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第475回:顔も知らない人に浴びせる喜怒哀楽、嫌われる勇気

不安とタスクに押し潰されそうです。でもなんとかかんとか頑張るしかない。
なので今日は、ずっと返していなかった数十件のLINEを一斉に返しました。久しぶりに、赤いバッジのついていないLINEアイコンを見た。心の中に沈殿していた、「さっさとすれば早く終わるのに、勇気と力が無くて出来なかったこと」を勢いで消化した。長く返信してなくてごめんなさい。これからは通知を頑張って溜めないようにする。

LINE返すの猛烈に苦手なんだよな。相手がどういう顔してるかわかんなさすぎて。あと、相手がこっちのことをどう思ってるか分からないから、どのタイミングで返せばいいのか分からない。すぐに返信して「何こいつめっちゃ返信早いじゃんキモ……ブスのくせにLINEに張り付いてんのかよ……」と思われんのが怖い。だからいつも返信はタスクの中でも後回しになってしまって、緊急じゃない連絡はどんどんトークリストの下へ下へと押しやられてしまい、知らん間に3ヶ月とか経ってる。

ダメなことなのは分かっているけど、どうしても指が動かない。Twitterのリプとかも返すの時間かかるし、DMも溜めたりしてしまう。溜めたら溜めたで、次どういうテンションで返事をすればいいか分からない。結局どこでも謝罪から入ることになってしまって、テンションが下がる。さっさと当日のうちに返事をすれば済む話なんですけどね……

面と向かっての会話がすこぶる苦手なんだから、せめて文章での会話は得意であって欲しかった。文章での会話もめちゃくちゃ下手くそ。もう私の脳みそ自体が、誰かとの関わりに向いていないんやと思う。
悲しいな、そう思うと。もうダメだ、私は。こんなにも人との関わりを求めているのに、人と関わることが下手。悲しきモンスター爆誕。触れるもの全て傷つける。せめてシザーハンズのように心優しき青年ならよかったんやけど、こちとら性格も顔面もブスな芋女。何もいいところがない。

そうは言っても寂しいもんは寂しい。寒さと寂しさでとち狂った私は、何を思ったかチャットアプリをインストールする。
昔さっと描いた女の子のアイコンにして、適当な女の子の名前と適当な年齢を入力すれば、そこには私とは繋がらない私の分身が出来上がる。私のイラストとはいえ女の子のアイコンなもんだから、いくらでも男の人がチャットをくれる。
でも全員面白くない。どっかで拾ってきたイケメンアイコンを使っている、どんな顔してんだか分かんない男。ちょっとでも隙があれば下ネタ。まあそういう人たちじゃなきゃやんないよな、チャットアプリなんか。

じゃあ私、一体何を求めてチャットアプリなんか入れたんだろう。ただ誰かと会話したいだけ〜とか言いながら、結局相手に「面白い話」を求めている。何を持って「面白い話」って言うんだろう。一方的に、顔も知らないやつに急にすべらない話をされたとて、結局つまんないんだろうなと思う。じゃあ私、何を喋ってくれたら面白いと思えるんだろう。

分かんなくなって、その日のうちにアプリをアンインストールする。分かんない。何もかも分かんない。私はどうしたかったんだろう。どうなりたかったんだろうね。

「私」という個人を、相手に知覚させたかったんだろうな。私という人間が、この日本のどっかで生きていて、笑ったり泣いたり怒ったり楽しんだりしていることを知ってほしかった。
けどそんなこと相手にとっちゃマジでどうでもいい。っていうか、私だって、相手の存在とか今日の喜怒哀楽なんかどうでもいい。自分でもどうでもいいと思うことを、人には理解しろと押し付ける最悪な人間であることを、自分自身が知覚する。

でもさぁ、じゃあどうしたらいいんだよってな。思うんだよ、私は。この最悪な人間がこの先生きていくにはどうしたらいいんだよ。もう顔も知らない、絶対私と一生関わることの無い人間に、一方的にぶつける以外に方法がないじゃないか。私自身が嫌われても痛くも痒くもない人間に、一方的にぶつけて一日で嫌われて、はいさよならって、そうするしかないじゃないか。
と、思うわけです。だからいつだってインターネットに帰ってきてしまう。リアルを捨ててインターネットの世界に没頭すれば、そこでは誰も「私」の事なんて知らない。知らないから、なんでもぶつけていい。知らない人からなんかをぶつけられたって痛くも痒くもないし、知らない人に嫌われたって痛くも痒くもないから。

だからこうして無茶苦茶な主張をインターネットの大海原に流すことで正気を保っている。私のことを好きな人だけ周りにいてくれればいい。「私のことを好きな人」が具体的に誰かなんて知りたくない。勝手に好きになって、勝手に嫌いになってくれたらいい。私の知らないところで。

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