筋肉」(なんだそのヒエラルキーは)のモブキャラを演ずる一ノ瀬ワタルさんがかわいいです。わりと背景によくいらっしゃるから探そう!
仮面ライダーオマージュ作品らしいのでいろいろな過去ライダーを完走したあとに見るとまた印象が違うかもしれないと思いました。
観た理由は平成ジェネレーションFINALにどハマリして劇場に何度も通ったら、入場プレゼントポストカードで異様にフォーゼに好かれたから。友情の縁はこの時に始まっていた――!

◆仮面ライダー鎧武(2013〜2014年)
脚本:虚淵玄ですよ!虚淵玄!Fate/zeroでFate入りした身としては避けては通れないフック。
コンセプトは仮面ライダー龍騎のオマージュらしく(龍騎ほどはアイツもアイツもアイツも死にはしませんが)、怪人とのバトルよりはライダー同士のバトルがメイン。メタ的な要素も感じられる卑怯な攻撃すら使い、ライダー同士が殴り合ってる。すごい世界に来てしまったぜ……。
親しみやすい兄ちゃん的な衣装の葛葉紘汰(仮面ライダー鎧武)、自己規律を感じさせる軍服めいた衣装を毎日着ている(洗い替えがあるのか?)の駆紋戒斗(仮面ライダーバロン)、年相応の衣装に始まり、立ち位置が激変するごとに衣装もくるくる変わっていく呉島光実(ミッチ・仮面ライダー龍玄)、大人をやっていてスーツをキメている呉島貴虎(光実の兄・仮面ライダー斬月)――といった主人公たちの衣装の使い方が印象深いです。
冒頭のビートライダーズ編はダレるかもしれませんが、最終回に向けて盛り上がっていく中盤以降とても面白いです。頼れる兄貴分・凰蓮・ピエール・アルフォンゾ(すごい名前ですがキャラがその上を行っていてすごい)、マッドサイエンティスト・戦極凌馬などもキャラが濃く、ストーリーに花を添えてくれます。添える花が私の趣味に過ぎるという説はある。
強い女キャラが好き?じゃあ中盤以降を楽しみにしてほしい。生身でも格闘ができる戦極の秘書・湊耀子(演者:佃井皆美さん)が変身する仮面ライダーマリカ、なんとスーツアクターも湊耀子役の佃井皆美さん!メタ的にも強い女なんです!信念のある強い女で……あの……最終回周辺楽しみにしてて……。
35話「ミッチの方舟」がめちゃくちゃ好きなんですよね……。地獄が深い……。まだ幼さの残る少年が敬愛する人間を病原菌と罵る地獄……。好きです(しみじみ)。
最終回での主人公・葛葉紘汰とライバル・駆紋戒斗のラストバトルは最高と言う他ない。こんな仮面ライダーがあるんだ……!とびっくりしました。
キャラソンが各キャラそれぞれの性格が出ていてすごく良いのでぜひ聞いてほしいです。オススメは呉島光実(ミッチ)のPoint Of No Return。不安定な成長期の声で不安定な歌を歌っていて……苦しい……。葛葉紘汰と駆紋戒斗のデュエット曲・乱舞エスカレーションも最高です、最終回周辺を見ればわかるよ。乱舞がエスカレーションする。

◆仮面ライダーエグゼイド(2016〜2017年)
ここでTTFCに入会してしまい、深い沼にはまり込んだ気がする。全てはエグゼイドを視聴するためだった――。
みんな医者をやっている!私の視聴仮面ライダー歴史がフリーター(必要最低限以上に働かない)→高校生(働かなくていいよ!)→フリーター(働こうとするがわりと失敗する)だったのでびっくり。医者として仮面ライダーに変身し、患者を治すという、仮面ライダーが仕事に組み込まれているところが特徴的だなと思いました。
探偵になりきれなかった探偵、九条貴利矢(仮面ライダーレーザー/レーザーターボ)が推しです。4号ライダーにして登場時はバイクでしかないという末席側にしては扱いが破格な気がする。監察医という、職業自体も「起こってしまったことを解き明かし、次に繋げる」存在なのが良い。概念探偵。
日曜朝ですし、彼が監察医として解剖をしているシーンはないのが残念ですが……。格好のせいもあり「職業:遊び人」に見えるときがある。その代わりパソコンでお仕事をしている!
