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星間空間ってなにがあるの?

 星と星は光速でも数年かかるほど離れています。それでは星と星の空間には何があるのでしょうか?星間空間には完全な真空ではなく、様々な形態でガスや塵が存在していることが分かっています。今回は、星間空間にある3つの星雲について紹介していきたいと思います。
 
 まずはじめに、暗雲星雲について紹介していきたいと思います。下の天体写真をよく見てみると、天の川で所々黒く塗りつぶされた様になっているのが分かると思います。この部分を暗雲星雲といいます。暗雲星雲は、星間空間を漂っている星間塵が、遠方の星の光を遮る領域のことです。暗雲星雲は詳細に観測すると、筋状になっているものが多く、この構造を”フィラメント”や”星間フィラメント”といいます。また、私たちが普段見ている雲は水や氷の粒などから出来ているが、宇宙の雲は、ガスと塵から出来ています。

 暗雲星雲は天の川の方向に多く存在し、天の川から離れると少なくなっていきます。そのため、天の川方向の星の光は可視光では届きにくくなっています。
 
 次に、輝線星雲について紹介していきたいと思います。下の天体写真を見てみると、赤く光る星雲が見えるのが分かると思います。この部分を輝線星雲といいます。輝線星雲は、紫外線を多く出す高音の星(O型星など)の近くに存在しています。それではなぜ赤く光るのでしょうか。星間ガスを構成する主要な成分である水素原子に紫外線が当たると、原子核と電子がバラバラになる電離という現象が起こります。そして電離した電子は、再び陽子と結合します。このときに色々な波長の輝線が発生し、そのうちの1つが写真で赤く写るのです。輝線星雲を輝かせているO型星などは、寿命が短いため、輝線星雲があると言うことは、最近星形成が起こったことを意味しています。

 最後に、反射星雲について紹介していきたいと思います。下の天体写真を見てみると、青白く光る星雲が見えるのが分かると思います。この部分を反射星雲といいます。反射星雲は、星の光を塵が散乱することで発生します。星間空間の塵は、光の波長程度の大きさであるため、波長の短い光をより効率的に散乱します。そのため、青白く輝いているのです。また、反射星雲は輝線星雲と比べると温度が低い星の周囲に見られます。低温の星は、ガスを電離させるほどの紫外線を出していないため、輝線星雲にはならないのです。

 今回は星間空間にある3種類の星雲について紹介していきました。宇宙にも雲があることはご存じでしたでしょうか?この記事を読んで、地球とは少し違う宇宙の雲について興味を持ってくれると嬉しいです。