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第423回:5年ぶりに行ったライブで、正式にヲタクを卒業した気がする

5年ぶりに、「もう一生行く機会は無いんだろうな」と思っていた関ジャニ∞のライブに行ってきました。

▼▼▼注意!この記事には関ジャニ∞ライブのネタバレを含みます!!!!!!!▼▼▼

5年前、ジャニヲタを辞めた。まあジャニヲタなんか「始めます!」言うて始めるもんでもないから、辞めるっていうのも大袈裟なんやけどね。
正直、ジャニヲタ時代の私は文字通り狂ってた。グッズは全部買う、CD・DVDも全部買う、ジャニーズショップにも通う、雑誌が出たら全部買う、出てるテレビは全部録画、ライブ行くのは当たり前。どうせステージの上からなんか見えやせんのに、「うちわはヲタクが推しに愛を伝える唯一の道具や!」と信じて疑わず、死ぬほど時間をかけて作ったりもしてた。

ガチ勢時代のうちわ


関ジャニ∞の「罪と夏」っていう曲が出た時は泣いた。推しが、「今 君の八月の全てくれないか?」なんて歌うもんやから、私は泣きながら「八月どころか人生の全部をくれてやる」と誓った。本気やった。本気で人生の全部をくれてやるつもりでヲタクをやってた。

けど、人間っちゅうのは勝手なもんでな。
「人生の全部をくれてやる」なんて意気込んでたくせに、すぐヲタクをやめる。
すばるくんが脱退したとき、生涯のうちの15年分くらいの涙を流した。でもそのときはまだ、「1人減ったからなんだ、俺は人生の全部を捧げると誓ったんやぞ」とヲタクをやり続ける覚悟があった。
ただ、錦戸くんが脱退したときはかなりこたえた。錦戸くんは、すばるくんが脱退する会見の時に、「今度は俺が引っ張っていく(意訳)」と言ってて、私はそれを信者のように盲信してしまっていたから。ぷつんと何か張り詰めてたものが切れたような気がした。あ、アイドルって永遠じゃないねや。
次のライブに行ったとき、「ここはもう私の居場所では無くなってしまった」と思った。どんなときにも、いなくなった2人の面影を追いかけてしまう。ここのパート、錦戸くんがこうやって歌ってたな。あ、今のところ、すばるくんがおったらこういうトークになってたんやろうな。このダンスでこの二人の絡みがあったよな。もうあの2人のユニットは見れないんだな……
失礼すぎるよな、現メンバーは一生懸命やってくれてるのに。ヲタクとして一番すべきことは、今の状態のグループを愛することなのに、私と来たらいつまで経っても過去に縛られたまま。どんなに現メンバーが笑わせようとしてくれても、ただただ悲しくなっていくだけ。そんな状態のヲタク、会場におってほしくないって。いつまで経っても赤色のリストバンド巻いてる奴、会場におらんといてほしいって。

そういうわけで、5年前に私はジャニヲタをやめて、もう二度と行かないでおこうと思った。私というヲタクの存在は、あまりにも失礼やから。

でも、友達から電話がかかってきちゃったわけよ。「12月25日、チケット取れたんやけど一緒に行ってくれへんか」と。
すぐに断ろうと思った。行くべきじゃないから。私のようなヲタクは。
でも、行くことにした。それは、日付が12月25日のクリスマスやったから。

私は、「関ジャニ∞の曲の中で一番好きなのは何?」と聞かれたら、必ず「キミへのキャロル」と答える。
キミへのキャロルは、2015年12月に発売されたシングル「侍唄」の、カップリング曲。簡単に言うと、テレビなんかじゃほぼ100%披露されることのない超マイナー曲。でも私はこの曲がもうマジでマジでマジで大好きで、いつか生で聞きたいと思いながらジャニヲタ人生を過ごしてきた。でも、聞けないままジャニヲタを辞めてしまった。
というのも、関ジャニ∞は意外とクリスマスソングや冬曲のレパートリーが多い。冬のライブやクリスマスのライブでも、他の曲が選ばれることが多くて「キミへのキャロル」はあまり歌われてこなかった。と、記憶している。違ったらごめん。ただ、私がこれまでずっと生で一度も聞いていないのは確か。

もしかしたら、と思ったわけ。12月25日、なにせクリスマス当日よ。クリスマスイブでもなく、クリスマス当日。もしかすると今回こそは、歌ってくれるんじゃないか。通常セトリに含まれていなくても、クリスマス特別メドレーなんかがあれば、そこにギリギリ入ることもあるんじゃないか。

そう思ったから、行くことにした。クリスマス当日にライブが当たることなんか、もう二度と無いかもしれんのやから。

5年ぶりのライブ会場、超懐かしかったな。
スモークでうっすら濁った会場、小さい音で流れる関ジャニ∞の曲、制御ペンライトがテストで一斉に変わる様子、そわそわした空気、5分前から始まるエイトコール。懐かしかった。マジで全部懐かしくて泣きそうになった。たった5年行ってないだけやのに、もう20年くらい行ってないような気がした。

ライブが始まったら、3曲目に流れてきたのは「EJ☆コースター」っていう曲やった。その時点で私の涙腺は崩壊した。
「EJ☆コースター」は、2014年に発売されたアルバム「関ジャニズム」の曲。私が初めて行ったライブの、一番最初の曲がこれだった。私にとってめちゃくちゃ思い入れのある曲。これが3曲目に来たら、もうダメじゃん、それは。

