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10回×3セット

フィジカルコーチのMBです。

選手のトレーニングを見ていて、10回×3セットというメニューを見かけることが多い。その回数セットにどんな意味があるのかと聞くと・・・

「とりあえず、筋力落ちないように入れてます!」と言う回答。

10回×3セットはなんとなくで決めている。正直、MBもあまり知識が学生時代に同じことをしていた。


人間の身体機能というのは普段与えられている刺激の強さに適応して変化する。刺激が強ければ機能は高まり、刺激が弱ければ機能は低下する。特に、筋肉はその傾向が強く出る。

普段経験する刺激に比べて、より強い運動刺激を継続的に与えると、その刺激に適応するように機能が高まる。


このときに与える強い刺激のことを「オーバーロード(過負荷)」と言う。


筋力トレーニングを始めたばかりの選手は、まずはやればやるほど筋肉の機能は簡単に向上していく(適切な負荷・回数ありき)。このことを「トレーナビリティー」と呼ぶ。


しかし、その負荷や回数、強度などを上げずにいると増加していた筋力が下がったり、効果が上がらなくなる。

なぜなら、その負荷に身体が慣れてしまうことと、動作技術が向上してしまうためだ。これらのことから、今の筋力レベルに合わせてトレーニング強度も段階的に上げていくことが必要になる。


段階的に負荷を上げることを「漸進的過負荷」と呼ぶ。上手にオーバーロードし続けるためには、トレーニングの目的に合わせて基準をつくることがポイントとなる。

筋肉を大きくしたいのか(筋肥大)
筋肉が出す力を大きくしたいのか(筋力)
筋肉の持久力を高めたいのか(筋持久力)



その目的によってトレーニングを設定する。以下を設定することで筋力トレーニングの効果は変わってくる。

①強度(負荷)
種目、重さ、スピード、可動域
②トレーニング量
回数、セット数
③レスト時間
セット間のインターバル、種目間の休憩時間


話は戻るが、10回3セットのトレーニングには3点の要素を加味して設定されているだろうか。個々によって体格、筋力レベル、コンディション(疲労状態など)は違う。10回×3セットの一択があまりに汎用性がないものかと言うことがわかる。


ましてや、10回×3セットしても身体にもパフォーマンスにも何の変化がないというのはやる意味が非常に薄い。つまり、やっているだけの筋力トレーニングなってしまっている可能性が高い。


結局、自分の目的・目標に合わせたトレーニングを組み立てて実行することが一番大切になってくる。

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