Bリーグ無観客試合のMC

新型コロナウイルスの影響でスポーツ・イベントが中止や延期になっている中、プロバスケットボールBリーグは1度延期の発表をしたが、その後。無観客試合での開催を決定

開幕を延期したプロ野球、開幕直後のJリーグと異なり、Bリーグはリーグ戦の約80%を消化していた。その為、5月上旬開催の横浜アリーナでのファイナルから逆算すると、スケジュール的に試合を開催しなくてはいけない状況であった。

※その後に諸問題、社会情勢を鑑みた結果。現在(3/24時点)リーグ戦は中止、中断になっている

無観客開催となった3/14&15のリーグ戦はバスケットLIVEの中継を通じて無料配信が決定。

初の無観客試合。リーグからのガイダンスはあったものの、リーグだけでなく、試合を主催するチームにとっても初めての経験。また開催への準備期間も短かった。

今回はその中でアリーナMCとして、どの様な準備をして無観客試合に望んだを書きたいと思います。

どうやら無観客試合になりそうだ。その第一報を聞いた時に、そうなった時にMCは必要ですか?とチームに確認しました。試合を行うだけなら、レフリー、TOの方がいれば成立することは可能です。結果的に配信があるのでMCは入ります。との連絡が入りました。

それから正式に無観客でリーグを続行するとの発表があり、週末の開催へと動いていきました。この時点でDJは無しと話を聞いていたので、どの様にMCをしていくかを考えはじめます。

最初に考えたのは、いつものノリやテンションでやるのは違うだろうなということ。何故なら無観客だからです。

最初にチームに確認したのは、試合開始何分前から配信入りますか?ということです。その結果。中継は試合開始5分前。その他の当日の進行はシューティングや選手入場など通常のスケジュールと変わらない。まずここで、ということはスポンサー紹介のタイミングが無いなということです。

スポンサー関係はチームには、オフィシャルスポンサー、サプライヤー、パートナー。そしてBリーグパートナーがあり、通常時は会場で2回アナウンスしています。無観客で露出も減っているなかで、普段からチームを支えて頂いてる企業さんに少しでもメリットある方法を取りたいと考えました。

2回の紹介を考えると、1回はハーフタイムがあるのでOK。もう1回をどうするかと考えた時。タイムアウトやクォータータイムに紹介しようというアイデアになりました。

話は前後しますが、スタッフを通して無観客開催のなかで、タイムアウト時にMCが話をしたり、音楽を流すことはチーム的に大丈夫かと確認しました?もしもチーム的にそこは無音で!とリクエストがあれば、他の方法を考えましたが、そこはいつも通りで問題ないと確認したので、以下の構成にしました

・試合開始4分前
レフリー紹介前にBリーグパートナー紹介

・1クォーター終わり
チームオフィシャルスポンサー紹介

・2クォーターオフィシャルタイムアウト
チームオフィシャルサプライヤー紹介

・4クォーターオフィシャルタイムアウト
チームオフィシャルパートナー紹介

※オフィシャルパートナーの紹介尺を考えて、3Q終わりでなく、4Qのオフィシャルにしました。なぜ通常のタイムアウトを使わなかったかを説明すると、普通ではあり得ないことですが、両チームが全くタイムアウトを取らない状況も0ではないので、試合で必ず来るタイミングを選択しました。

これでスポンサー紹介2回というのはクリアになりました。ただ、通常とは違うタイミングなので、企業名の紹介とブザー音と被らない様に当日はTOさんと連携しました。

次に試合中のMCをどうやるかは、なかなか答えを出せないままでしたが、いくつかのプランを考えて会場に行きました。アップの時に数人の選手にも、どういう感じが良いかな?と話をしました。やはり共通していたのは、いつものテンションでやるのは、ちょっと変な感じになるよな??ということでした。どんなに良いプレーでベンチが盛り上がっても、フルスロットルのテンションで