九条貴利矢と神を自称し暴走する天才ゲーム開発者にして社長の檀黎斗の関係がめちゃくちゃ好きです。私(檀黎斗)が君を、自分(九条貴利矢)がお前を何度も何度も倒す(≒殺す)関係性です。非常にドライです。二人の間に確執はあるのにドライ、とても良い。
主人公・宝生永夢(仮面ライダーエグゼイド)の二面的な性格とたまに見せる冷淡な態度、子供めいたパラド(平成ジェネレーションFINALでは一途すぎてかわいい)、敵ながら天晴の最先端を行くグラファイト、仮面ライダーに変身してもキュートオブキュートなポッピーピポパポ、声が諏訪部の薔薇背負いおじさん、ハンバーガー怪人(いいやつ)と開発者(めちゃくちゃいい人)などフックがいっぱいある……。
鏡飛彩先生(仮面ライダーブレイブ)と花家大河先生(仮面ライダースナイプ)は面倒くさい感情やり取りをしているよ……。どろどろ要素はここが発生源な気がするよ……。西馬ニコちゃんとワチャワチャしているときの花家大河はかわいいです。
仮面ライダーを仕事でやっているのでモチベーション安定性がある。視聴していてなぜここまで市民のために命を張るの!?みたいな気持ちに陥りにくい。頭がべらぼうにいい人間集団だし、大人なのでわりと地獄人間関係になりにくいんじゃないんですかね。ホウ・レン・ソウはもっとやったほうがいいと思いますが。
最終決戦で出てきた解決策がアツい。まさかそれが活躍するとは思わなかった……!背負い投げを決められた気分になるのでドM快感絶頂クラスタにおすすめ。

◆仮面ライダーW(2009〜2010年)
二人で一人の仮面ライダー!相棒!ハードボイルド!探偵!謎解き!!!
――好きです、要素がまず好き。
日本のどこかにあるかもしれない、大きな風車がランドマークの街・風都が舞台というのも良いです。なんか殺人が起こるべくして建てられたような館――みたいな感じがしませんか?
「風都」を演出するため街のシーンでは風車や風車、風力発電機っぽいやつなどが細かく映り込んでいるのが、架空を現実にする趣きがある。ニチアサを見ていると作品間でロケ地の使いまわしが頻繁にあると分かってくるのですが、風都は風都に見えるよう、毎回工夫されている!好き!風都くんというマスコットキャラクターまでいるんですよ!
