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とある出会い


仕事帰り

僕は自転車で寄り道をした

いつもは通らない道

ただの回り道にしかならない道

我が家よりも坂を登らないと行けない道

それでも寄り道をした


行き先にあるのは子どもの頃よく遊んだ公園

公園と行っても遊具はない

ベンチと花壇があるだけ

家と家の間にあるのでものすごく狭い

身体を動かすための公園というより休めるための公園


時刻は18時半を過ぎている

そんな時間には誰もいない

そう思って公園の前まで行って引き返す

よくある寄り道のパターンだ

今日もそのはずだった


しかし、今日はそこには女の子が2人いた

いるわけないと思った場所に人がいたことで驚いた

彼女たちも僕が通りかかったことに驚いているようである

僕が引き返そうとすると2人も公園から出てきた


よく見ると地元の子たちだった

1人は名前を知っているが、もう1人はわからない

ただ、地元の行事でよく見かける子なので顔はわかる

彼女たちもきっと同じ

僕のことはなんとなく存在を知っている程度であろう


2人は公園でずいぶん長いこと話していたようではある

だが、もうこんな時間

さすがにもう帰るようにしたようである

なぜか、僕と一緒に


アラサーの僕が高校生の女の子と一緒に帰る

知らない人が見たら通報されてもおかしくない状況

だけど、彼女たちに不安はないようだった


僕は自転車だったが歩いた

1人歩きの子がいたから

何気ない会話をしながらただ帰る


ただ、ちょうど一回り年が離れている子たちだ

共通の話題なんて何もない

だから、こんな話をするのはどうかと思ったが

このご時世のことについて話をした


彼女たちはまだ学生だ

僕が聞きたかったことはこれだ


「休校の間はどうだったのか?」


急なことではあったが

子ども達にとっては思いがけずやってきた長期休み

長期休みはいろいろな捉え方ができる

休みになって嬉しいと思う子もいれば

友達と会えなくて寂しいと思う子もいるだろう

まぁ、なぜこんな真面目な話をしたのかは全くわからない

自分でも思う

なんて空気の読めないことをしたんだと

でも、子ども達のリアルな声を聞いてみたかったんだと思う


彼女たちは休校のタイミングはまだ中学生だった

しかも、受験や卒業式を間近に控えた3年生

あまりにも急な出来事に一番影響を受けた世代だろう

僕みたいな人間がこの世代の話を聞けるのは貴重なことだ

そして、何度でも言う

なんでこんな真面目な話をしたのかわからない


彼女たちはそれでもちゃんと答えてくれた

良い子たちだ


話を聞いていると予想通りの結果だった

初めは休みになったことに嬉しさもあった

逆に不安も半分という感じだった

いや、内容的に不安が8割を超えていたかもしれない


当たり前だ

受験と卒業を控えた子たちが不安を感じないわけがない


話を聞いているうちに、1人が泣きそうになりながら僕に抱きついてきた

とても驚いたが少し嬉しい状況

ただ、知らない人が見たら通報されてもおかしくない状況


彼女はもう話せなくなっていた

僕に抱きついたまま、顔を隠すように泣いている

何が起こっているのかわからない

ただ、少しでも不安を和らげてあげようと彼女を抱きしめた

本当に通報されてもおかしくない状況


だった・・・




と、ここまでが夢の話

この後どうなったのかはわからない

前にも夢の話を書いたことがあるが

いいところというか続きが気になるタイミングで目が覚めてしまう

しかも日曜日の朝4時に


夢の中とはいえ危ない人間ですよね

ただ、彼女は僕のことを頼ってくれたということでいいのでしょうか?

普通に考えたらそんな知らない人に抱きつくなんてあり得ない話

無害な人間と判断されたということでいいのだろうか

とか都合のいいことを考えたりもする


ただ、男としてやはり女性には優しくしないといけないですよね


この先、彼女ができたり結婚したりすることになると思う

自分が好きな相手とはいつまでも仲良くいられたらなとは誰もが思うことでしょう

嬉しいときも

悲しいときも

楽しい時も

辛いときも


どんな時も彼女にはこう思って欲しい

「そばにいてくれたのが僕で良かった」

と・・・



とにかく人に優しい人間でありたい

そんなことを考えた日曜日の朝

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