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10年かけて、競合企業に負けた経験から感じる危機感

先日自社の経営会議に参加して感じた違和感。

競合の話があまり出ないこと、競合のことを軽んじるような発言が出ていたこと。

前職では10年間で圧倒的シェアNO.1から競合他社に2倍以上のシェアを奪還れるまでを経験した。この時の経験と被ることがあり、漠然とした雰囲気に不安を感じた。

あるイベントに出るかどうかの審議がなされる場で、1人の方が競合はこれどうするつもりなんだろうか?と発言した際の、反応が以下だった。

「競合は以前出た際に全然人だかりがなかった。競合が出ていようがいまいが関係ない・いざとなれば買収すればいい・我々の商品はそんな簡単に追いつけるものではない・・」

これは現場のメンバー達からも感じる瞬間がある。「競合の営業は大した事ない、あそこの話は悪い話しか聞かない・・」と会話してるシーンがある。本当にそうであればいいが、明確な事実はわからない。

前職での経験 競合のことを見下していた

10年前前職の営業を行ってる際に、顧客に対して「なぜ(競合の)商品を使うのか?あの商品ではいい成果は出ませんよ。安かろう悪かろうですよ。」と話していた。

社内の会議でも「競合さんが新規開拓してくれればすぐそこを的にしてひっくり返せるから楽だなー」と笑っていた。

全社会議でもグラフを出しながら、「競合とはこれくらい差が出てる。私たちは新たな領域で新たな価値創出に動くのだ」と全員を鼓舞していた。

競合は地方に支店を出し始めた。一部の地方のシェアがやられ出した。

7年前、競合は一気に単価を下げ、地方に直販部隊を設置。自社の2倍の人員を割き、徹底的に営業を仕掛けた。そしてやられ出した地方が少しづつ増えていった。噂では地方で成果を出した競合の営業は都市部に異動をしていったらしい。地方の現場はこのままではまずいと声が上がってきたが、全社会議でそのようなことが触れられることはなかった。

会社の商品が記事で悪く書かれた年、初めて雲行きが怪しくなってきた

5年前、ある記事に前職の商品が悪く書かれた。社員はでも大丈夫だろうと思っていた。しかし、ネットで炎上していき、一部の顧客が離れた。そして競合は1点突破で機能開発を行なっており、着実に顧客を伸ばしていた。初めて経営から拮抗してるというメッセージが出た。現場では競合が最近頑張ってるという話が少し出てきていた。それでも自社は新たな領域にチャレンジすると全社集会では話が出ていた。

経営が初めて負けを認めた、投資を増やし再度逆転

4年前、初めて競合にシェアで負けたと発表。投資を一気に増やし、絶対にシェア奪還をするというメッセージと共に、大胆な手を打った。商品ラインナップを増やし、安価な商材を投入し。見かけ上のシェアは逆転し、再び一位に返り咲いた。

じわじわ負けていった

シェアを奪還したが、それは安価な商材でのシェア奪還。当然利益率は下がり、更なる投資は難しくなった。そして投資はなされなくなり、競合との商品力の差が鮮明になってきた。また当時自社は契約社員を増やし、契約社員は新規開拓はしないと決めていた。競合は人を増やし新規開拓を強化し続けていた。顧客からは「(私の前職の)営業の方が丁寧で紳士的で信頼できるが、競合の方が安く・物がいい。競合の製品を使わない理由が社内で通らない。」と競合に流れていった。

上記に至るまでは、色々な意思決定や要因が複雑にある。

・営業利益は最低これくらいないと投資はできないという親会社の判断基準(その間に競合との営業利益の逆転)

・この業界のシェアは伸びないと判断し、契約社員を増やすという意思決定(競合は伸びると判断し、正社員を投入した)

・各現場での競合に対しての慢心

・自分達の価値は競合と別にあると頑なに信じて、現場の一人一人が仕事の仕方を変えなかった(人事評価もそうなっていた)

・自社商品に対しての社会からの批判

今の会社で今後さらされるとまずい状況

巨大な投資をされ、商品を模倣し、人を大量に貼られ、競合他社を徹底的に潰すように現場の一人一人が教育された組織を作られる。

ここまでやられたら一気に厳しくなる。こうされるのは時間の問題かもしれない。上記に対して備えるべきことはまた後日。本日は以上。


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