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「俺の家の話」をみた

ネトフリが最近のお友だち、めぶきです

最近ハマっていたドラマを見終えた時に身動きができなくなってしまったのでそのことについて語ろうと思います。

俺の家の話

現役プロレスラー観山寿一のもとに、重要無形文化財「能楽」の保持者である父・寿三郎が危篤になったとの知らせが飛び込んでくる。急いで病院へ駆けつけた寿一は、驚きの事実を聞かされ…。

2021年のドラマ、クドカンの作品です。
テレビ・ドラマ離れをしていた私。最近ネトフリで見たことない作品を見ながらも時間のかかるドラマは敬遠してましたが、クドカン&長瀬くんなんて最高よな、とずっと気になってたこのドラマをポチり。
なぜもっと早く知らなかったんだ。

このドラマ、長瀬くんの最後のドラマ出演作品とのこと。
長瀬くん演じる寿一の父、寿三郎には西田敏行さん。能楽の家の長男に生まれつつ自分の才能にずっと疑問を抱き続け、重要文化財でもある宗家の父親にも一度も褒められたことのない寿一は家を出てプロレスラーとして生きていく。
全盛期よりも実力も落ちて伸び悩んでいるときに、家出した実家から電話。父親の危篤、十何年ぶりに家に帰る寿一(長瀬くん)。

重たい!テーマが重たい!!
結果この話は親の介護のお話になるんだけど、そのシーンがちょこちょこ重たい!!!辛い!!!!
2〜3話で挫折しかけました、辛くて!
なんだかこの重さとクドカンならではのブラックな軽さが木更津キャッツアイを思い出させた。
人の命や人生の重さ、けど懸命に愚かにおかしく生きていく人たち。
明るいタッチで描かれてるのに奥底にずっと存在してる逃げられない問題がずっと笑っている私たちを見つめてる。
面白がってる私たちをただ見つめ続けてる。
笑いながらもずっと足元がずっと足元が不安定で恐ろしくて、けどどんどんバラバラだった家族が数十年ぶりに帰宅した長男・寿一(長瀬くん)のおかげで一つになっていくのが嬉しくて。けどずっと問題は付きまとう。
最後の最後までこの「家」の話を見て良かった、心からそう思えました。

西田敏行さん。
すごく私のおじいちゃんに似ていて、西田さんが泣いたり笑ったりするとすごく気持ちが揺さぶられてしまうんです。もちろん、それほど偉大な役者さんということもあるんですが。
今回は特に、晩年のおじいちゃんを思い出してしまうというか。元気でもあり、けど完全な元気じゃない。孫を見る姿とか、喜ぶ姿とか、すごく苦しくなってしまった。
聖人じゃないのもクドカンらしくてとても好きなんだけど、だからこそ弱い部分が見えてしまったり、強がる姿、甘える姿がしんどすぎた。
たった一人の生身の人間がそこにいて、時にムカつき嫌いになるし、けどやっぱり好きだし尊敬してるし。そんな姿を見せてくださる西田さんは本当にとんでもない方だと思う反面「もうやめてくれ!」とも何度も思った。

コミカルな中に見える生々しさ、けど見るのを止められないのはそれだけ面白かったから。
介護問題、お家騒動以外にもたくさんのテーマが散りばめられていてクドカンえっぐいな!と毎話思ってた。学習障害とか、メインテーマに置いてもおかしくないものを家族の問題の中の一つとして扱ってしかも軽くもなく重すぎもなく消化してた。
次どうなるんだろう、どうするんだろう。観山家の人たちが生きていたからその人たちに感情移入して見て行ってしまう。
そしてちょこちょこ現れるクドカン作品の俳優さんたち、長瀬くんの最後の作品だからなの?豪華すぎやしないか、ってくらい出てくる出てくる、そしてそれがまた面白い。

ここまで引きつけた後にあのラストはずるいよ。
きっと暫く引きずります、ずっと頭からも胸からも離れない。ずるいよ、本当に。

私はクドカンを恨み、そして本当にこんな作品を作り出してくださったことに感謝しました。
本当に本当に見て良かった。けど二度と見返せないかもしれない。
そんなことを言いながら木更津キャッツアイも流星の絆も何度も見てるからきっといつか見返すんだろうな。

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