風都では園崎家こと敵組織・ミュージアムが、人間を超越するパワーを与えるアイテム・ガイアメモリ(USBメモリのデカイやつ)を地下で精製しては密売しているという設定――普通に違法薬物の暗喩ですよね。実際、学生の間に出回るガイアメモリ、ガイアメモリ回し打ちなどのエグい話まで出てきます。ガイアメモリ、肉体(腕とか)に刺すからイケないお注射にしか見えないしね。
ガイアメモリごとに能力が違うんですけど、能力が使いづらいイエスタデイメモリを使用するドーパント(怪人)についてのハウダニット謎解きがめちゃくちゃ面白いです。謎解きが毎回(正確には2話毎)あるの、とても嬉しいですね。
主人公は左翔太郎とフィリップ(二人で一つの仮面ライダーW)。左翔太郎は人好きする彼の人脈を活かし足で捜査する自称ハードボイルド(ハーフボイルドという説もある)の探偵。フィリップは魔少年(公式名称)にして変人の安楽椅子探偵。妙な名前の由来はハードボイルド名探偵(私は未読です……)からで、蘭姉ちゃんに名前を問い詰められた1話の江戸川コナンネタかな!?とちょっと思う。
誰がガイアメモリで超人化した怪人・ドーパントであるかという謎を解くためには、地球上のデータが集積した検索サイト・地球の本棚で検索を行い、推理する必要がある。地球の本棚で検索を行えるのはフィリップのみ。だが、検索を行うためには正しい検索ワードで絞り込みをしなければならない。そして検索ワードを入力するのは左翔太郎なのだ。最高の協力プレイじゃないですかこんなの。
やはりミスクラの一端としては探偵と助手はテッパンで好きですが、「完璧じゃない探偵×完璧じゃない探偵=最高の探偵」とか……!ありがとうございます。ちょっとだけ青崎先生のノッキンオン・ロックドドアを思いだす。
「推しがすぐ死ぬ!」というそこのあなた。おすすめの仮面ライダーがいます。窮地に陥っても不死身(別に肉体改造されてるわけではないはずなのだが、とにかく死なない)(22話のサブタイトルも「死なない男」)の2号ライダー・仮面ライダーアクセルこと、照井竜。まじで死なない。びっくりしちゃうくらい死なない。そして仮面ライダーV3としか思えない要素が散らばっている。タイフーンは付いてないし回らないけど、ここもたぶん風都要素ネタでしょ。決め台詞がいちいちかっこいいですが「絶望がお前のゴールだ」が一番好き。
鳴海探偵事務所+照井竜+ベイカーストリートイレギュラーズ風味の左翔太郎協力者たちでワイワイパーティーしているのがとても好きです。鳴海探偵事務所の所長こと鳴海亜樹子がかわいいし、たこ焼きをゴリ押ししてきてかわいい。たぶん551をおやつに食べてて、関西電気保安協会をちゃんと発音できないタイプの人(※妄想です)。
謎解き要素がある探偵譚なうえ、旧家における「家族」の話が中心にあったりとミステリパワーが高い。
とにかく私は犯罪者集積ミステリ専用街「風都」が好きでたまらないので、とある風都を愛した男に感謝を捧げたい。風都に住みたくはないが。いい風が吹くいい街ですよ、ほんとうに。

◆仮面ライダーディケイド(2009年)
初の平成一期。少女時代にクウガ・アギト・龍騎と電王を少々観てたんですがほとんど記憶がないので初平成一期でほぼ間違いはない。
仮面ライダーディケイドこと門矢士が自分の世界を探して9つの平成一期仮面ライダー世界とかシンケンジャーの世界とか他の世界を旅するロードムービー。毎回、たどり着いた世界に即したコスプレを傲岸不遜器用足長お化けがこなす姿がめちゃくちゃ楽しい。
突然の謝罪ですが、基本的に内容全然覚えてないんですよね。記憶が雑……。シンケンジャーの世界の回が強烈だったのでシンケンジャーコラボ回だけくっきり覚えてる。あんなオレ様キャラでも志葉家の黒子にさせられるとは……。
平成一期を全然履修せず飛び込んだのも原因な気はします。仮面ライダー剣と仮面ライダーキバくらいはマラソンしてから飛び込んだほうがよかったのかもしれない。
でも、キャラとキャラのやり取りが十分に面白くってそれだけで十分はぴはぴでしたね。感情激重2号ライダー・海東大樹、君のことだよ!あと鳴滝おじさん、あなたのことだよ!
ヒロインの夏みかんこと光夏海ちゃんが敬語キャラで、人のために怒ってくれるいい子で素敵なんですよ。傍若無人な門矢士を制することができるプロ、すごい。
仮面ライダーディケイド作品内の仮面ライダークウガである小野寺ユウスケがめちゃくちゃいいやつで、扱いは不遇みがあるんですけどもいいやつで……好き……。
キバーラお姉さん(セクシー)と夏海のおじいちゃんとのいちゃいちゃもかわいいです。沢城みゆきさんの声だもんな!
