人間は愚かで醜い、だから可愛い
最近の日記で、私はよく「人間は愚か」とか「人間は醜い」とか言うてると思うんやけど、別に私は世界征服を目指す魔王ではない。ただ、「人間」っていうカテゴリがあまりに嫌いすぎるだけなんよね。これを言うと変な風に捉えられるかもしれんのやけど、「人」が嫌いなわけではない。だから、人に愛されたいとも思うし、寂しい時は人に頼りたいとも思う。ただ、生物として「人間」が本当に苦手なんよね。ふわふわもふもふしてるわけでもなく、どうでもいいことをぺらぺら喋る口はついていて、変に脳みそが発達しているせいで富とか権力とか名声とか、何にもならん物を求める。承認欲求がどうのとか、自己肯定感がどうのとか、小難しい言葉ばっかり発明するだけして、自分は消費することでしか命を保てない。こんな気味の悪い生き物が、全世界にいっぱいおるってのがとにかく怖くてキモいな、と思ってる。
ただ、厨二病チックな言い方をすると、「人間は愚かで、醜い」からこそ美しいみたいなことも思ってるんよね。
動物の仕草に思わず笑ってしまうことってあるやん。思わず微笑ましく思う動物の仕草って、だいたい「失敗」じゃない? 例えば、足が短すぎてうまく走れずズッコケる子犬とかさ。氷の上で滑って水に落下するペンギンとかさ。わたあめを洗おうとして溶かしてしまうアライグマとかさ。酸欠になるまで鳴き続けてぶっ倒れるニワトリとかさ。
これの最たる例が、愚かで醜い人間なんじゃねえかと思うわけ。自分語りで申し訳ないけど、自分の創作では「これ」を書きたいんよね。今の世界ってさ、いかに自分をよく見せるかで競ってるとこあるやん? インスタでは綺麗な飯とか景色とかブランド品の画像を載せるし、Twitterでは小難しい言葉を並べてバズろうとするし、Tiktokでは加工フィルターつけて踊るし。
綺麗なもんばっかり見てると、悲しくなってくる。自分が情けない人間であることが恥ずかしくなってくる。でも、本来人間って、愚かで醜いから美しいものなんよ、きっと。無理に綺麗に取り繕おうとせんでも、元々が美しいはずなんよね。
自分で自分にそう言い聞かせるために、情けない人間の物語を書きたいと思うのよ。情けなくて恥ずかしい人間は、多分世界で一番美しくて、可愛いはずなんよ。取り返しのつかん「失敗」をする人が、世界で一番美しくあるべきなんよ。
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