なぜ日本では女性の管理職や政治家が少ないのか? 能力差ではなく単純に参加人口比の問題ということだ

■国交省の研修講師25人「なぜ全員男性?」 批判続出で女性を追加へ
(朝日新聞デジタル - 07月21日 18:15)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7043000

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本記事について。シンプルに「能力」で選んだとしたらあり得ない話だと思うが。研修講師の絶対数まで含めて考えるとありえないこともないのではないかと。

実例としては「プロ棋士制度」をあげたい。現在、里見香奈女流が初のプロ棋士を目指せる位置に来ている。今までプロ棋士の制度は女性を排除してきたわけではない。純粋な実力として奨励会も含めて門戸は開かれていたが、今まで女性のプロ棋士はいなかったわけだ。なお勘違いしている方も多いが「女流棋士」と「プロ棋士」は別物である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2ddf87f23ce332c1845fe54837e042fdb85dd600

今まで女性のプロ棋士がいなかった理由として私が考えるのは3つある。
1つ目は「その絶対数(競技人口)の少なさ」
2つ目は上田初美女流が記載されていたことがあるが「女性特有の体調管理の難しさ」
3つ目は出産などの社会的事情(他ならぬ我が母も女流棋士一期生候補でお誘いはあったのだが私の出産と兄の育児などで断ったそうだ)。

男女の「純粋な能力差」という理由は、肉体的活動はともかくとして、知的活動においては当てはまらないように思う。

で上記3つの理由は将棋に限らず、そのまんま女性の社会進出への足かせとなっているように思う。

1つ目は「女性自体がそれらの活動に興味や関心、うまみを覚えなければ増やせない」ということだ。男性よりも女性の絶対数が多い分野も考えればわかりやすいだろうか? たとえば世間一般に「美容」については女性のほうが男性よりも関心が強いので、この分野における男性の大家の絶対数は少ない。とはいえ、それは男性の美容の能力が女性より低いということではない。管理職や政治家、その他男性優位で女性の進出が少ない分野について、女性を主体としてが興味や関心を持ってもらうようにして「競技人口」を増やす必要はあるのだろう。

2つ目の「女性特有の体調管理の難しさ」はいわゆる生理休暇などの制度や症状を抑える医学の発展で多少のフォローはできるだろうが絶対的なものではない。ただ、欧米などの女性進出度合いを見るとこの2つ目は絶対的なものではないのだろう。

3つ目の社会的な制約、まさにジェンダー論な部分は男女ともに社会的な意識改革が必要な部分だろう。主観ではこの3つ目の理由が突出して語られすぎているような気はする。むろん大切なことなんだが、私としては1つ目の理由こそより重視すべきだと考える。

プロ棋士の世界から類推すると管理者や政治家の半数を下駄をはかせてでも女性にするいう方策は失敗に終わると予想できる。

たとえば今のプロ棋士の中に女流棋士のトップ50名を下駄をはかせて加入させたとして。おそらく下位45名は女流棋士になってしまうだろう。そういう性急な方法ではなく、純粋に女流棋士の人口を増やしていくことでおのずと女性の棋力平均が上がり、プロ棋士の半数を占めるようになるのが自然な姿であろう。

私が思うに「男女の『能力差』の問題ではなく、単純に『競技人口』の差」ということだ。女性の進出が少ない分野や領域に女性が関心を持てば、人数比はおのずと増えていくということだ。


CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。