メタメタい作品なので、一番面白いのはネットムービーな説が個人的にはあります。分解されると面白さが跳ね上がる、おのれディケイド!

◆仮面ライダー龍騎(2002年)
少々時代に観て仮面ライダーナイト・秋山蓮にどハマリしたやつだ!私はついに出戻ってきたぞ!――と言っても仮面ライダーナイトがかっこよかったことしか覚えていないのであった。
13人の仮面ライダーによるサバイバルデスバトルというこの世の不条理煮込みましたみたいな設定。主人公らはそれぞれカードデッキを持ち、鏡の世界に住むミラーモンスターと契約して仮面ライダーになる。13人のライダーバトルを制すると、自分の望みを叶えることができるため、だいたいの仮面ライダーたちは自己の望みや欲望のため戦い続けている。
ミラーモンスターの餌は人間か他のミラーモンスターなので、人間に被害を出したくなければ野良ミラーモンスターを成敗し続けなければならない。更に、ライダーデッキを壊されたりして契約者の資格を失ったら、契約していたミラーモンスターに捕食されてしまう。
……エグいわ!
戦いたくても戦いたくなくても、戦わなければ生き残れない!そんな世界の仮面ライダーのお話です!
インターネットニュースサイトの記者で主人公・城戸真司は事件の調査中に仮面ライダーになってしまう。城戸真司がわたわたしていると、お助けキャラか?という勢いで仮面ライダーナイト・秋山蓮(職業不明)がルール指南をしてくれる。優しい。
仮面ライダー同士の男男関係性が胃もたれできるくらい豊富。
殺し合うことが決まっている仲なのに同じ屋根の下で同居する城戸真司と秋山蓮〜〜〜!!貸した金(暴利をむさぼる)で城戸真司を縛る秋山蓮〜〜!!
天才弁護士・北岡秀一といくら天才弁護士でも救えなさそうな罪状を無罪にしてくれなかったからと恨む浅倉威〜〜!!浅倉威のこと、凶悪な達磨一家って呼んでる。
北岡秀一に恩義を感じて滅私奉公し続けるゴロちゃん〜〜!!
かつての友人のために、自分が変身し戦いを止めるという激重感情占い師・手塚海之〜〜!!探偵役としても最高だよ!!
激ヤバ感情組、香川先生←東條悟⇆佐野満〜〜!!東條悟……英雄になりたかった男……。
そして究極の妹想い(婉曲表現)の神崎士郎!!男男感情関係ねえ!!一番やばいのは本当!!
他にも感情ラインがしっちゃかめっちゃかに引かれていて、その中で殺し合いをしたり協力したり一緒に仲良くカレー食べたりしたりする。消化できない。人間の感情でお腹いっぱいになる。
大人の事情で中盤は仲良しこよしをしていて、そこがかわいいので更に終盤苦しくなるという……。
お前の推しもお前の推しもお前の推しもお前の推しもみーんな死ぬんや!!ライダーバトルだからね!!推しが死ぬ人は安心できるよ、たいてい推しが死ぬから。
私は死に様だと北岡秀一が好きです。生き様は香川先生と手塚海之と城戸真司が好きです。秋山蓮、ガワ含めかっこいいから一番好きです。

◆仮面ライダーカブト(2006年)
無謬でめちゃくちゃ顔が良くて料理が上手な和製メルカトル鮎みたいで「天の道を往き、総てを司る男」である天道総司(主人公)がひたすらにかっこいい。無謬の天才だけど努力家。料理がうまいのだって、修行の成果なわけでただ単に天才というだけではないのだ、たぶん。
おばあちゃんっ子・天道の「おばあちゃんは言っていた……」から始まるありがたい語録による解決シーン(解決シーン?)は、「名探偵、皆を集めてさてと言い」が好きな人は好きだと思う。
あまりに水嶋ヒロさんの顔が良すぎて、「顔ファン(笑)」とか言われても否定できない……。正直なところ、この造形美は作品の魅力的な点の一つだと思える。美しい顔で荒唐無稽な料理ギャグパートをサラッとこなす、そういう危ういバランスが成り立っている気がする。
仮面ライダーカブトのガワデザインがカッコいいし、決め技のカウンターキックが更にカッコいい。1話から変身した系主人公なのに、戦闘に無駄が無い(たぶんコソ練をしていたんだと思っている)。ひたすらにアクションシーンが美しいのだ。
