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暴落シナリオと楽観シナリオ

株価が上がっている時、欲望が掻き立てられ、ずっと株価は上がっていくものであると思いがちです。しかし、歴史を見ると短期的には何度も暴落が来ています。そうした暴落のシナリオを持っておくと、その時に冷静な対応が出来ると考えられます。

個人的には、まだ暴落はこないかなとは思いますが、現在、異常な程に株価が高騰しているのも事実です(逆に買って行こうと考えています)。
※この記事は個人的見解です。自己責任でお願いします。

ドットコムバブルとの比較

まず、ドットコムバブルの頃のナスダックのチャート(2000年頃)。

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最高値から半値以下になる暴落ぶり。
もし、この頂点で買った場合、資産が半分以下になるので、これを見て怖いと思うことができれば正常です。

そして、これが現在のチャート。ドットコムバブルのところに赤丸を入れました。

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このように相対化すると、コロナショックやリーマンショックよりドットコムバブルの暴落の凄さがわかります。そして、そのドットコムバブルよりも更にコロナバブルは高騰しているように見えます(個人の主観です)。

特に、ここ直近の上げ幅は異常で、コロナショック後、歴史的に見る金融緩和により、株価はかつてない暴騰をしています。まず、このチャートを見て多少は怖いと思った方がいいかなと思います。

株価が高騰している時は、

「今、頂点で買おうとしていないか?」

という問いかけをすることも重要だと思います。

しかし、私は直ちに退散しようとは思いません。ただ、常に暴落のシナリオは準備しておくとよいと考えています。

ドットコムバブルとの共通点

ドットコムバブルの時も、現在のコロナバブルとの共通点は、低金利である、ということです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB

「1998年から1999年にかけて持続した、連邦準備理事会のアメリカ合衆国ドル低金利政策が、ベンチャー創業資金や投資資金の調達を容易にした。 」

とWikipediaにもあるように、低金利であること、これが株価高騰の理由にあると考えられます。

ただし、長期金利を見ると、1980年から現在まで下げトレンドです。つまり、ずっと株価は高騰する環境にあったとも言えます。

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今回の利上げがどれくらいのレベルのものであるかによっても、その下落率は違ってくると思います。

最悪なシナリオと楽観的シナリオ

最悪のシナリオは、インフレが解消できないので、金利をどんどんと上昇させていくことです。そして金利が上昇トレンドとなり、株価(ハイテク株)がダウントレンドになることです。そこにコロナ再燃、中国恒大問題などが重なる可能性もあります。

このインフレ問題の根本は企業に労働者が足りなく、人員確保のために人件費を上げているため、社会の全ての商品・サービスが値上がりしていることにあると考えられます(サプライチェーンも含めて)。ですから、労働者が企業に戻らない場合は解消されない可能性があります。楽観的なシナリオは、ここを企業がAIによって単純労働はカバーしていくことです。それは以前述べました。

労働者問題はAIが救世主になると言うシナリオもありますし、今後も経済成長は続く可能性もあるので、すぐに退場は今のところ考えていません。

また、ドットコムバブルの時は、まだインターネットの黎明期で、そのビジネスが机上のものだった可能性があります。

↓Wikipediaより転載
「アメリカ合衆国の大学を卒業したばかりの技術者やベンチャー起業家たちは、プレゼンテーションを配布するだけで多くの資金が集められるようになり、その企画書の多くは、投資家達にとって聞いたことの無く、説明されても理解できない語句で埋め尽くされていた。多くの起業主旨書は商業的可能性が疑わしく、あるいは技術的可能性について疑わしいものが含まれていた。 」

この2000年頃のネットバブルの最高値が約5000ドルであり、これを更新したのが2017年頃でしょうか。株価は期待値でもあるので、ドットコムバブル時の未来への期待が十数年後にようやく実現したとも解釈できます。

指数上昇の裏付けを考える

人類の技術は確実に進歩していますので、それと共に株価が上がっていくのは実体が伴っているのでよいと思います。しかし、コロナショック以降の株価高騰は、金融緩和・低金利の環境下によって起こっており、実体が伴っていない可能性があります。今後の利上げは、ここの調整が来ると思いますが、問題はそれがどれくらいのレベルの調整かによります。

ドットコムバブルとは違う部分があるとすれば、ドットコムバブルはIT企業やIT系材料なら何でも買われていたことにあると思います。しかし、このコロナ禍での高騰は、空虚なものではなく、実質的なものもあると考えられます。つまり、楽観的な見方としては実体が伴っているということです。

実質的な部分としては、コロナパンデミックによってテレワーク・DX化が進んだことです(セキュリティ、電子決済サービス、ビデオ通話など)。また家に引きこもることでネットショップやストリーミングなどのサービスも伸びました。医療ではmRNAワクチンの普及です。こうしたビジネスの進化は指数の上昇を裏付けてよいと思います。しかし、これを考慮しても、最近の指数は高騰し過ぎているのではないか、というのが私の主観的な見方です。つまり、この高騰は未来の何かが織り込まれていると言うことです。

未来に織り込んだ内容を分析

それでは何が織り込まれているのか、ですが、それを考えていきたいと思います。

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