見出し画像

バスケットボール男子国際試合を観に行った

FIBAワールドカップの本戦開幕前の国際親善試合として、有明アリーナで行われた8/19(土)の日本 vs スロベニア、8/20(日)のフランス vs オーストラリアを観に行きました。

日本 vs スロベニアは、アンゴラ、フランスも合わせた3か国と日本が対戦する"SoftBank CUP 2023"というシリーズの一部でしたが、トーナメントでもないのに何をどうすれば優勝カップが手に入るのか不明の大会でした。でもそこはあまり気にしないようにします。

スロベニア戦は、ルカ・ドンチッチがやはり圧倒的でした。完全なるスーパースターでした。
僕はバスケ部ではなかったので、変な表現になってしまうかもしれないのですが、バスケが上手いというのは、ドリブルテクニックがすごくて、アジリティが高くて、それで得点を量産するというイメージがありました。でもドンチッチは、思ったよりは動きが速くなくて、ちゃんと普通の人間の動きをしていました。
ドンチッチが他の選手と違うのは、頭脳と身体の動きのギャップがとても小さいように見えたことでした。
まず「どうやったら得点できるか」の考えが卓抜しているのと、さらにその通りに体が動くので、誰も止められないのではないか?という風に見えました。何言ってるのか自分でもよくわかりませんが、そんな感じでした。

試合後の日本代表の富樫主将とホーバス監督のインタビュー回答は、聴いていて非常に苦しいものを感じました。速いテンポとスリーポイント主体で体格で勝る相手に対抗しなくてはいけないというようなことを話していましたが、実際どちらも相手のディフェンスに阻まれ全く機能していませんでした。
ではどうするか?に対する回答が、8/25(月)のワールドカップ本番開幕までの6日間で調整する、だけだったので、この瞬間、世界との実力の差を物凄く感じました。

あと、スロベニア代表だけでなく、この後書くフランス代表やオーストラリア代表を観ていても感じたことですが、良いプレーをして好調を持続させたり、悪い流れから抜け出したりといった、試合全体を通しての"consistency"が、日本代表に比べて非常に高レベルにあるなと感じました。これは結構大事なことのような気がします。
日本代表で、世界レベルのconsistencyでプレーできていたのは富樫選手ぐらいだったように思います。

他に印象的だったのは、試合の中盤、ドンチッチが意表を突く高速ノールックパスを出したのを味方がよそ見していて取り逃したシーンでした。
この時取り逃した味方に対してドンチッチがまさに鬼の形相で怒っていました。
「相手がまさかと思う所にパスを出しているから効果があるのに、お前もまさかと思ってどうするのだ」ということだと思いますが、これは僕もすごく共感した理由があって、野球部の頃練習で一塁手をしていて、まさかのタイミングで投手(コーチ)が投げてきた牽制球を捕れなくてめちゃくちゃ怒られたのを思い出しました。

ルカ・ドンチッチ。
ビハインドザバックで長い距離のパスを出したりなど、プレーの創造性、無駄のなさ、精度、視野の広さが異次元だった


翌日のフランス vs オーストラリアでは終始ハイレベルな戦いを観ることができました。これまで、Bリーグ、学校の応援を含め何度かバスケットボールの試合を生で観てきましたが、間違いなく最高のレベルの試合でした。

~フランス vs オーストラリア ベストシーン5選~

5位 エヴァン・フォーニエが上手くて流川みたいだった

ニックスでやや干されているイメージが強かったフォーニエですが、すべてのプレーにおいてハイレベルで、控えめに言って凄まじかったです。
どのレンジからもすまし顔で決めてくるし、パスカットやスティールからのスムーズな速攻もあり、正直この人をローテから外しているニックスに恐怖を感じました。

4位 ルディ・ゴベール怖かった

コートに練習で入って来た瞬間から、そのデカさと明らかにただ者ではなさそうな表情、オーラで周りを威圧していました。
試合では、リバウンド争いの中でオーストラリア代表のニック・ケイの顔面にエルボーを見舞いアンスポーツマンライクファウルを宣告されると、「わざとじゃないのに、困っちゃうなあ」と言わんばかりのとぼけ顔。その顔が、本当に怖かったです。

3位 伝説の人 パティ・ミルズ

常勝軍団スパーズでグレッグ・ポポビッチに愛されていた頃から知っている選手なので、今回生で見れて感動しました。
近くに座っていた熱心なミルズファンの方の自作応援ボードを見つけると、ウィンクで応えてくれていました。周りの選手たちともウォームアップから積極的にコミュニケーションを取っていて、自然と醸成された信頼感というものがこんなにも感じられる人は珍しいなと思いました。瞬間瞬間から、優しくて素晴らしい人柄であることが推察されます。
試合では終始コートを走り回りギディーとともにゲームをコントロールしつつもなかなかショットが決まりませんでしたが、最後の最後で決勝ジャンパーを決めるあたりさすがレジェンドだけあって、持っていました。
こんな選手がチームにいてくれたらどんなにいいだろうと本気で思いました。大好きな選手になりました。

2位 マティス・サイブルのディフェンス

すごいディフェンダーとの噂をちらほら聞いており個人的に気になっていたサイブル(何とかしてペイサーズにリクルートできないだろうか)。この試合ではそのサイブルの持つ力が遺憾なく発揮されました。
ドリブルで抜かれた(わざと?)後に後ろから長い手を伸ばしてブロック。パスをインターセプトしてそのまま速攻&ダンク。美しいスティール。すべてが職人の域であり、周りの観客からもため息が漏れるほどでした。まさに感動するディフェンスと呼んで然るべきものでした。会場に来ていた名門高校のバスケ部の皆さんにとっても、サイブルのディフェンシブマインドとスキルは非常に勉強になったのではないでしょうか。
終わってみれば6スティール。見たかったサイブルをじっくり堪能させてもらいました。普段にこにこしているサイブルがここぞという場面で真剣な顔で守っているのは格好良かったです。
よく考えたら堅いディフェンスがもたらすものって大きいですよね。相手の攻撃の機会を1つ奪い、そのあとイージーバスケットに繋げたら、失点減&得点増なので、得点2回分と同等の価値があるんですよね。

1位 ジョシュ・ギディーの熱いプレー

正直ちょっとナルシストな天才大型ポイントガードという認識しかなかったギディーですが、この日そのイメージが一変することになりました。
終始ヘアスタイルを気にしながらも、味方への創造性あふれるキラーパスを連発。ここまでは想像の範囲内でしたが、フィジカルなプレーやハッスルプレーにも積極的に突っこんでいき、誰よりも勝利への執念と競争意識を剥き出しにする姿には驚嘆しました。
極めつけは第4Q最終盤、同点の場面でゴール下でディフェンスリバウンドを取ったゴベールからボールをジャンプしながらぶん取り、ミルズの決勝点に繋げたシーンでした。これは本当に鳥肌ものでした。
王子様っぽいイケメン男子が泥臭く闘志を見せるプレーをするのはギャップがあってかっこいいものだな~と、男子が思いました。
ジョシュ・ギディー。これからタイリース・ハリバートンの良きライバルとして長きにわたりNBAに君臨することになるだろう。いつか頂点の場で戦えることを楽しみに待っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?