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「第8回 作家縛り紹介型読書会”川上弘美作品”」議事録


概要はInstagramをご覧になってください。

発表された方:7名
聴き専の方:4名



ご紹介いただいた作品と簡単な感想

○蛇を踏む

→川上弘美さんの作品を好きになるきっかけとなった一作。周りの人たちに訝しがられながらも普及したほど。
不思議な状況を容易く受け容れる主人公。人間関係の物語にも感じられる。

○センセイの鞄

→タイトルから政治家の先生の厳つい物語かと思っていたら全然違った。おじさんのいやらしさの様なものを感じない。
これを読んでこんな男性がモテると勘違いして真似たら危険。

教員を目指そうとしていた男の友人がこの作品を熱くオススメしてきて気持ち悪さを覚えた。

若い頃に読んだときよりも、大人になってからの方が理解できるような気がした。

○ニシノユキヒコの恋と冒険

→連作短編集。タイトルに「恋と冒険」とあるのでワクワクするような物語かと思ったが少し違った。幻想的だけどナマモノ感があり、もどかしいけどホッとしてリアリティもある。理想の恋愛を描いている?

○神様、神様2011

→「神様」が第1回パスカル短篇文学新人賞受賞を受賞したのがきっかけで読むようになった。デビュー作。
くまとバイキングへ行く物語。現実と繋がっているファンタジー。物語にグラデーションがある。
「神様2011」の方は、その当時の世の中を見て「神様」を加筆修正した作品。

○大きな鳥にさらわれないように

→SFだと思って読み始めたらどちらかというとファンタジー色の方が強かったが、最後にはしっかり伏線回収され、SFになっていた。すごい才能。
どことなく「いしいしんじ」作品に近いようにも感じた。断片的に語られる。

優しくて穏やかな中に毒がある。諦めや寂しさも漂う。
作者自身が人間に対する哲学があるように感じる。
作者がら元生物の教員というのが垣間見れるような物語。

全体的によくてすぐ読み返したくなる。

○七夜物語

→「酒井駒子」さんの絵が装丁になっていたので購入。
どちらかというと児童書というより大人のファンタジー。答えは出ないことが多い。SFっぽさも入っている。現実味があるようでない、ふわふわした雰囲気。
「恋」と「愛」がテーマ?

〇なんとなくな日々

→エッセイ。作者はエッセイを書くのが嫌で作家になることを躊躇っていたことがある。小説の雰囲気がエッセイにもしっかり出ている。あるあると共感できるエピソードもあり、  納得のいくエピソードもある。

〇真鶴

→明らかにフィクションだけれど、リアリティもある。物語に溶け込むような錯覚に陥った。自分の中にある忘れ去ったものを思い出さるような物語。

〇おめでとう

→短編集。
不適切な恋愛模様が描かれているがヌメリのようなものは感じず、不穏なのだけれど優しく温かい。


どの作品も幻想と現実が交わったような雰囲気。
文章が読みやすい。
たくさん読んでいると思ったらそんなに読んでいなかった。
といったような感想も上がりました。

話題に上がった作品や作家
○大好きな本/川上弘美
○村上春樹
○小川洋子
○川上未映子
○川端康成
〇はてしない物語/ミヒャエル・エンデ
などなど



川上弘美さんの描く物語は幻想的だけどリアリティがあり、不穏なのだけれど優しさや温かみがあり、主催した私はその世界観にすっかり魅了されたのですが、ご参加くださった皆さまも同じように感じてくださった方もいたようで嬉しいです。
発表してくださった方の中には初めて川上弘美作品に触れるという方も多く、私自身にとっても有益な会となりました。


作品をご紹介くださったみなさん、お聴きいただいたみなさん、相変わらず進行下手でグダグダの主催者をフォローしていただき、途中不適切な言葉を発言してしまうこともあり大変申し訳なく思う反面、お陰様でとても楽しい会になったことを深謝いたします。


次回の 「第9回 作家(翻訳家)縛り読書会」は、「町田康」作品です。
2025,2,23㈰20:00〜
よろしくお願いします。


読書会すみれ


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菜穂☽︎‪︎.*·̩͙‬
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