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異世界転生した証券マンが金の力で魔王を倒す話2

暖炉が見える、周辺が薄暗い、俺は転生したのか….やけに体が小さいな。手をぐーぱーさせてみる。

ステータス表示 レベル1 職業:賢者の赤子
各種ステータス 
HP20 MP20 EXP5/100 ATK1 DEF1
 20000000GOLD

ヴんという小さな電子音とともに自分のステータスが表示された、神から言われた通り20000000GOLDがあるがこの世界の通貨の使い方がよくわからない、ある程度年を取って街に遊びに行った際金の払い方を見てみよう、もう一度手を握るとステータス表示は消えた。

暖炉のそばにある姿鏡に自分の体が映る、幼児、2,3歳ぐらいか?「あーあー…らんろ、いす、ちゅくえ」指差し確認をしてみる、思考回路が大人のままなのに発音は呂律の回らないガキだな「きゃっきゃ」この体系ならなら手の可動域はこんなもんか、ロッキングチェアに座って俺をニコニコとした顔で見ている男と女がいる。俺の両親か、顔面偏差値と身なりからして中級界流といったところか、まずまずだな。馬鹿な貴族の二世に生まれるよりか100倍マシだ。「ぱーぱ、まーま、まんま」ぐ~と腹が減った、何か食いたい。サラダチキン以外の何かを

母「それじゃあリゾットにしましょうかね」「きゃっきゃ」思わず笑みがこぼれる、人が作る飯なんていつぶりだろう。日常の無駄を省いて18のころから強者男性になるためにいろんな無駄を省いて厳しい環境に身を置いていたが本来人という生き物は締め付ければ締め付けるほど心は貧しくなっていく。無理してダイエットをした人が反動でさらに太ってしまうのと同じ原理だろう…

「りぞっとんま!」

なんだこれシチューご飯にチーズを入れたものか?こんな杯カロリー食品を食ったのは実家に帰ったときとチートデー以来だ。

父「こらこら、ママのご飯はおいしいけど逃げないからもっと落ち着いて食べなさい」

優しい父親だ、俺の元の世界の父親は病気でずっと昔に死んでしまったからあんまり記憶がない。

そんな生活が数か月続いた…

この世界には元の世界と同じように学校というシステムは存在するがそれは7歳から10歳にかけて、ごく基本的な四則演算と読み書き、歌、体育、理科など小学校低学年レベルのことを学んだら学校は卒業となり、魔王討伐の旅に出ることになる。可愛い子には旅をさせよというがなかなか現実と考えると酷なものだ、徴兵制度が10歳で導入されると考えると大日本帝国よりはるかにひどいな

富裕層の貴族の家では教育資本を高めるために家庭教師を雇ったり、より良い学校へと入学金をたんまり払うらしいが我が家では特別家庭教師を雇うということはないが、親が賢者のためわからないことや学びたいことは全部質問すればいい。なんとも賢者とはコスパがいい

4歳

「ぱぱ、ぼくにもぱぱのつかっているぇんきんじゅちゅをおしえてほしい」

父「おお、さすが我が息子よ、幼いながらもう錬金術を知りたいか」

説明を要約するとこの世界でいわれている錬金術というのは元の世界でいわれるいわば科学のことである。しかしその科学に、身体に含まれる魔力を変換し魔法と科学の複合型ともいえる錬金術が栄えているというわけだ。

なるほどこりゃ面白い、さすがに土くれを金塊に変えることはできないが錬金術と魔術と科学を併用してスタンドアローンタイプのアンドロイド(動力源は魔力)を一年かけて作り出すことに成功した。

5歳

父「すごいな、これは….」

俺はまず初めに造ったアンドロイド(仮にこれを1号とする)と一緒にアンドロイド2号を共同開発した。ディープラーニングは必要なく自分の脳みそと並列化を行う、そしてアンドロイドが本や日常で学んだことは俺の脳みそにフィードバックするシステムを構築した。続けてアンドロイド3号を製作する、会社でいえば俺が社長、組織の最小単位である3人を作ったというわけだ。まず初めに図書室を作った。転生前の俺はyoutubeでDIY動画を見ることが日常のルーティンになっていた。その知識を生かし、わが家の隣にある古びた洋館を親に頼み込み地主から100万ゴールド(1ゴールド=1円)で買い取り、最初の一か月は洋館の掃除、そして水回りの整備、壁紙の修復、床板の修復これらすべて魔法と錬金術と科学とDIYの知識で何とかする、例えば床板の修復は木の幹細胞の時間を巻き戻す、回復魔法の原理を応用したクロノス (時間の神)の定理を利用する(この知識は異世界で得た)。理論上クロノスの定理を利用することによってこの世界の時間を巻き戻すことは可能だが、1秒巻き戻すのにこの世界、例えば地球の直径は水素原子の1.3×1017倍で体積はおよそ1兆833億1978万km3で、原子の大きさと地球の大きさの対数的なちょうど中間は36mm、ピンポン球(直径40mm)程度である。つまり、原子をピンポン球で表すと(4億倍にする)、ピンポン球は地球の大きさくらいになる。体積分の魔力が対価で払われるからMP(マジックポイント)1083319780000p必要となる。俺の魔力は

ステータス表示 レベル20 職業:錬金術師
各種ステータス 
HP400 MP400 EXP300/2000 ATK20 DEF20
 20000000GOLD

いつの間にか400まで増えていた。まあどんぶり勘定でいえば俺が27億人いればようやく地球の時間を一秒戻すことができる計算になる。途方もない魔力が必要だ。しかしそう考えると、アンドロイドを量産し、自分の代わりにモンスターの盗伐しに行かせたらどうなるだろうか、明日実践してみよう。

つづく

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