多分「作り置き」って一人暮らしの人しか達成できんミッション

「作り置き」が出来た試しがない。

ほぼ毎月、「作り置き」しようと心に決める瞬間がある。
っていうのもな。「定食」ってめっちゃ良ない？
「定食」にめちゃくちゃ憧れる。あの品数。ご飯と、みそ汁、メインの肉か魚の料理に、小鉢が2つと、ちょっとだけお漬物。あの、品数。品数があるから、豪華に見えんのよ。でも、豪華でいて見事なワンセット感。あの絶妙な「ワンセット感」を演出してんのは、どう見ても小鉢。

毎日毎日、小鉢に入れる分だけのおかずを作んのはあほらしいやんか。でも、メイン料理にちょっと小鉢、添えたいやんか。
そこで「作り置き」の出番なわけよ。
大きめのタッパーとかにさ、和風のおかずやら洋風のおかずを大量に詰めといて、毎日ちょっとずつ食う。これよ。これがしたいわけよ、私は。

けど、一度も出来たことない。
理由は簡単よ。うち、住んでるの私一人やないからさ。
作ってるときは、あ～これちょっと作りすぎたかもしれんな～！　って思うんやけどさ。小鉢を家族の人数分出して、そこに料理を分けていったらさ、意外と全然残んねえの、これが。さっぱり残りゃしねえ。もし小鉢を誰かがおかわりしてみなさいよ。もう無いから。全然「作り置」けてないから。その日のうちに無くなる物なんか、「作り置き」でもなんでもないから。

いっつも思うんよ。あ、うち家族多いから、思ってるよりいっぱい作らんとあかんねやなって。確かに思うんやけど、次回「作り置き」のモチベが溜まった頃にはもうすっかりその時の悔しい気持ちなんかさっぱり忘れてやがんの。自分が思ってる倍作らんと明日まで残らんくせに、やっぱりレシピよりちょっと多めの量しか作んねえの。馬鹿なん？

でも、これがたまに大バグを起こすこともあってな。
半年に一回くらい、自分でも「は！？」って言う量の作り置きおかずを作ってしまうことがある。大抵、何かすげえ疲れる仕事が終わった直後とかこれになりがち。この間は、両手に抱えないと持てないくらいのでけえボウルいっぱいにポテトサラダ作ってしもた。なんで？
しかも、作ってる最中も何となく意識があんのよ。
「あ～、これ、あ～、今、完全に、あ～、じゃがいもの皮剝きすぎてるわ、あ～めっちゃじゃがいも切ってる、これに合わせて人参ときゅうりとハムを切ったら、あ～、じゃがいもの倍くらい他の具がある、これに見合う量のマヨネーズ、あ～、新品のマヨが、半分くらい空になって、あ～、あ～！」
……って思いながら作ってる。アホの子なん？

で、案の定途方に暮れる。こないにどうすんの？　
大体そういう時はどっかにおすそ分けしたりとか、なんやかんや1週間かけて全部食ったりとかして消費しきるんやけどさ。
作りすぎてもなんとか消費出来るのがすごい。うちは毎日弁当も家族分作るから、そういう時に作りすぎた料理は超絶便利。ただ、作りすぎた料理が前述のポテサラとかやったらまだええのよ。たまにカレーとか作りすぎる。パスタソースとか。メイン料理を作りすぎた時の絶望はすごい。毎日毎日メインが一緒やとさすがに飽きんで。
この間は調子乗って天ぷらを揚げすぎた。あれは過去一の失態やった。天ぷらって、揚げたその日が一番美味くてあとはもう「美味」が下降していくだけの料理やから。弁当に入れたらべちゃべちゃになるし、どんなにトースターでチンしてもカリっと戻ることはない。比較的「マシ」な「2日目以降の天ぷら」っていう域から抜け出せない。最悪。天ぷらだけは揚げすぎたらいけんで、覚えときや。

意図せず「作り置き」になったものって、結局その後の処理に困るのよ。でも、「作り置き」料理っていうのは、「作って置いておく」ことを前提として作るから困らない。しかも、「作り置き」するのって何日同じのが出てもまあ許せるなっていう副菜が普通やんか。さっと取り出して、さっと使える。一品足りへんな、っていう時にちょっと食べれる。それが「作り置き」なわけで。

ちゃんと「意図した作り置き料理」を作りたい。いつかちゃんと成功してほしいな。そんで、ちょっとええ「鮭定食」を作って朝ご飯にして食いたい。