主人公のキャラの濃さに圧倒されるが、僕っ子で料理が上手で無愛想で普段はボーイッシュな格好をしているのにデート的な時にかわいい格好で来てくれるヒロイン・ひより(好きなのでめちゃくちゃ語ってしまう)、口説きの決め台詞に毎回失敗する軟派なメイクアップアーティスト・風間大介(仮面ライダードレイク)と記憶喪失の少女・ゴンの黄金コンビ(二人の年齢も性別も関係ない相棒っぷりといったら!)、金銭感覚が壊滅的だけどじいやのため奮闘するおぼっちゃま・神代剣(仮面ライダーサソード、神に代わって剣を振るう男)と彼を愛し庇護するじいやの主従(私は盲従するじいやの優しさと哀愁が大好きです)、仮面ライダーザビーの資格者・矢車想と影山舜のこじれゆく関係性(私の大好物ですがネタバレ要素が強い)……。
……ちょっと待って!!!キャラ濃すぎ!!!2号ライダーの加賀美新(仮面ライダーガタック)のキャラが薄まっちゃうだろ!!!加賀美新は凡人で、でも強い男です。他のライダーの性格がぶっ飛んでいる中、まとも。無謬ゆえ孤高の天道が、凡夫の加賀美を認めていくところがアツいです。
敵の怪人・ワームの能力「擬態」は殺した人間の記憶と姿形をそっくりそのまま真似し、人間の中に紛れる能力。人間の定義とは何か?を揺さぶるものとなっています。そんな中で無謬の天道が出す結論とは……!
カブトの最終フォームで使う専用武器の剣は虫取り棒とかインターネットでは呼ばれてるのですが、その名に恥じない実に傲慢な機能を有していて……ぜひその目で見てほしい。あまりに傲慢で孤高で無謬な剣を。
あと、黒包丁回を見て……。何度も語ってるのですが、「闇キッチンルール」のもと運営される地下料理対決から始まり、雑巾を調理する修行を完遂できず死んでいった者たちの墓場を尻目に雑巾を調理する天道の修行パートが荒唐無稽に面白すぎる。正気の沙汰ではない。この回だけでも見て。

◆仮面ライダー555
地獄感情群像劇。
ベルトが物理的に存在し、アタッシュケースにきちんと収められ、ライダー資格者たちはバイクや車でベルトを運搬している世界。コートやジャケットの亜空間からベルトが出てきたり、ベルトが自動で伸びて腰に巻き付いたりしない。珍しい!と思った。
仮面ライダーとしてベルトとギアが用意されているのはファイズ、カイザ、デルタ。ライダー資格者がある人間は、この3種のライダーのどれにも理論的には変身できる。資格者自体が10人くらいはいるので、ベルト争奪戦の様を呈してくる。
ほぼ変身者固定となるラスト周辺もいいですが、ベルト争奪戦パートの中盤が好きです。各ライダーに変身する中身がポンポン変わるのが面白くて面白くて。
ネタバレが多すぎて迂闊にこのキャラのここが〜みたいなのが言いづらいことに今気が付きました。
主人公は乾巧だが、裏主人公は木場勇治。木場勇治と海堂直也と長田結花のトリオで楽しい生活(楽しい?)しているのが好きで好きで……。仮面ライダー4号(dtvで視聴可能)の海堂直也がとても好き。海堂のおかげで重いストーリーが助かってる面はあるので。
乾巧、中盤以降急に彼の物語が進むんですけどネタバレの塊をするので、乾巧はいいぞ!と言っておきます。
草加雅人、とてもやばいけど人間らしくていい。三原くんと一緒に人間らしさ二大巨頭をしてるイメージがある。嫉妬・奸計・怒りなどが似合いすぎるんですよね……。
主人公・乾巧と裏主人公・木場勇治の友情に至る関係が良いです。友情以上に変わっていきますけど。胸が苦しい友情、最高。
女性も特別に変身するんじゃなくわりとポンポンベルトを使って変身します。諸事情でなくなったらしいですが、デルタの基本変身者が女の子(めちゃくちゃ強い)だった世界も見てみたかったですね。
演出道具としての蚊帳が「嗤う伊右衛門(京極夏彦)」から好きですがラストの演出……好き……!!!