そこからジャニーズメドレーを挟んで、次はクリスマスメドレー。
なんかもう、人間って本気で感動したら喉から「ヒッ」っていう声しか出んのやな。「キミへのキャロル」のイントロがかかって、うちわへし折れるくらい手に力入った。私は8年間想い続けた曲を、やっとここで聞くことができたわけだ。
やっぱ最高なんだよな、「キミへのキャロル」。歌詞が良すぎる。なんていうか、泣かせる感じの曲じゃないのよ。どっちかっていうと、面白い感じの歌詞ではある。でも、それがまた「関ジャニ∞」っていうグループにぴったりすぎんのよ。ちょっとダサいのに、めちゃくちゃカッコいい。関ジャニ∞の曲の中で、最も関ジャニ∞らしいと言っても過言ではない。ちなみに次点は「罪と夏」。

もう「キミへのキャロル」を生で聞けただけでお腹いっぱいの私。さあ後はただただ楽しませてもらおうかい、と思ってたら。
今度はエイトレンジャーが始まった。しかも、一番初期のスーツで。
エイトレンジャーっていうのは、関ジャニ∞が初期からずっとライブでやり続けてるコント。全員が戦隊ヒーローみたいなスーツを着て、ステージの上でドタバタコメディをやる企画。映画にもなった。
映画になって、予算がもらえるようになって、レンジャースーツも進化した。カッコよくなったり、装備が増えたり、動きやすそうになったりもした。でも、ここで一番初期の、一番ダッセぇやつで登場。エモい。エモすぎる。さすがにエモすぎる。戦隊ヒーローには欠かせない赤と黄色がいなくなって、もう二度と見れないのかと思ってたのに。ちゃんとやってくれた。しかも、違う涙が出るくらい面白かった。

はあ、もう大丈夫、お腹いっぱい。腹10分目。もう後はゆったり楽しませてもらいますよ、と思ってたら。
今度はキャンジャニちゃんが出てきた。
キャンジャニちゃんは、関ジャニ∞の妹分。まあ簡単に言うと、関ジャニ∞メンバーが全員女装してセーラー服で出てくるってだけやねんけど。元々はキャンディークラッシュっていうゲームのCM企画で始まったやつやのに、いまだにやってくれるなんて。しかも全員めちゃくちゃ可愛い。初めてのキャンジャニちゃん登場ライブも見てたっけな。本当に可愛いし、こっちもめちゃくちゃ面白かった。

さすがにもう大丈夫、もう腹120分目くらいまで来てる。もうこれ以上のことは起こらんやろう、と思ってたら。
バンドパートで横山くんがギター弾いてた。ここで私の涙腺はキャパを大幅に超えた結果破裂した。横山くんが、ギターを弾いてる。
横山くんは、バンドではずっとパーカッションを担当してた。でも、途中からトランペットを始めて、バンドの幅を大きく広げた。最初はお世辞にもあまり上手とは言えなかったトランペットも、月日が経つごとにどんどん綺麗な音色になって、音の震えもなくなって、それを聴いてるだけで涙が出た。あんなに忙しい人が、今から新しい楽器始めるんかよ。しかも、めちゃくちゃ練習して上手くなるんかよ。なんでそんなことができるんだよ。
そう思ってたら、今度はギターを始めたのか。すばるくんと錦戸くんっていう2人のギター奏者がいなくなってしまったから、それを補完するために。あんなにも忙しいのに。朝ドラとか出てんのよ? なのに、また新しい楽器を始めたのか。なんでそこまでできるんだ。忙しいからって、見ないフリしてればよかったのに。それができないんだよな、お兄ちゃんは。

安田くんが元気に飛び跳ねてたのも、涙腺崩壊ポイントだったな。でっかい手術して、一時はダンスもできなかったのに。思えば私が最後に見たヤスくんは、ターンができなくてゆっくり動いている姿だったっけ。ダンスがめちゃくちゃ上手くて、誰よりもキレがあったヤスくんが踊れていない姿を見て、本当に死ぬほどつらかった。でも、今回のライブでは、飛んでた。誰よりも高く飛んでた。ターンもできてた。楽しそうだった。

腹は200分目を迎えて、完全に油断した私の耳に飛び込んできたのは、「ひとつのうた」っていう曲だった。
これは、私が関ジャニ∞のライブに初めて行く時から、「生で聞きたい」って言ってた曲。つまり、約10年間「聞きたい」って言い続けてた曲。もう一生聞けないと思って、完全に諦めてた曲。

それを聴いた瞬間、「あ、終わった」と思ってしまった。
終わった。私、もう何の未練も無い。キミへのキャロルも生で聴いて、初期スーツのエイトレンジャーも見て、期間限定だと思ってたキャンジャニちゃんがまた見れて、関ジャニ∞が新たなステージに進んでる瞬間も見て、しかも10年言い続けてたひとつのうたまで聴いちゃった。私もう、何の未練も無くなっちゃった。

帰り道、完全に燃え尽きた顔で、「今回のライブは私の卒業式になってしまったな」と思った。私がちゃんと未練を断ち切って、ジャニヲタを卒業するためのライブ。心残りが何一つ無くなってしまった。「アレをいつか聴くんだ」って心のどこかで思ってたものが、全部解消されてしまった。

また友達に誘ってもらうことはあるかもしれんけど、多分もう二度と、自分からライブに行くことは無いんだろうな。本当は、今回のライブでみんなに惚れ直して、もう一度ヲタクに戻りたいとも思ったけど。でももう、私にはヲタクをするための体力は残っていない。今回のライブで全部使い切ってしまったな。
私のクッソ暗くて、どうしようもなくて、じめじめした青春に、弾けるような色をくれてありがとう、関ジャニ∞。青春の全てを捧げさせてくれてありがとう。友達もいなかったし、特に先生に好かれていたわけでもなく、成績がいいわけでもなかった私を、夢中にさせてくれてありがとう。夢をくれてありがとう。
馬鹿でどうしようもない私は、今回のライブの綺麗な思い出だけ持って行こうと思うよ。酷いヲタクで本当にごめんね。


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