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制作をうまく進めるために、「依頼前」と「依頼後」に実践していること

はじめまして!ディレクター委員会の佐藤です。

紙媒体のデザイナーからweb業界に転向し、ディレクターになりました。ディレクター歴は7年くらい。最近は「金継ぎ」にはまっています。

さて先日、20~21新卒と今年入社予定のクリエイター向けに、ディレクター座談会をしました。たくさんの質問をいただき、先輩ディレクターも非常に回答しがいがありました。すべてに答えきれなかった部分があったので、個人的に気になった質問を補足します。

質問:

依頼したデザインやコーディングで過去スムーズに進める事ができた際にどのような管理をしていたか知りたい。また、求めているレベルのモノが上がってこなかった時、管理方法を変えたら上手くいった事例などがあれば併せて教えてほしい。

回答:

ご質問の意図としては、"校了までの修正回数をなるべく減らしたい"ということかと思います。元デザイナーの制作系ディレクターとして、私が実践していることを「依頼前」と「依頼後」に分けてご紹介します。

■依頼前 ~全員の認識をできるだけ合わせておく

デザインやコーディングの依頼前に私が心がけているのは、お客さまのご要望を具体的に把握し、デザイナーやエンジニアに伝えて、全員の認識をできるだけ合わせておくことです。

【事例】キャンペーンLPのデザイン/コーデイング

  1. まず最初に、依頼者のお客さまに「キャンペーンの目的は何か」、「ターゲットは誰か」、「どんなLPを希望しているか(デザインのイメージ、動きのレベル感等)」をよくヒアリングする。お客さまからの要望があまりない場合は、どこから先がまとまっていないのかを把握する。

  2. お客さまの目的や希望するイメージに近いキャンペーンLPやバナーを探し、参考資料として集める。またお客さまの希望とはズレているかもしれないが、自分では良いと思うものも収集(キャプチャ、URLを保存)。

  3. ワイヤーフレームを作成したら、上記の参考資料(キャプチャやURL、どの点が良いかを簡単にメモ書き)もお客さまに確認。イメージが合っているか、スケジュールや予算的にどのレベル感まで作れそうか等、お客さまと認識をすり合わせる。

  4. 方向性が決まったら、作業者に、お客さまの目的とご要望をできるだけ具体的に伝えて依頼する。イメージに近いキャプチャとURLも参考資料(※)として一緒に渡す。※そのまま真似してはいけません。

お客さまとの打ち合わせの段階で、作業者にも同席してもらえれば早いのですが、ディレクターが橋渡しする場合も多いと思います。その際はお客さまの要望を引き出し、作業者にも伝え、お互いの認識を合わせておくことで、修正の回数をなるべく減らすようにしています。

■依頼後 ~肯定的に依頼をする

最初からイメージ通りのものができれば素晴らしいですが、特に新規案件の際はやり直すことがどうしてもあります。そんな時は以下をしています。

  • なぜ求めているものと違っているのか、理由を丁寧に伝える。

  • 具体的にこうしたいというイメージがある場合は、(時間が許せば)テキストだけでなく修正指示書を作り、イメージを提示する。ツールは、パワポでもエクセルでもXDでも伝われば何でもOK!

  • 同様のミスが続く時は、直るまで指摘する。場合によってはチェックリストを作る。

また修正依頼をする際、自分なりに気をつけていることがあります。
それは、「否定から入らない。あくまで肯定的な修正指示を出す」ということです。必ず作業者へのお礼、そして良かった点があれば最初に簡単に書き、それから修正指示を出すようにしています。

修正指示のコメント例:
「デザインありがとうございます!○○の部分はいいですね、イメージ通りでした!ただ○○の箇所については、○○の理由から目立たせたいです。色を赤系に変更し、1.5倍くらい大きめに調整いただけますでしょうか。少々大げさでも構いません。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
「作業ありがとうございます!こちら工夫いただいたのですが、この部分は○○会員に向けたものなので、閉じずに最初から開いておきたいです。ご配慮いただいたところすみません。よろしくお願いいたします。」
「更新ありがとうございます。すみませんが、ここは○○です。見落としがちな部分なのでご注意ください。」

ちょっと丁寧すぎるかもしれないですが、作業者に修正の理由を納得して対応してもらえるような依頼を心がけています。多少時間がかかっても、詳しく説明した方が修正回数が少なくなり、結果的には早く完成に近づくことが多いです。

以上が私が実践していることです。参考になれば幸いです。
ディレクターは立場的に指示する側になりますが、作業者に敬意を持って依頼するようにしています。お互い気持ちよく働いて、お客さまにも喜んでいただけるような仕事ができるといいですね!

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