◆仮面ライダービルド(2017〜2018年)
お前が俺を創り、お前が俺を創る、ベストマッチという相補関係を打ち立てた人間関係性オタクが大号泣するやつ。
初の仮面ライダーリアタイです。(と言っても20話くらいまではTTFCパワー利用でリアタイではないのですが)
変身グッズもベルトも多種多様で、特に毎回フォームが違う初期はわくわくしました。推しベストマッチフォームはライオンクリーナーとスマホウルフ、面白いから。
謎の壁・スカイウォールの出現により、日本が東都、北都、西都の3国に別れて政治的に睨み合っている世界という、これまでの仮面ライダーの世界とは別次元の世界のお話です。壁の影響で植生まで変わってしまっている。
それぞれの首都の仮面ライダーが兵器としてお国のために戦うという設定、ガバガバなんだか強烈なんだかわからない……。公的に認められ、市民にも認知された兵器としての仮面ライダーという視点はあんまりなかったように思うので珍しいです(クウガを見たらまた別のこと言い始めるかもしれない)。市民から非難されたり、勝手に期待されたり、それでも仮面ライダーであろうとする桐生戦兎……めちゃくちゃいい……。
やたらと主人公たちが雨に打たれていることが多い気がします。映画でもやたら雨が振ります。イケメンが傘もささず雨に濡れているのが好きな人(局地的)にはおすすめしたい!やたらと雨に振られる!たぶん東都は京都の盆地みたいな感じなんでしょうね。
主人公で天ッ才物理学者の桐生戦兎(仮面ライダービルド)と相棒こと万丈龍我(仮面ライダークローズ)のベストマッチ概念がやばい!最終回まで見て、「劇場版仮面ライダービルド Be the One」を見て。
サブライダーたちは主人公29歳より年上なので、ライダー平均年齢高いんですよね。【訂正:主人公29歳は間違いで26歳でした。2018.3.16】
仮面ライダーグリス(猿渡一海)はかっこいいぞ!金で解決するドルオタムーブが妙にリアルで困る。47話「ゼロ度の炎」では、グリスのかっこよさが頂点を極めてきてやばい。
そして渋いに足を踏み入れかけたお兄さんこと、氷室幻徳。Tシャツ芸が面白すぎて好き。自分でシルクスクリーン手作りしてるんだろうかと考えたら楽しくなってしまう。メットオフめちゃくちゃかっこいいです。
推しエピソードは前述の46〜47話と、28話の「天才がタンクでやってくる」。まずサブタイトルが好き。そしてストーリーが好き。私は計略を巡らせる頭のいいライダーが好きなんですよ。天ッ才の波動を感じた。
セクシー悪役おじさんの声(cv.金尾哲夫さん)がやばい!しかもフォームがすべてかっこいい!何フォームもあるの優遇が過ぎませんか?悪役おじさんの最終フォーム、めちゃくちゃかっこいいです。白系シンプルかっこいいフォームに弱いので。
仮面ライダービルドとクローズの変身シーンのプラモっぽい効果演出、毎回見ていてわくわくします。
