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ウルトラ怪獣を紹介#6番外編「ウルトラファイト」

 本日はウルトラ怪獣の紹介、第六回です。前回エレキングの紹介から出た「ウルトラファイト」、「レッドマン」という作品が出ていましたが、皆さんはその作品についてほぼ知らないと思います。そこでその作品について知らない人向けに今回は番外編としてその一つ「ウルトラファイト」について紹介していきたいと思います。
 
 まず、「ウルトラファイト」とは前回の紹介に書いた通り、円谷プロ製作の短編番組です。この作品の誕生の経緯としては1970年に放映された大人向けの特撮ドラマの商業的失敗により赤字になってしまった背景がありました。
 そこで円谷プロは過去作品の「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」からの戦闘シーンを切り抜いた予算0で作った一回5分の番組となります。
 最初は、切り抜いた戦闘シーンを実況を付けただけの番組で放映しました。
 しかし、過去作品の戦闘シーンが少ない回が多かったことと、当時のTBSから130本作ってほしいという要望から切り取ったストックを使い果たしてしまいます。
 
 そこで、苦肉の策として過去に撮影やアトラクションのショーで使われていた怪獣の着ぐるみを再利用し、ウルトラセブンを主人公としてただ怪獣同士で殴り合うだけの映像を新たに撮影して流しました。
 制作に金をかけないことを徹底していたので、従来のウルトラシリーズのようなミニチュアセットを組むことは一切せず、また光線も使わずただ殴り合うだけの内容でした。
 さらに着ぐるみはアトラクションのショーで使われていた物のことから、本編とデザインが明らかに異なるものと経年劣化でくたびれたものばかりでした。
 また特殊撮影が使用されてないのでどう見ても等身大のスケールにしか見えないです。
 内容もBGMや実況も相まってどことなくコメディタッチになっており、例えば登場する怪獣達も掘り出すお宝や何気ない拾い物の争奪戦を繰り広げたり、プレゼントを贈られるも食べられないというだけでキレて殴りかかった挙句、銃や斧などの武器を持って戦ったりするなど何でもありでツッコミどころが満載でした。
 
 このように普通のウルトラシリーズとはかなり趣が異なる作品であり、出涸らしのお茶の作品とも言われました。
 しかし、なんとそれが予想外にヒットし、次回作「帰ってきたウルトラマン」といった第2期ウルトラシリーズを生み出す原動力となった意義が高い作品だったと言われています。
 後年ではその作品のリメイクである「ウルトラスーパーファイト」や近年ではストーリーが整った「ウルトラギャラクシーファイト」などが作られるなど今でもコアなファンも存在しています。
 
 一つの回が5分弱で気軽に見れると思います。もし機会があったらぜひこの作品を見てはいかがでしょうか。次回の記事では「レッドマン」について紹介したいと思います。