女であるゆえの堂々巡り

無職になって、感染症のあれもあって、外に出ることもない。今、ジーパン２本と白T２枚で毎日過ごしてる。すごくない？　22歳女とは思えないラインナップ。

最近、あまりに白Tを着倒しすぎて、首元がよれっよれになってきよった。毎日洗濯してハンガー通すもんやから、首元がよれてよれて。マスクしてるし髪の毛もびっくりするくらいショートになったもんやから、誰も私と気付かんやろうと踏んでそのよれたTシャツを着続けてる。

服買わんとあかんな～とは思いつつ、買う気になれん。
多分服自体はそんなに嫌いじゃないねんけど、気が進まんのよな。服自体があまり嫌いじゃないからこそ、私みたいなやつが着たら可哀想なんやないかと思ってしまう。
デブなのよ。ほんまに。
可愛いな～と思う服はあるけど、可愛い服ってのは柄とか色とか以外に「形」も含めて「可愛い」なんよな。デブがそれを着ると、「形」が変わってしまう。可愛かったはずの服の可愛さが半減どころか皆無になってまう。それが可哀想。せっかく可愛いのに。

そう思ったら服が買えん。形の可愛いTシャツだって、くびれが無かったら「可愛い」にはならん。袖の可愛いブラウスだって、二の腕がパンパンやったら「可愛い」にはならん。一見デブでも履けそうなオーバーサイズのパンツも、やっぱり形がおかしくなってしまう。

つまり、服を買おうと思ったら体型を変えんとあかん。別に買うだけなら買ったらええんやけど、鏡見る度可哀想になってしまうし。しかも服ってそんな安いもんやないから、サイズが合わんとか思ってたんと違うとか、そんな簡単な理由で次を買えるようなもんでもない。

服を買うために体型を変えようと思う。
毎日一生懸命ストレッチしたりマッサージしたり筋トレしたり。ちょっと食いもんに気を付けてみたりも結構してる。
間食我慢したり、酒の量減らしたり、脂を避けたり、なるべく炭水化物取らんようにしたりとかな。

けど、それをやってるとふと虚しくなる。
「いや、顔がブスの奴が痩せたところでどうにもならんくない？」

これよ。もうずっと、何年もこの堂々巡りを繰り返してる。
服を買うために体型を変えようとして、体型を変えるためにちょっとでも顔をマシにしようとメイクを変えようとして、メイクを変えるために服を買おうとする。
いつまで経っても、どれも進まん。同じとこぐるぐる回ってるだけ。この時だけはループ物の主人公気分。

段々パジャマの質感に近付いていくTシャツ。どんどん溜まるだけ溜まっていくメイク道具。カメラロールを圧迫するダイエット法のスクショ。こんなんだけが焦りを増幅させてる。どこから手を付けたらいいのかマジで分からん。

正直、この3つに関しては、ほんまに己の優先順位の中で低めの位置にある。服なんか局部が隠れてりゃいいっていう「手越論」の信者やし、好きなもん食って自堕落な生活したい。でも、世間はそれでは許してくれんのよな。美しくなければ、綺麗でなければ、凝ってなければ、許されない。女やと尚更。たかが二分の一の確率で引き当てただけの性別やのに、それだけで「美しさ」みたいなもんを求められる。

私だって美しいのは好きよ。綺麗な女の人、可愛いアイドル、スタイルのいいモデルさん、大好きやからね。でも、自分がそうある理由って別にない気がする。そりゃ自分が綺麗な方がやる気は出るやろうし自己肯定感も違うとは思う。隣を歩く友達に、「うわ……こんな奴が私の友達なんかよ……」って思わせることも無いと思う。

それはそうなんやけど、そこまで重要視されるべきことじゃなくね！？　っていつもキレ散らかしてしまう。重要なのは中身です、とかほざくくせに、見た目で判断するんかいなっていう。
「外見は中身の一部」みたいな言葉を聞いたことはあるし、それ自体はその通りやと思う。でも、最低限清潔感があって、最低限自己管理も出来てたらそれでよくないか？　自己管理してたって太る体質の人間もおるんやぞ。ふざけるな。

とにかく、今はどっから手を付けようか途方に暮れている。出来れば痩せてほしい。他力本願で。