「ダンクショット!!!」
「スリーーーーーー!!」
とやるのは確かに変な空気になるなと。

そして、今回1番難しいかったところは、無観客の状態で会場では試合を行いながら、配信では試合を見ている人がいる。ここのバランスを取らなくてはいけないことでした。
どちらかに寄りすぎるとそこは変な感じになるなと

それともうひとつの問題は、B2の中継には基本的に実況&解説がないということです。

ここで考えたのは、この無観客に限ってはMCと共に実況の役割も必要じゃないかということです。通常の試合では、アリーナMCは基本的に観客の皆さんに向けてMCしています。逆に実況の時は、配信や放送を見ている人に向けて話しています。(個人的にバスケの実況経験はありませんが、他スポーツの実況経験あり。)

今回の無観客という状況の中ではMCと実況。この2つの役割をやらないとうまく伝わらないなと考えました。

でも、あくまでもホームMCなので、ホーム感。その差を出したい!とは思っていました。試合中のMCにおいては、テンションよりは声の質、圧、大きさを意識しました。同じ様な言葉でも、これを変えるだけで、きっと伝わんじゃないかと考えました。

配信を見返すと福島の得点と仙台の得点では声に変化があるのがわかるんじゃないかと思います。

そして、実況という観点から現場で起こっていることを配信見ている人に伝えなくてはいけないと思い、いつもよりルールの説明、残り時間、ファール数、状況を細かく伝えることは意識しました。

今回は無観客も初めてなので、何か会場と見ている人を繋ぎたいなと思い、SNSにリアルタイムでメッセージを送ってもらい、それをタイムアウトなどで紹介する企画をチームに提案しました。
募集方法はハッシュタグを使用しました。 理由はDMやリプと違い、自分のスマホで検索することが可能だからです。(Twitterの名前を紹介されたくない人もいるかもしれないと考え、ラジオネームの様にボンズネームを入れることにしました)

基本的にタイムアウト時に選手はコーチの話を聞いていますが、応援メッセージで選手の背中を押せるんじゃないだろうか。また、配信を通してメッセージを読むことで、送ってくれた方々と一体感が出るんじゃないかという狙いでした。たくさんのメッセージを送って頂いてありがたかったです!!
※ただスマホで試合を見ていると、試合見ながらメッセージ送るのは難しいという反省点はありました

少し長くなりましたが今回の無観客試合MCで意識したのは、会場で試合する選手に違和感ないレベルのMC。なおかつ配信を見ているブースターさん、視聴者の方に状況をしっかり伝える。そのうえで一体感が出る様にするという事でした

※なので、会場で取材して試合を見ていたメディアの皆さんには違和感があったかもしれませ。

これらのことを考え、意識して今回のアリーナMCを務めましたが、もしも伝わっていなかったら、それはMCの個人のレベルの問題です。

MCとして、どんな状況でも様々な準備をして試合に望むのは当たり前のことです。もっと良い方法があったかもしれませんが、初の無観客試合のなかで、手探りながら、最善は尽くせたんじゃないかという自負はあります。ただ、このように試合に向けて考えて準備していたことは理解していただけたら幸いです。


余談1
福島の試合後は、勝った場合HCインタビュー。負けた時はHCから挨拶。となっていますが、今回は無観客だったので、土曜日の試合前に森山HCに「今日ももちろん勝つと信じてますが、敗戦の場合も今日は僕がインタビューします」と事前に伝えてありました。

余談2
試合中のタイムアウトの音源に関しては、使える曲が限られていたので、曲の尺などを考えて指示書を手書きして、PAさんに渡しました。
日曜日の試合では4Qの終盤では、試合の流れを見て、全てのタイムアウトの曲をボンズネーション(ゾンビネーション)にしました。ここで、ゴーゴーボンズ!が入った曲で後押ししたいとの思いでした。結構ギリギリまで自分もマイクを通してゴーゴーボンズ!と言おうかと考えるたのですが、試合の流れでなく、そこまでのMCの流れを考えてやめました。

初めてのnote 。
長くなりましたが、最後まで読んで頂いてありがとうございました!また何かあったら更新しますね!

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