桐生戦兎と万丈龍我が相補補完的に相棒をしているんですが、DNA二重らせん構造っぽいキック(劇場版Be the One)、遺伝子といったワードや、ビルドおよびクローズがベストマッチ対の2つの要素から成る仮面ライダー×2人=4要素ということからも、DNAがちょっとだけモチーフっぽいなと勝手に思っています。AとTがベストマッチ、GとCがベストマッチでこれらのベストマッチが繋がってDNAを形づくる……的な。(※妄想です)
最終回のエンド、ハッピーエンドかつメリーバッドエンドという趣でしんどいオタクはハッピーになれます。おすすめです。

◆仮面ライダーゴースト(2015〜2016年)
ファイズで辛くなって逃げ込んだ避暑地。平成ジェネレーションFINALで見た最強フォーム・ムゲン魂がかっこよくて脳裏に焼き付いたのもある。
1話で死んだ寺男のT・Tさん(この後仮面ライダージオウで「ハアッ」が使えることも判明する、さすが寺男)こと主人公・天空寺タケルが過去の英雄と繋がり、想いを未来に繋げていく話。死がテーマかと思っていたらそうでもなかった、「どう生きるか」のほうが多かった。此岸の世界とまた別の世界を行き来し、二つの世界を救うのでとにかく規模がでかい。
仮面ライダーにはシスコンが多い気はするのだが、2号ライダーの仮面ライダースペクター・深海マコト兄ちゃんのシスコンっぷりはほんとすごいよ……。仮面ライダースペクターの外伝Vシネ含めて深海マコトというところはあるので、本編だと頼れる兄ちゃんで終わってしまった感がありもったいなかった。鎖がんじがらめ形態に変身するフーディー二眼魂(変身アイテム)に選ばれたのもここらへんに繋がるのではと疑っています。Vシネオススメです、アマプラにあるよ(2019年1月現在)。
主人公の人格が18歳にして安定しているので主人公成長エモーショナルが得られにくいのだけど、その代わりにあちらの世界出身の3号ライダー・アラン(仮面ライダーネクロム)が成長しまくる。地獄友情ごっこなどの凶行に走るものの、30話あたりで主人公と化す。アランが人と繋がり、新たに獲得した信念の元、チャーラーチャーラーチャーラーチャーラー↑という耳に残る専用BGMと愛された証のおニューの服、そして愛する食べ物ともに戦いを始めるシーンが最高にシリアスギャグスタイリッシュエモーショナル。決め台詞「心の叫びを聞け!」をばらまかず、重要なポイントで使っている印象もあり、いいキャラをしている。
前半はゲストお悩み相談&英雄アイコン争奪戦、中盤はゲストお悩み相談&英雄と信頼を深めるパートと順調に進んでいたのですが、後半に来て激重裏設定を完全消化できず、また英雄との繋がりというコンセプトがややブレるという事態になっている気がするんですが……。
まあそれはそうと後半パートはムゲン魂がカッコいいです。半透明ラメ入り白色最終フォームめちゃくちゃカッコいい。
ヒロイン・月村アカリはその名の通り叡智の光で混沌の闇夜を照らす女です。変身システムを創ったりしたわけではないのですが、持ち前の科学知識を応用し、変身アイテムを解析し、工夫して戦おうとするところめちゃくちゃ好き。彼女に徐々に影響され変化する御成や、敵幹部の一人・イゴールとの関係も面白いです。ていうか外伝小説のタケルがFateルートに入っちゃったんですけど、月村アカリをUBWルートで救済してほしいな〜!
