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【社会人/博士/体験記】第2回「強くなるだけではつまらんぞ」

こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!

このマガジンは、
働きながら、「博士後期課程="社会人"博士」
を目指す体験談です。

前回の記事はこちら ↓↓↓



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ロールモデル

さて、博士後期課程への進学の勧誘を受けたといっても、
鳩はまだまだビジネススクールに入ったばかりの学生。

当時はとにかく、目の前の授業を乗り切るのに集中していました。


毎日をひたすら予習・復習・授業に費やしていましたが、
それでもふと、X先生のあの言葉が頭をよぎることがありました。

「修士号を取ったら、博士後期課程に進むこともできますよ


……不思議なことに、30近く歳が離れている私に、
X先生は以前から、どこか目をかけてくださっていた
ような気もします。


X先生は、私がビジネススクールに通うことを決める前にも、
企業向け勉強会が終わった後、2人だけで飲みに連れ出してくださったことがありました。

企業向け勉強会の理事を務められるだけでなく、
様々な学会にも所属してご活躍の大学教授に誘ってもらい、
あれこれとお話を伺うというだけでも大変刺激的でした。


そんな中、
「修士、博士と進学した後、大学教授へと転身」
というX先生のご経歴
を、鳩は知ることになります。


そのとき鳩は、

「オレは働かないで金儲けたいんだよォ~っ」

という、あっさい浅い生き方をしていただけに、
「なんとすばらしい志の方なんだ……」
と感心したものです。

思えばこれが、鳩にとっての、人生のロールモデルとの出会いだったのかもしれません。


慌ただしく静かな修士課程

さて、そんなX先生の、博士後期課程への勧誘を受けてから、1年……。

その間、企業向け勉強会の場などでX先生とお会いもしましたが、
コロナ禍に突入したこともあり、食事をご一緒する、ということはありませんでした。


そして、X先生から、あのヘッドハンティングの言葉を再びかけられることも、また、無かったのです。

(これはきっと、見極められているのだろうな……)

そんなことを思いながら、鳩は1年を過ごすことになりました。


「本気で勉強するつもりなら、黙っていても、自ずと声をかけてくるはずだ」
と、X先生は思っていたのかもしれません。



やがて、ビジネススクール卒業が近づいてくるにつれ、
X先生のお誘いと真剣に向き合う時間が増えていきました。

とはいえ、X先生のもとで勉強するのには、
正直なところ、迷いがありました。


鳩はビジネススクールで経営学を学んでいたわけですが、
X先生のご専門は、経営学ど真ん中、ではなく、
法律の素養なども求められる領域
です。

そんなX先生を前にしてわが身を振り返ると、
自分自身に専門性が欠けていることは、大きな不安でした。

また、ビジネススクール通いの自分には、研究の作法も備わっていません

そんな自分が、論文を書いて、博士後期課程を修了することができるのだろうか……。


しかし、と鳩は考えました。

X先生は、鳩のうっすい薄い経歴のことは承知の上で、

「(経営学に)強くなるだけではつまらんぞ」

と、声をかけてくれたはず。

いや、こうは言ってないんですけどね。心象風景……


「じゃあ、何とかなるんじゃねえか?」
と、鳩は前向きに考えることにしました。


そもそもビジネスクールに通い始めたときも、
スーツを着て働くよりも、作業現場の服を着て働いていた時間の方が長い若造が、
なんの専門性も無しに飛び込んだわけです。
今回だって、まあ、何とかなるでしょう。


というか、何とかすればいいのです!


そして、何より。

MBAの授業の慌ただしさにさらされていたときには、
(これは大変なことになったぞ……)
と思っていたはずなのに、

いざ、勉強漬けから解放された静けさを目の当たりにしたとき、
鳩の中には、「もっと勉強してみたい」という気持ちが芽生えていました。



「きっと向いているよ」

さて、ビジネススクールの卒業が間近に迫ってきた冬のこと。
私は妻に、博士後期課程への進学について相談しました。

ビジネススクールへの進学というだけでも、妻には十分すぎるほどの迷惑をかけていたこともあり、
この上、
「博士号をとろうか検討している」
などと伝えれば、
頭から真っ二つにされても、おかしくありません。



……と思っていたのですが、妻の返事は、
「いいんじゃない? きっと向いているよ」
という、ありがたいものでした。

鳩「ちなみに、向いているって、どういうところが?」
妻「自分の考えを人に伝えたい気持ちの強いところが」



そうか、自分は……。


自分の考えを、周りに発信したい人間なのか!



そんな妻の後押しもあり、
鳩の気持ちはゆっくりと、
しかし確実に、
次なるステップへと向けて固まっていったのでした。


さて、次回は、X先生への弟子入り志願の話を、つらつら書いてみました。↓↓↓

お楽しみに。
to be contined…

参考資料

・挿入マンガ①:星野茂樹(原作)、石井さだよし(作画)『解体屋ゲン』(芳文社)
・挿入マンガ②・タイトル:板垣恵介『バキ』(秋田書店)
・挿入マンガ③:寺沢武一『コブラ』(集英社)
・挿入マンガ④:横山光輝『三国志』(潮出版社)

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