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メッセージ要約 2024.1.8 「聖餐の恵みを思い起こす」

○マルコ14章22-25

『最後の晩餐』の絵が大切にされてきた理由はダビンチが書いたからということもあると思いますが、それ以上にこの描かれた場面が、のちの教会史に大きな影響を与えた歴史的な出来事であったということが大きいと思います。そのことを見ていきたいと思います。

1. 過ぎ越しの食事の内容

イエス様と弟子たちは木曜日の日没後を迎え、過ぎ越しの食事が始まる時刻になったので席に着きました。

過越の食事の規定は出エジプトの12章に記されており、テーブルに並べられる食事は全て出エジプトを覚えるためのものでした。

① 種無しパン(マッツァ): イーストを入れずに焼いたパンです。出エジプトは夜逃げのようなものだったので、パンを焼いて膨らませている時間がなかったのです。

② カルパス (パセリやセロリなどの野菜):塩水につけて食べるパセリやセロリなどの緑色の野菜です。これはイスラエルの民がエジプトを脱出する時葦の海が分かれ、その間を通って助かったことを覚えるものです。

③ マロール(苦菜):食べると涙が出る西洋ワサビです。エジプトで奴隷時代流した涙の象徴になっています。

④ 葡萄酒:過越の時に門柱と鴨居に塗られた子羊の血を思い出すためです。

⑤ ハロセット(ナッツと蜂蜜とりんごを混ぜたもの):エジプトでの苦役でレンガを作らされたことを覚えるためで粘土の色をしています。

⑥ 子羊のロースト:過ぎ越しの子羊そのものを表しています。

過越の食事の途中でアフィコーメンの儀式という三枚の種なしパンを割ったり隠したりするものがありますが、ユダヤ教でははっきりとした意味がわかりません。しかし、クリスチャンはこれを三位一体の神を表しているとわかります。真ん中のパンはイエス様です。そのパンを2つに割る、それはイエスの十字架の死を表しています。そしてその半分を布に包み隠すそれはイエスさまの葬りを表しているのです。そして後でそれを取り出す。それはイエスの復活を表しているのです。

このように過越の食事の習慣の中にイエスキリストの十字架の死と葬りと復活が記されているのです。


2イエス様による新しい契約

聖餐式の元となる、イエス様が弟子たちにパンを配る場面がありますが、このパンはアフィコメンのパンだったのです。イエス様はこの過ぎ越しの食事に新しい意味を加えられ、このパンの意味が変わりました。このパンはイスラエルが奴隷で受けた苦しみではなく、イエス様が十字架で受けられた苦しみを、私たちが思い出すためのものとなったのです。種無しパン、マッツァにも、キリストの姿が表されています。それは鞭で打たれ釘と槍で刺し通されたイエス様の肉体を示しています。イエス様はこの食事の後十字架について死なれますが、このパンは私の体を意味すると言って弟子たちに渡されたのです。

また、過ぎ越しの食事には4つの杯がありました。1感謝の杯 2裁きの杯 3贖いの杯 4賛美の杯。この3番目の贖いの杯をイエス様は弟子たちに与え「これは、多くの人のために流される、わたしの契約の血です。と言われたのです。

ここで過越の食事における葡萄酒の意味が変わりました。葡萄酒は門柱とかもいにつけられた、犠牲の子羊の血を思い出すのではなく、私たちの罪のために流された、イエスの犠牲の血を思い出すためのものとなったのです。そしてキリストの血によって、私たちは神との新しい契約の中に入ったのです。

イスラエルが奴隷状態から解放されたように私たちもイエス様の十字架の救いを受け入れた時、罪や死の奴隷から解放されて自由の身となったのです。イエスキリストの血潮によって清められた。それがイエスの新しい契約の内容です。これが今日教会で行われている聖餐式の起源になりました。


3食べる飲むことの意味

イエス様は「取って食べなさい」「この盃から飲みなさい」とおっしゃいましたが、原文を見ると命令形であることがわかります。イエス様は、「食べ物飲み物がないと人は生きていけないように、あなたがたは私なしでは生きていくことはできない」そのことを伝えようと愛を持って迫っています。私たちが生きるためにはキリストの命に養われる必要があります。

しかし、世の中には物質、名誉、異性との関係それらのものが私たちの人生の中心に入り込もうとし、命になろうと働いてきます。そして私たちも時にそれらのものから命を得ようとしてしまいます。

聖餐式は私たちの命はどこにあるのかを確認するときです。イエスキリストは私たちの命です。この聖餐式で食べる、飲むことを通して、何を中心とすべきか誰に命があるのかを確認するのです。

聖餐式は本当に頼るべきかた、私たちに命を与えてくださる方はキリストである。イエスキリストなしでは生きていけない。それを確認するときです(M.N)


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