専門家じゃなくても詳しくなくても、「楽しかった」という言葉は誰でも使える

サカナクションのオンラインライブ、「アダプトONLINE」を観たので備忘録。

いや~、最高でございました。私は言うほどサカナクションに詳しくないので、詳しい弟に解説してもらいながら観たんですけどもね。

普通、アーティストがライブをする時って、シングルを出す→アルバムを出す→ツアーをする→オンラインライブをする、の流れらしいのね。でも今回サカナクションは全く真逆のことをするらしい。なので、一番最後にアルバムが出る。来年の3月だったっけな、それくらいにアルバムが出るみたいね。

詳しいことは言わないけど、今回のライブめちゃくちゃ楽しみにしてたのよ。演出がね~、田中裕介氏だって聞いてね。

田中裕介氏の作る映像、もうマジで全部好き。サカナクションのMV、「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」とか「多分、風。」、「さよならはエモーション」の映像を作ってはる方なんやけど、全部めちゃくちゃ好き。なんなんだろうな、あの絶妙で個性的な空気感。私はああいう小説が書きたい。

で、その田中裕介氏の演出でオンラインライブって言うんだから、良くないわけがねえのよ。本当に、どの角度、どの場面も絵画みたいに綺麗。どのシーンも、映画か? ってくらいストーリー性があって飽きが来ない。カッコいいぜ……

しかもバカでかいセット建てちゃって……いつも大赤字だって言ってるのに懲りずにまた四階建てのめちゃデカアーティスティック建造物建てて……しかも一曲しか使わないセット組んじゃって……何やってんだもう……好きだ……

どの曲もどのシーンもすっごい楽しかったけど、やっぱりいつでもDJタイムが一番楽しいね。日本人ってダンスの文化全然無いし、もちろん私もダンスなんかやったことも無いんやけど、あの時間だけはマジで勝手に体が動くもんな。ダンスミュージックって、ちゃんと勝手に体が動くの面白い。リズム感も無いしカッコいい動きでもないけど、それでもこの音楽に乗りたい、っていう気持ちが湧くの楽しかったな。行ったことないけど、クラブとか行くのってそういうことなんだろうな。暗くて、人の顔もちゃんと見えない、向こうからもこっちの顔なんてろくに見えない、ダンスミュージックがガンガンにかかってて、みんなそれに乗るためだけに来てる、その全部が合わさった安心感。みんなあそこに行きたいんだろうな。分かる気がする。一回行ってみたいな。

今回のサカナクションのオンラインライブ、「演劇×MV×ライブ」みたいなテーマがあったと聞いてたんで楽しみにしてた。それも後を引く演出ですごいよかったな。

これは個人的な勝手すぎる考察なんやけど、最初女の子が透明の箱の中に閉じ込められているところから始まる。で、「なんてったって春」って曲がかかるから、箱の中に閉じこもったまま「大人になってった」ってことなんだろうか。心の中は何かに閉じ込められたままで、現実世界もあまりうまくいってない感じ? でも途中でサカナクションという「音楽」に出会って、「目が明く藍色」で少し将来が明るくなる……みたいなストーリーとざっくり捉えたんだけど合ってんのかな。まあ合ってなくても、最高に楽しかったからいいか。

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