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「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」を観て

「懐かしい」って感覚を持つのってどんな時か考えた。

例えば10代の頃、小学生時代を思い出したりすることは別に「懐かしい」という感覚ではなかった。
小さい頃から時代が変わったという感覚はなく、その時生きている時代と地続きのように感じていたので。

20代になっても、例えば小学1年生で遊び倒していたポケモンピカチュウ版のことや、聞いていた音楽を、まだそこまで「懐かしい」とも思っていなかった。

30代になってからか、昔流行ったゲームや、地元の場所や、友人の話など、長く触れていなかった話題に触れると、「あぁ、懐かしい」と思うようになったような。
でもそこには特にプラスもマイナスの感情もない、ただ本当に懐古する気持ちでしかない。あーあんなことあったね、面白かったねと。

本作に出てきた「オトナ」が20世紀博にのめり込む気持ちは、単なる「懐かしむ」気持ちだけでなく、そこから「過去の良かったあの頃に戻りたい」と言ったニュアンスを含んでいたように思う。

今時点、「過去に戻れるならいつに戻りたいか(=判断のやり直しが効くとかって意味ではなく、”いつの生活”に戻りたいか)」と言われたら、私は特に戻りたい時期は今の所ないかも。それは今の生活が一番幸せだからなのかは分からないが、まあ特段良かった時期はないような。

昨年、家族に大変なことが起こった時、70歳の母に聞いたことがある。
「人生で、一番楽しかったのいつ?」と。
「うーん、あんたが生まれた時かなぁ。あの頃が一番幸せやったかもしれない」と母は答えた。

温かい気持ちになる一方で、ショックでもあった。
あぁ、今が一番幸せという訳ではないんだなと。

なんかそんなやりとりを思い出した映画でした。

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