小説版といえば、真実を知るとテレビ版のフミ婆の行動が胸にぶっ刺さるのでヤバイ。アラン英雄伝(円盤特典)見たくなる……見てない……。
御成、平成ジェネレーションFINALの時からすげーキャラ造形だなと思ったけどテレビ版でもコメディリリーフとして、精神的支柱として(?)東奔西走してていいキャラでした……。頭の形がいいんですよ、坊主は頭の形が綺麗でなんぼや!
諸手を上げてめちゃくちゃオススメ!と言い難い雑さが見え隠れするのですが、機会があったら見てほしい!という矛盾した感情を抱いています。面白いのは面白いです!Vシネと小説版含めて完成する系の面白さ……。

◆仮面ライダー電王(2007〜2008年)
たしか当時イケメンブームがあり、電王が学校で流行っていたんで、部活がない日だけたまに見てたんですけどデネブと桜井侑斗が好きでした。見直したらやっぱりデネブと桜井侑斗が好きでした。
まずイマジンズがかわいすぎますね。モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、ジークにデネブ。それぞれ願いや仁義があるけど、それに引っ張られて暴れるようなことがほぼなく(リュウタ除く)、安定感があってずっと見ていられます。声が声優さんなのもあり、キャラが声だけで伝わるし、やっぱり本職さんすごいなってなる。声優さんパワーに引っ張られてCD BOX買いました。
イマジンズはみんな誰が偉いとか言い合ってるわりに、誰が偉いわけでもなくて、でも"子供"のリュウタロスは子供としてちゃんと扱われている最終回あたりに泣きました。
主人公の野上良太郎(仮面ライダー電王)、ヘタレだけど怒ると怖い。仮面ライダーたちの例に漏れず、両親を喪ってるんですが、愛を与えられて育ったんだな……ってなります。服装チェンジ&声優さんブーストがあることを差し引いても、佐藤健さんの演技が上手い……。
私は桜井侑斗(仮面ライダーゼロノス)が好きなんですね。未来と現在の自分を擦り減らして、戦い続ける男……。よくよく考えると死ぬほど辛い自己犠牲なんですが、デネブがいるのでなぜかちょっとだけ安心しちゃうんですよね。衛宮士郎に遠坂凛がついてたら安心的な。序盤で"まだ"大きな動機がないはずの桜井侑斗が未来をジャンジャン消費していたころはちょっとドン引いたりもしましたが、うまいこと脚本が丸まっていくなと思いました。
私はデネブがね、好きなんですね。大好きですね。滑っても滑稽でもまっすぐ進む悲哀みたいなのが好きで好きで。桜井侑斗のためにデネブは自分の現在を消費し続けているわけで、そういう点でも恐ろしい相棒コンビだと思っています。
フィギュアーツのデネブにはスイカヘッドとデネブキャンディとキャンディを入れるカゴがついてくるんですね。シルバニアファミリーかよ、最高です、ありがとうございます。
仮面ライダーあつめ(ねこあつめの会社とコラボしているゲーム)で桜井侑斗がくれるもの(通常は固有の印象深い服装や小物)も最高です。桜井侑斗は!しいたけご飯を!くれる!苦しみ!!
あと毎回のタイトル遊びが好きですね。いくつかは映画パロディだけど、全部なんだろうか……わからない……。「ラッキー・ホラー・ショー」「銭湯(バス)・ジャック・パニック」「愛(アイ)・ニード・侑(ユウ)」あとはエモ的な意味で「今明かす愛と理(ことわり)」とかが好きです。
基本的にキャラクターが立っていて楽しいアニメっぽいけれど、ピアニスト回のように失われる者を救いきれず走る時間という一本軸を走る電車(あれ電気で動いてるの?)というモチーフが好きです。砂時計割っちゃったら、その砂全部回収できないもんね。悲しい……辛い……。
これはどうでもいい話ですがOPの愛理さんの喫茶店が写るシーン、2馬鹿じゃない愛理さんファンのお兄さんが天体の図鑑読んでるところが好きです。