工夫して切り抜けた監査報告

社外の役員報告で何とか間に合わせたお話。

事実確認の調査にわずかに詰めが間に合わず、会議でつっこまれるとまずい個所があった。正直に行くなら「ここは現在調査中です」と告げればいいわけだが、諸般の複雑な事情があって正直さが使えない場合もある。

かといって、思い付きや憶測で答えると本当の「その場しのぎ」にしかならない。その場だけは乗り切れても、あとで大マイナスが発生するのであれば、「適正なその場しのぎ」とは言えない。

ビジネススキル、ディベート、論理において、多少の工夫ではどうしようもない実力差のある相手はそこいら中にいらっしゃる。ただ、事前に準備する時間があることと、作成資料はこちらが作れる=つまりTRPGのGMと同じく戦場を設定する権利があるのはこちらであった。これらはこちらが有利に立ち回れる材料である。事前にできる限り情報を集め、会議の流れを探る。出席役員も重要でどんな傾向の人物が出るのかで、誰が賛同し、誰が疑問を呈するかも見えてくる。

私は弱いくせに強敵につっこんでいくところがあるので「強敵からの猛攻を耐え忍んで虎視眈々とカウンター(C)」を狙わざるをえない状況にしばしば陥る(笑)。この状況があまりに多いので、さすがに慣れてきたが、本来私の性格的に向いているとは言い難い。

性格的に考えれば「ある拠点を攻めさせる」のが向いている。その拠点は相手に重要だと錯覚させているだけである。また、隙を見せて「思わず攻めたくなる箇所」を作ることで防御しやすくするという考え方である。

今回も役員の好み、得意分野で興味や関心を引く部分を放り込むことで目注意をそちらに引き付けることでなんとか「その場しのぎ」をして間に合わせた。むろん、作り出した時間で調査を進めて事実確認も間に合わせたのは言うまでもない。

要は監査もシナリオ作りも将棋も極めて似通ったところにあるということである。少なくとも私の中では同じルーチンで動けると思っている。
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CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。